「当たり前を大切に、人を育てる会社へ」――三代目が挑む新時代のものづくり経営

株式会社足立熱処理研究所  代表取締役 足立 雅樹氏 氏名

金型や自動車部品、半導体やレンズ型など、あらゆる金属加工を支える「真空熱処理」と「表面処理」の専門企業、株式会社足立熱処理研究所。三代目として経営を担う足立雅樹さんは、技術革新だけでなく「人間性を大切にする組織づくり」にも力を注いでいます。現場の改革、女性雇用の拡大。個人では「寄付を文化」にする活動 ―― その挑戦の裏にある信念を伺いました。

技術と誠実さで支える金属加工の未来

――現在の事業内容と特徴について教えてください。

当社では「真空熱処理」と「表面処理」を2本柱にしています。熱処理では金型などの金属を真空状態で加熱し、強度を高めたり、再加工できるよう柔らかくしたりする工程を担っています。表面処理では、より高い硬度や滑りを求める部品に、当社独自の膜を施工します。特に半導体やカメラのレンズ(防犯カメラ、高解像度用カメラ、車載搭載カメラ、自動運転・ロボット関係)など、精密性を求められる分野で高い評価をいただいています。

現在、2029年までに売上7億円・利益率12%以上を目標に掲げています。新しい建屋の建設や自動化の導入も進め、より快適な職場環境と高品質な製造体制の両立を目指しています。私が社長に就任してまだ1年ですが、「次の50年を見据えた会社づくり」を進めていきたいと考えています。

継承から挑戦へ。音楽業界出身の三代目が描く経営哲学

――経営者としての歩みや大切にしている価値観を教えてください。

私は創業者である祖父、そして父に続く三代目です。もともとは音楽業界で働いており、全く異なる分野からの転身でした。10年前に家業へ戻り、現場と営業の両方を経験したうえで代表に就任しました。

経営において最も大切にしているのは、「当たり前のことを当たり前にやる」ことです。挨拶をする、感謝を伝える、ミスを隠さない――子どもにも教えるような基本を、大人がどれだけ実践できているか。私はそこに会社の信頼や人格が表れると思っています。社員にも同じ姿勢を持ってもらいたいですし、自分自身も常にその原点を忘れないようにしています。

また、2021年からは「男性の育休取得を義務化」しました。これまでに4~5名が取得しています。さらに子育て世代の女性パートの採用にも力を入れており、現在は5名のママスタッフが現場で活躍しています。女性採用について最初は反対もありましたが、今では現場の雰囲気も柔らかくなり、社員同士の思いやりが増えたと感じています。ママさんたちのきめ細やかなお気遣い、明るくパワフルに働く姿は大変心強いです。

人を信じ、人が育つ組織をつくる

――社員との関係づくりで意識していることを教えてください。

社員の主体性を育てるために「改善提案制度」を設けています。半年に一度、全員が提案を提出し、優秀なアイデアは賞与に反映しています。日々の業務改善から設備提案まで内容はさまざまですが、「自分たちの職場を自分たちで良くする」という意識が少しずつ根付いてきました。

コミュニケーション面では、かつて毎週社員を食事に誘っていた時期もありました。今は社長職として現場に入る時間がほとんどありませんが、管理職とはできるだけの時間と想いを共有するよう心がけています。
どんな方と一緒に働きたいか。そこで最も重視しているのは「人間性」です。
面接では必ず事務員さんからお茶を出してもらい、その際に「ありがとうございます」と言えるかを見ています。面接の中でランチやコーヒーにお誘いすることもあり、その際に「いただきます」や「ご馳走様でした」を言えるかなども見させて頂いております。
どれだけ緊張していても、相手への礼儀や感謝をしっかりと伝えられる人と一緒に働きたいですね。

挑戦を止めず、感謝の輪を広げる

――今後の展望と新たな挑戦について教えてください。

来年(2026年)には新社屋にて新事業が稼働します。新しい設備を導入し、自動化や環境改善を進めることで、より働きやすく成長できる会社にしたいと考えています。また、管理職研修にも力を入れていき、次世代を担うリーダーを育てていくつもりです。熱処理・表面処理の価値を更に高め、社員が安心して働けて、自分たちの仕事を誇れる。そんな会社をつくることが、私の使命です。

「寄付を日常に」――社会を温めるもう一つの活動

――仕事以外での取り組みやリフレッシュ方法を教えてください。

3年前の2022年から、SNS「note」で「かつおクラブ」という寄付コミュニティを運営しています。こちらはサブスク型のサービスで、会員は月100円から参加でき、その資金を障がい者施設やカンボジアの子どもたち、能登半島の被災地支援などに全額寄付しています。
寄付金の使い道や明細はすべて公開し、100%の透明性を保っています。
寄付や寄贈は単発での効果は薄く、継続した寄付ができるかが重要だと思っています。その実現のためにサブスクリプションを活用しています。
今年2025年からは漫画「宇宙兄弟」全国寄贈プロジェクトが立ち上がり、全国の中学校をはじめ、様々な場所に寄贈が開始されています。
これから日本を担っていく子供たちへの「未来への投資」と位置づけ、教育支援・読書支援を通じ、これからの日本を生きる子供たちが「夢を抱くこと」「夢を語ること」「誰かの夢を応援すること」が当たり前にできる世の中をつくるために「寄付を文化」にしていきます。

寄付を「特別な誰かの特別な行為ではなく、誰にでも無理なくできる日常」にしていきたい。そんな想いで続けてきました。小さな想いを集めて大きな力に変え、人と人が助け合う社会を育てていく――その姿勢は、経営にも通じています。これからも“ものづくり”と“人づくり”の両輪で、温かい未来を築いていきたいと思います。

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