声で人を癒やし、文化をつなぐ。朗読の力を世界へ

一般社団法人ソフィアの森 代表理事 斉藤ゆき子氏

声の力で人の心を癒やし、文学を通じて生きる力を取り戻す――。
朗読を通じた表現教育を全国へ広める「一般社団法人ソフィアの森」。代表の斉藤ゆき子さんは、NHKドラマ『この声をきみに』のモデルにもなった朗読教室の主宰者として知られます。40年近く声の仕事に携わってきた経験をもとに、声の可能性を社会に還元しようと活動を続ける斉藤さんに、これまでの歩みと今後の展望を伺いました。

朗読教室から始まった「声のチカラ」

――現在の活動内容と、法人設立の経緯を教えてください。

私が教室を始めたのは、東日本大震災の直後です。声を使う仕事をしてきた経験を活かし、「声の力で元気になってもらいたい」という思いから、小さな朗読教室を調布市で立ち上げました。口コミで全国から生徒さんが集まり、2017年にはNHKのチーフプロデューサーから声がかかり、教室をモデルにしたドラマ『この声をきみに』が放送されました。

ドラマの影響で多くの方に関心を持っていただき、受講者が一気に増えました。その後コロナ禍をきっかけにオンライン化を進め、全国どこからでも受講できる仕組みを整えました。今では33名の講師が全国で活動しています。2024年12月に一般社団法人化したのは、教室をより信頼性ある形で運営し、検定試験などの新たな教育事業を展開するためです。

声に救われた過去から、伝える人になるまで

――朗読を仕事にしようと思ったきっかけは?

実は、もともと人前で話すのが苦手な子どもでした。小学時代は声が出せず、コンプレックスだらけでした。ところが中学で放送部に入ったとき、自分の声を放送で聞いて驚いたんです。「こんなに澄んだ声をしていたんだ」と感動して、自分の声に救われた瞬間でした。

そこから朗読や放送の世界にのめり込み、NHKの朗読コンクールで入賞。大学卒業後は放送局勤務を経て声優の道へ進みました。

朗読は単なる読みではなく“表現”です。声に出すことで登場人物の感情が伝わり、自分の心も浄化される。こうした体験を広めたいと思ったことが、今の活動の原点です。

2019年には、教室に通う方々の変化をまとめた著書『奇跡の朗読教室』を出版しました。人前で話せなかった人が自信を取り戻したり、家族との関係が改善したりと、朗読が人生を変える力を持っていることを実感しています。

共感とセンスを共有できる仲間とともに

――組織づくりで大切にしていることは何でしょうか。

現在、運営は私と夫が中心で、動画制作やWEB更新を外部の方に依頼しています。大切にしているのは「感性が合うこと」です。フライヤー一枚でも、私が伝えたい世界観を正しく理解してくれるかどうかで仕上がりが全く違います。そのため、依頼相手は全国からセンスの合う方を選び、信頼関係を築きながら一緒に制作しています。

オンラインの時代になり、場所を超えて価値観を共有できる人とつながれることが嬉しいですね。

声でつなぐ日本文化を、世界へ届けたい

――今後の展望を教えてください。

今後は、海外に向けて日本語の朗読を広めていきたいと考えています。アニメや古典文学を通じて「日本語の音」に魅了される方は世界中にいます。現地に行かずとも、オンラインで「読む楽しさ」や「声で自分を癒やす感覚」を伝えられる時代です。

検定制度の構築や教材づくりなど、まだ課題は多いですが、小さく丁寧に積み重ねながら進めていきたいと思っています。さらに、将来的には日本語教育や表現教育の分野とも連携し、声の文化を学問として体系化したいです。朗読が“特技”ではなく、“教養”として根づく社会を目指しています。

リズムと声の調和で心を整える

――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。

趣味はダンスです。80〜90年代のソウルミュージックに合わせて体を動かすのが大好きで、プロのダンサーの方に習っています。リズム感は言葉のリズムにも通じるので、声を磨くトレーニングにもなります。また、猫と過ごす時間も癒やしです。自由気ままな姿を見ていると、肩の力が抜けていきます。

声・体・心――そのすべてを整えながら、これからも朗読の力で人々を笑顔にしていきたいです。

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