高齢者の「行きたい」を叶える介護タクシー──医療福祉専門職が運営する地域のライフライン

fk.spice株式会社 代表取締役 船戸 敬太 氏

高齢者や体の不自由な方にとって、外出は日常生活の中で大きなハードルとなることがあります。しかし、地域に根差した介護タクシー会社では、医療福祉の専門資格を持つスタッフが安全・安心を第一に利用者の「行きたい」を実現しています。従来の介護タクシーとは一線を画すその取り組みと、今後の展望、そして地域に与える影響を伺いました。

高齢者の想いを汲み取りながら事業を展開

──現在、どのような事業をされていますか?

弊社の最大の特徴は、医療福祉の国家資格を持つ専門職が運営している点です。ドライバーは単なる運転手ではなく、高齢者や体の不自由な方の状態を理解し、必要なケアを行いながら移動をサポートできます。

たとえば、車椅子利用者の方が自宅から病院まで移動する際、通常のタクシーでは車両への乗降補助しか行われません。しかし、この会社では、体調に応じた姿勢の補助や、必要に応じて簡単な健康チェックも行いながら移動を支援しています。地域におけるライフインフラとしての役割も大きく、通院だけでなく、趣味や家族との外出、地域イベントへの参加など、利用者の生活の質を向上させるサービスを提供しています。

医療福祉専門職が運転するという強み

──従来の介護タクシー事業とはどういった点が異なりますか?

一般的な介護タクシーは個人事業者が多く、台数やサービスのスケールに限界があります。私たちは、医療福祉の専門職が運転する高付加価値サービスを提供しており、地域シェアは約40%。現在は10台のタクシーと20名の社員体制ですが、安全性や専門性の高さで他社と大きく差別化しています。

さらに、2種免許保有者が運転することで、単なる送迎サービスではなく、医療的配慮を伴った移動支援が可能になっています。たとえば、高血圧や心臓疾患を抱える高齢者の方が急に体調を崩した場合も、専門知識を持つスタッフが対応できる体制です。この安心感は、従来の介護タクシーにはない大きな強みとなっています。

高齢者の「行きたい」を叶えてあげたい

──事業を立ち上げた理由を教えてください。

事業を立ち上げたきっかけは、介護施設での現場経験でした。「入所者が『行きたい場所に行けない』という願いを叶えられない」という現状に違和感を覚え、高齢者が自由に外出できる機会を増やしたいと考えたことがはじまりです。

私は、施設で何度も目にした、笑顔を失った高齢者たちの姿が忘れられませんでした。病院や施設内だけでなく、地域社会とつながる機会を作ることで、利用者自身の生活の充実や精神的な健康にもつながると感じ、介護タクシー事業をスタートしました。

実際に利用する方々からは有難いことに次のような声をいただきます。

「孫の運動会に行けるなんて、夢のようです」

「久しぶりに友人と外出できて、気持ちが若返った」

「体調が不安でも、専門スタッフがいるので安心して出かけられます」

こういった声からも、単なる移動手段以上の価値を私たちが提供していることが伝わると思います。利用者の生活の質を高めることが会社の使命であり、スタッフにとっても仕事のやりがいとなっています。

地域に根付いた良質なサービスを全国展開すること

──今後の展望があれば、ぜひ伺いたいです。

会社の目標は、現在の10台から3年で100台規模への拡大です。台数を増やすことで、より多くの地域住民に安全で快適な移動の機会を提供できると考えています。

さらに、フランチャイズモデルや遠隔地展開も視野に入れ、売上よりも「安心安全を届けられる台数」の拡大に重点を置いています。地域に根差したサービスを全国に広げることで、より多くの高齢者や外出困難者が「行きたい場所に行ける喜び」を享受できる未来を目指しています。

利用者と一緒に外出する時間が自分にとってもリフレッシュ

──リフレッシュ法などがあれば教えてください。

私自身も外出支援を通じて仕事を楽しんでいます。趣味の登山や、利用者との花見・野球観戦など、業務を通じて外に出ることがリフレッシュの機会になっています。専門性を活かしつつ、地域に貢献できる喜びが、長く働く原動力になっています。

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