技術と倫理を軸に、“信頼”を築くコンサルティングを

テクニカ・ゼン株式会社 代表取締役 寺川 貴也氏

テクニカ・ゼン株式会社は、データプライバシーやAIガバナンスといった分野で、企業のコンプライアンス体制づくりを支援するコンサルティング会社です。欧州のGDPRをはじめとする諸外国のデータ保護法や、AIの倫理的な活用ルールなど、複雑化する環境の中で、消費者から信頼を得ながら事業を進める仕組みづくりをサポートしています。2015年の創業以来、「信頼と誠実さ」を大切に、企業の長期的な成長を支えてきた寺川代表に、これまでの歩みと今後の展望を伺いました。

技術と“善”を融合させた理念

――現在の事業内容や理念について教えてください。

当社では、企業が各国のデータ保護法に対応できるよう、実務レベルでの体制整備を支援しています。特に欧州のGDPRや ISO を軸としたガバナンス体制を設計し、グローバル企業が人々の信頼を得ながらデータを扱える仕組みを整えるのが主な仕事です。近年はAIの倫理的活用を目的とした「AIガバナンス」にも注力しています。AIが人を不当に差別したり、害をもたらさないよう、企業が責任をもってAIを活用できるようサポートしています。

会社名の「テクニカ・ゼン」は、テクノロジー(技術)を意味する“テクニカ”と、「善い」「全体」「禅」の3つの“ゼン”を掛け合わせたものです。技術の力を社会全体の幸福へつなげるという意味を込めています。単に利益を追うのではなく、お客様や仲間が心から喜べる“良い仕事”をすること。そして短期的ではなく長期的な成功を支援することを大切にしています。

経営者としての原点と信念

――起業に至った経緯を教えてください。

大学卒業後は外資系企業に勤め、国際的な基準や認証に携わる中で、日本企業が戦略的思考やリスクベースの判断を苦手としている現実を感じました。そこで「国際的なルールと考え方を組織運営に活かす支援を自ら提供したい」と思い立ち、2015年に独立しました。

会社員時代はどうしても組織の制約があり、「本当に顧客のためになること」ができない場面もありました。だからこそ、自由な立場で“自分が正しいと信じられる支援”を届けたいと考えたんです。
起業当初は仕事がほとんどなく、他の業務を掛け持ちしながら会社を維持していました。それでも、信頼してくださるお客様やパートナーに支えられ、少しずつ道が開けていきました。苦労の中で「誠実にやり続ければ、必ず見ていてくれる人がいる」と学びましたね。

――仕事を通じて大切にしている価値観は何でしょうか。

一番大切にしているのは“信頼” (トラスト)です。プライバシーの世界ではトラストがもっとも大切なものとされています。技術が日々進化する中で、正しい答えがすぐに分からないことも多い。だからこそ「この会社なら安心できる」と信じてもらえる存在でありたいと思っています。誠実さ (integrity) 、真摯さ (honesty) を持ち、地に足のついた形で社会に貢献する。それが私の信念です。

人が育つ組織づくり

――組織運営や社員との関わりで意識していることは?

社員一人ひとりに「ここで何をしたいか」をまず尋ねます。言われたことだけをこなすのではなく、自分の意思で価値を生み出せる人と一緒に働きたいんです。もちろん、その分人材の定着は簡単ではありませんが、楽しみながら本気で取り組める仲間だけが残ってくれています。

コミュニケーションでは“質”を重視しています。チャットだけでは伝わらない感情や意識の部分まで共有するため、短時間でも直接会って話すことを欠かしません。方向性の確認を密に行うことで、社員が安心して挑戦できる環境を整えています。

――社員に求める資質は

 「自分で考え、行動すること」です。失敗を恐れずに挑戦し、結果を自らの責任で受け止める姿勢を持ってほしいと思います。私はよく「僕を驚かせてほしい」と言うのですが、それは主体的なアイデアや成果を期待しているからです。実際、勤怠管理の仕組みを自ら改善してくれた社員もいて、そうした主体性が組織の力になっています。

グローバル展開とAIガバナンスへの挑戦

――今後の展望を教えてください。

今後は外国人コンサルタントの採用を進め、アジア太平洋地域(APAC)への進出を強化していきます。加えて、英国の大手認証機関BSIと連携し、AIリテラシーやAIガバナンスに関する新たなトレーニングプログラムを開始する予定です。3~5年以内に、国際トレーニング事業の安定化と海外事業の拡大を実現したいと考えています。

AIガバナンスの市場は今後1兆円規模にまで拡大するといわれています。データ保護も含め、需要は確実に増えるでしょう。しかし、私たちは単に“儲かる分野”としてではなく、「安全で信頼できるデジタル社会を支える存在」として、この分野に真摯に取り組みたいと思っています。

仕事の外にも“誠実さ”を

――お忙しい中でのリフレッシュ方法を教えてください。

最近は自宅近くの市民農園で野菜づくりを楽しんでいます。自然に触れると気持ちが整いますし、仕事での発想にも良い影響がありますね。また、移動の関係でバイクを購入したのですが、休日に風を感じながら走る時間もいい気分転換になります。

――最後に、今後の目標をお願いします。

人として正しいことをするを経営の軸に据えています。どれだけ時代が変わっても、誠実に、信頼を守り続けることが企業の価値につながると思います。

技術と倫理のバランスを大切にしながら、世界中の人が安心してデジタル社会を活用できる未来をつくっていきたいです。

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