株式会社imacoo 代表取締役 藤井 孝典 氏
急速に変化する社会の中で、企業経営の複雑性は増す一方です。株式会社imacooは、経営戦略から内部統制、営業支援までを一気通貫で支える“ジェネラリスト型”のコンサルティング企業。代表の藤井孝典さんは、豊富な経験をもとに、クライアントの「経営の軸」をともに再構築する支援を続けています。今回は、藤井さんのこれまでの歩みと、経営に込める想いを伺いました。
経営体制を整え、企業の本質的成長を支援する
――現在の事業内容と特徴を教えてください。
当社では、企業の経営体制を根本から見直すための支援を行っています。具体的には、経営戦略やマーケティング設計、フィールドセールス、内部統制などを包括的に支える「経営伴走型コンサルティング」が軸です。
私はこれまでIPOやM&A支援、IT業界の営業統括、広告代理など、幅広い領域で活動してきました。その経験を通じて痛感したのは、社長の方針が明確でなければ、どんなに優秀な社員がいても組織は迷走するということです。
そこで「中小企業の社長を支え、組織を健全に機能させる」ことを目的に、ジェネラリストとして事業を立ち上げました。現在はスモールチームで顧問契約を中心に展開しています。
会社員時代の後悔から生まれた“決断力”
――起業のきっかけを教えてください
会社員時代、起業のチャンスを前に「自分にはまだ早い」と踏みとどまったことがありました。その選択を何度も後悔したんです。コロナ禍を経て、改めて「挑戦しないままではまた同じ後悔をする」と感じ、独立を決意しました。顧問契約を中心にスタートし、約2年が経ちます。
数多くの経営者と出会う中で印象的だったのは、成功者ほど“社会をより良くする意識”を持っていることです。競争よりも共創、利益よりも信頼。そうした考え方に触れ、経営を通じて人や社会をつなぐ存在になりたいと感じるようになりました。
チームの強みを引き出す“余白のあるマネジメント”
――組織運営や社員との関わりで意識していることはありますか。
社員1名と業務委託の少数精鋭体制で、個々の得意分野を最大限に活かす運営をしています。苦手を埋めるより、強みを伸ばす――その方が本人も成果も伸びるからです。
また、コミュニケーションは「取りすぎないこと」も大切にしています。主体性を奪わないよう、必要な場面でサポートし、相手が自ら動く余地を残す。過度なマネジメントは成長を止めてしまうため、信頼と任せる勇気を持つようにしています。
組織に必要なのは“攻め”だけでなく“温かさ”。一人でも「この人がいれば安心」と思える存在がいれば、チームは自然と前に進むと考えています。
新たなフィールドで社会に還元する
――今後の展望を教えてください。
今後は、これまでの経営支援領域に加えて、まったく新しい分野にも挑戦したいと考えています。特に関心を持っているのが「ペット」分野です。動物が家族の一員として受け入れられる時代において、心理的安全性や生活の質を高める商品・サービスの開発には大きな可能性があります。
経営者としての経験を活かしながら、人と動物がより豊かに共生できる仕組みを構築したい。そうした挑戦を通じて、社会全体にポジティブな変化を生み出していきたいと思っています。
自分を律し、楽しむ心を忘れない
――仕事を続けるうえでのリフレッシュ方法を教えてください。
私にとって最大のリフレッシュは「睡眠」です。良質な睡眠を取ることで頭が冴え、パフォーマンスが格段に上がります。枕や寝具も自分に合うものを選び、休む時はしっかり休むことを意識しています。
また、趣味にはなりますが、カードゲーム対戦を始めました。思考を止めて夢中になれる時間が、ビジネスとは違う“童心”を呼び覚ましてくれます。考える楽しさとリラックスの両方をくれる、大切な時間です。
挑戦と休息をバランスよく取り入れながら、自分を律し続けること――それが経営にも人生にも通じる原動力になっています。どんな時代でも、自分を信じて一歩を踏み出せる人を増やしたい。そんな想いを胸に、これからも新たな挑戦を続けていきます。

