一般社団法人JUN Ambitious沖縄 代表理事 與那覇 潤 氏
沖縄・豊見城市で、園児から中学生までを対象にサッカースクールと学童事業を展開する與那覇氏。地域の指導者不足や部活動の限界、そして子どもたちの多様なニーズに対応しながら、自らの経験を生かした「一貫指導」の体制を整えています。サッカーを通して継続する力や協調性を育むだけでなく、子どもたちの人間力を長期的に育成することを目指す與那覇氏の取り組みは、地域教育に新しい可能性を示しています。今回は、事業の特徴から運営の工夫、今後の展望までをお伝えします。
目次
教育やスポーツを通して子どもたちの人間力を育む
──まず、御社の事業内容について簡単に教えてください。
私たちは園児から中学生を対象にしたサッカースクールと学童事業を運営しています。単に子どもを預かるだけではなく、教育とスポーツの両立を重視し、子どもたちの人間力や社会性、チームワークを育てることに力を入れています。
サッカーはもちろん、生活習慣やコミュニケーション能力の向上にも目を向け、子どもたちが自ら考え、行動する力を養うプログラムを設計しています。「単に技術を教えるだけでなく、人としてどう成長するか」という視点を大切にしている点が、他のスクールや学童とは異なるのが特徴です。将来は、高校、社会人と一貫指導の下、沖縄初のロンドメソッドを生涯スポーツとして沖縄のサッカー文化に根付かせて行きます。
子どもの成長を段階的にサポートできる環境づくり
──なぜ、サッカースクールと学童事業を始めようと思ったのですか?
私は中学校からサッカーを始めたのですが、園児から中学校まで一貫して指導できる環境がほとんどありませんでした。子どもたちがサッカーを通して、技術だけでなく継続する力や協調性、仲間と協力する力を学べる環境を提供したいと考えたのがきっかけです。
また、地域の子どもたちにとって「好きなスポーツを続けられる場所が少ない」という課題もありました。特に園児から中学生までを通じて、段階的に成長をサポートできるスクールは非常に少なかったのです。こうした背景から、自分自身の経験を生かし、一貫した指導体制をつくることに踏み切りました。
子どもたちの可能性を最大限に
──年齢別の生徒数や指導体制はどのようになっていますか?
現在、園児から小学生・中学生まで約50名が在籍しています。指導者は、現在私一人が複数の年齢層を、時間を分けて対応し、試合時は、保護者の協力も得ながら運営しています。園児から中学生までの一貫指導を重視しており、中途での入学は少ないですが、ゼロから育てることで技術や精神面を均一化できるメリットがあります。
持続可能な運営体制の下、長期的にサポート
──今後の展開はどのように考えていますか?
人数をただ増やすのではなく、「清澤式ロンド」という新しいサッカーメソッドを取り入れ、子どもたちが確実に成果を実感できる環境を整えることに注力しています。質の高い指導を提供し、継続可能な運営体制を作ることが最優先です。
また、地域のニーズに応じて学童事業のプログラムも柔軟に改善していく予定です。教育とスポーツの両立をさらに強化し、子どもたちが社会に出るまで長期的にサポートできる体制を整えることが目標です。
信頼関係があって、私たちは挑戦できる
──保護者とのコミュニケーションで意識していることはありますか?
多くの保護者が働いており、特別な要望は少ないです。だからこそ、まず安全・安心に子どもを預けられる環境を整えることを重視しています。そのうえで、少しずつ競技志向への意識を高めるようにしています。
保護者と信頼関係を築くことは、子どもたちの成長にも直結します。保護者が安心して子どもを任せられることで、子ども自身も思い切って挑戦できる環境が生まれます。
與那覇氏は、園児から中学生までの一貫指導を通じて、子どもたちの成長を長期的に支える環境づくりに力を注いでいます。地域の課題に応えつつ、最新の沖縄初のロンドという戦い方の指導法や情報発信も取り入れ、教育とスポーツが両立した持続可能なスクールを構築しています。子どもたちの「継続力」と「人間力」を育む取り組みは、地域社会全体にも良い影響を与えていくでしょう。

