pAIr Mind, Inc. (株式会社ペアマインド) 代表取締役 船越 丈寛 氏
pAIr Mind, Inc. (株式会社ペアマインド)は、AI技術と大学発ベンチャーの強みを組み合わせ、建築・内装業界に新たな価値を提供する企業です。学生主体のチームで最先端の研究成果を社会実装することを目指し、独自の画像解析や意思決定支援AIを活用したサービスを展開しています。今回は事業展開や今後の展望について伺いました。
AIと人間が「ペア」になって取り組む
──会社概要と設立背景を伺わせてください。
「ペアマインド」という社名の由来は、AIと人間がペアとなって意思決定を行うコンセプトから名付けています。私自身も含めて、社員の多くが大学生で構成されており、フルタイムの正社員はおらず、業務委託やアルバイト形式でチームを形成しています。
経営を始めるまでは高校時代からプログラミングや情報技術に親しみ、大学でも独自のサービスを立ち上げるなど、趣味を通じた経験がそのまま起業の原点になりました。個人事業としての活動を経て、他のスタートアップで経験を積んだ後、2025年度に株式会社ペアマインドを設立しました。
AIを活用した内装支援サービス
──サービス内容を教えてください。
ペアマインドの主力サービスは、AIを活用した内装診断と内装デザイン支援です。従来は数時間かかっていた空間設計も、スマホで写真を撮るだけでAIが自動分析し、設計案を生成。3Dデジタルツインの作成や、決済までスマートフォン上で完結できる仕組みを提供しています。
対象は宿泊施設や飲食店、交通機関など、顧客体験の質が重要となる空間。AIによる自動設計の導入により、企業は効率的かつ迅速に内装の最適化を行うことが可能になります。
さらに将来的には、内装設計のみにとどまらず、意思決定の効率化を図るAIシステムを広く展開。ユーザーがAIによって選ばれた最適な商品を承認するだけで購買が完了する、新しい電子商取引モデルを目指しています。
大学発ベンチャーならではの強み
──事業の強みとビジョンは何かありますか?
大学発ベンチャーならではの強みは、最先端研究をいち早く社会に実装できるスピードです。研究や学会で得た知見を特許化し、事業へ応用することが可能な点は、大学と強くつながる企業だからこその特色だと考えています。さらに、メンバーの多くが若手であるため、柔軟な発想や行動力を発揮できるのも大きな強みです。将来的には、国内にとどまらず世界を舞台にしたグローバル展開も視野に入れています。
私自身も現在アメリカの大学に在学しており、国際的な視野を広げながら、学業と会社運営の両立に挑戦しています。こうした経験を通じて、多角的な視点を事業に活かしていきたいと考えています。
グローバル展開を見据えた次世代プラットフォームへの挑戦
──今後の展望について教えてください。
2~3年後には、数万規模の空間データを活用したプラットフォームとして成長させ、Amazonや楽天に匹敵する新しい購買体験の提供を目指します。また、内装診断を無料で提供することで企業や建築会社の入り口サービスとし、その先にある有料サービスへの導線を確立していく計画です。
グローバル展開については、日本市場にとどまらず、海外でも早い段階からサービスを広げていく構想を描いています。特にアメリカは市場規模や技術環境の面で大きな可能性があり、先行的に展開する選択肢も視野に入れています。将来的には、多言語対応や各国の建築基準に合わせた最適化を進め、国境を越えた空間デザイン支援を行うことで、世界中の企業や施設運営者に活用されるサービスへと成長させていきたいです。
最先端の技術と若い発想力で新しい価値を創出
――最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
ペアマインドの強みとして「若いメンバーだからこそできる柔軟な発想」と「グローバルな視点」を挙げられます。日本に留まらず世界を舞台に、AI技術を活用して人々の生活や企業の業務をより便利に、効率的にしていくことを目指しています。
私たちは、最先端の技術と若い発想力で、未来の空間体験を創造します。大学発ベンチャーというユニークな立ち位置から、AIとデザインの融合による新しい価値創出を追求し続けていきます。

