一般社団法人OURS 代表 小儀 昌弘 氏
一部の限られた有名人でなくとも、何気ない日常を懸命に生きる現代人達に「輝く機会」を提供することをミッションに掲げ、ファッションショーやポップアップストア、はたまた格闘技道場など、複数事業群を圧倒的なスピード感で展開する小儀氏。
福祉業界での反骨精神を起点に、独立から法人設立に至るまでの軌跡、そして今後の展望や組織運営の哲学について伺いました。
目次
一般層の女性達にこそスポットライトを
──現在、どのような事業をされていますか?
主な事業はファッションショーとミス・ミセスコンテストの運営です。
一般的なショーやコンテスト界隈は、華美な魅力や限定的な容姿が重視されますが、僕達は “ルッキズム・エイジズムからの脱却”を掲げ、年齢や外見、実績、肩書きにとらわれずあらゆる女性が輝ける場を創出してきました。
多方面から賞賛を頂いている特徴の一つは、エントリーの負担が少ないことです。
世の中のこういったショーイベントの多くは、出場者や出展者が高額な金銭的負担を負うことが通例です。
しかし僕達は入場料と物販のみを運営費用に充て、その他の演出、広告はスポンサー様のご支援で成り立っています。
またよくある高額なビューティーキャンプも設けることなく、あくまで自己投資は任意で選択出来、安心して挑戦できる仕組みを整えています。
純粋な行動力の積み重ねが事業成功の碁盤に
──創業に至った理由を教えてください。
法人化は2期目ではありますが、前身であるファッション・アートのクリエイティブ集団を組織していた個人事業主時代の開業を振り返ると、かれこれ10年以上前になります。
福祉職に従事していた当時、地味で過酷な日々の中、週に一度、原宿に繰り出しては、ファッションスナップシーンで非日常を味わうことが唯一の刺激でした。
“十人十色の多様性”や“誰しもが持つ可能性”を肌で学んでいったあの経験が、気付けばインディペンデントなwebメディア立ち上げの原動力となっていきました。
無欲にただ純粋な心で、HPを独学で作り、安物の一眼レフを片手にストスナを撮り重ねた日々の努力が、いつの間にか多くの支持を集め、広告依頼や撮影依頼、協業依頼に繋がり、徐々にクルーも活躍の場も増えていき、あっという間に単独イベントの主宰や、自社ブランド立ち上げ、そして東コレに公式で招かれるまでになりました。
始まりは単なる趣味の活動から、いつしか本業を何倍も超えるほどのビジネスへと変貌を遂げていきました。
全員が対等で平等な関係性を意識する
──チームづくりで大切にしていることはありますか?
僕達はコアメンバー4名を中心に、外部理事や顧問も含めて総勢20名で運営しています。
コアメンバーは日々の意思決定や企画立案を担当し、イベントやプロジェクトごとに責任者を設けることで、現場運営の効率化を意識しています。
特にヘアメイクやデザイナー、モデル講師、イベントスタッフなどの専門職はステークホルダーとして関わり、単なる作業員ではなく、事業の価値を理解した上で主体的に動く仕組みになっています。
社員や業務委託スタッフには社則はもちろん、時間や場所の制約すらもほとんど設けず、柔軟な働き方を尊重しています。
重要なのは“ミッションの共有と体現”であり、全員が同じ方向を向くことで、自立的に判断・行動できる環境が整えられています。
僕自身も仲間に対し“一人ひとりが僕と対等な経営者”と、フラットに関わっていることが、組織の信頼関係と成果に繋がると考えています。
全員が自分事として全てを捉える為、時に手厳しいフィードバックも皆の前で。報酬や経費なんかも洗いざらいオープンにしています。
「不平不満は影で言わず、全て壇上に並べろ。代表に対しても遠慮なく苦言を呈してくれ」と常々伝えているので、良い意味で喧嘩もしますけどね、まあ兄弟喧嘩です(笑)
小さな感謝を積み重ねて開花、その勢いのまま法人化へ
──経営人生の中で印象的だった出来事はありますか?
家事や子育てに追われ自分らしく生きれていなかった主婦や、人生を重ねてきた妙齢のご婦人が、再びスポットライトを浴びてキラキラと少女のように微笑む姿や、上京してきて居場所のなかった孤独な青年が道場の練習後、酔いもあってか仲間に囲まれ思わず涙ぐむ姿。
今、僕の下に集まってくれた仲間達もそうです。
有難いことに皆が口を揃えて「小儀さんが人生を変えてくれた」と、恥ずかし気もなく真っすぐに感謝を告げてくれます。
その瞬間瞬間に、自分の選んだ道は間違いじゃなかったと、そう思わせてもらっています。皆さんの輝きに一番救われているのは僕の方でした。
誰もが活き活きと輝き、自分を好きになれる時代へ
──今後の展望をお聞かせください。
我々OURSは「日本から充実していない人をなくす」というミッションを掲げ、ビューティー、ヘルス、ホビーといった既存事業の拡大に加え、年内、退職代行・転職支援事業を新設します。
趣味や生き甲斐の充実以前に、人生の大半の時間を占めるはずの仕事に「満足している」と答えられる日本人があまりに少ないからです。
またファッションショー、コンテスト事業は、海外展開も視野に入れ、韓国との連携でアジア大会開催を計画中。
惜しみなく予算を投じ、目先の利益よりも感動体験の積み重ねや人々のポジティブな変化の総量を重視しています。
その為にも現在抱えている課題として、OURSのミッションや僕等のヴィジョンに共感し、共に挑戦する仲間の確保が急務だと考えています。
自ら足を使って、汗をかいて、夢を語って回り、共感する熱い仲間やステークホルダーを増やしていく予定です。
この第二期ではなるべく外部サービスや代理店には依頼せず、草の根的な人脈と熱量で拡大を図り、次のフェーズを目指します。
その回転をいかに早めるかが鍵なので、圧倒的な行動力と行動量で、センスや才能を凌駕します。
運や時代に依らず、強固な意志と努力の積み重ねが花を咲かせる
──起業を目指す人達へのメッセージがあればぜひお願いします。
運や時代や環境のせいにせず、他者の声や己の気分に依存もせず、ただあなたがやるべきことを日々積み重ねることが成功に繋がります。
あなたが本当になりたい自分を描いて下さい。
そしてそれを達成する為に不要なものからは距離を置いて下さい。
夢への前進を阻害するノイズに、あなたの動きや思考が制限されることがもったいな過ぎる。
もしかしたら年齢や境遇、才能や性格を理由に、あなたはもうとっくにゲームを投げているかも知れませんが、 夢は今も変わらずにゴールであなたを信じ、待っています。
親でもない世間でもない、他でもないあなた自身の手で、あなたの可能性を摘まないで下さい。全てはあなた次第で、あなたの人生はもっと面白いはずです。

