フリーランス・中小企業の未払い問題を仕組みで解決──カリバライが挑む、新しい取引のかたち

株式会社KURAE 代表取締役 勝浦 宏明氏

株式会社KURAEは、Web制作とWebサービス開発を手がける企業です。代表の勝浦宏明氏が立ち上げたのは、フリーランス・中小企業の未払い問題を解決するためのエスクローサービス「カリバライ」。

エスクローとは、取引の際に代金を中立的な第三者が一時的に預かり、納品やサービス提供の完了後に支払うことで、未払い・遅延・持ち逃げなどのリスクを防ぐ仕組みです。

代金と成果物の安全な交換を保証するこの仕組みは、信頼性の高い取引を実現する手段として、近年注目を集めています。

長年のWeb業界での経験と実体験から生まれたこのサービスに込めた想い、そして「信頼を仕組みで支える」未来への展望について伺いました。

取引の不安をなくす「カリバライ」を開発

――まず、御社の事業内容と特徴について教えてください。

当社は、Webサイト制作およびWebサービスの開発・運営を行っています。私自身ももともとフリーランスとしてWebサイト構築全般を手がけてきましたが、長年温めていたWebサービスの構想を実現するため、2022年に法人化しました。

現在注力しているのが、フリーランスや中小企業向けに報酬トラブルを防ぐためのエスクロー決済サービス「カリバライ」です。

カリバライは、案件の紹介や仲介を行わず、法人・個人間を含むあらゆる直接取引にエスクロー決済を柔軟に導入できる点で、プラットフォーム内限定で使われる従来のエスクローサービスとは一線を画す新規性があります。

手数料は業界最低水準で、登録料や月額費用も不要。必要なときにだけ使える“取引の決済インフラ”として設計しています。エスクロー機能に特化したWebサービスは国内でも数少なく、契約から支払いまでをオンラインで完結できる点も特徴です。

挑戦の原点は「未払いをなくしたい」という想い

――代表ご自身がこのサービスを立ち上げた背景を教えてください。

私自身、フリーランスとして働いていた際に、何度も支払いの遅延に直面しました。さらに、親しい仲間が未払いにより資金繰りに行き詰まり、廃業してしまったことが、事業立ち上げの大きなきっかけになりました。

調べてみると、フリーランスの約3割が未払いを経験し、そのうち4割が泣き寝入りしているという実態があります。フリーランスに限らず、中小企業でも契約内容が曖昧なことも多く、支払いトラブルが起きやすいのが現状です。

支払いの仕組みって昔のままで、トラブルがすごく多い。従来の契約書だけでは十分に防げないため、取引の段階で未払いを防ぐ仕組みが求められている。まさに今がその実装のタイミングだと考えました。

とはいえ、エスクローを主軸としたサービスは国内では前例が少なく、「難しい」「採算が合わない」「どうせ頓挫するだろう」と否定されることも多々ありました。逆にその反応こそ、今まで誰も仕組みを整えてこなかった証拠だと捉え、自社開発・自己資金でゼロからサービス構築を進めました。

2024年1月の正式リリース後には、日経新聞社と金融庁が主催するフィンテックサミット「FIN/SUM 2025」の公式リリースにて、注目スタートアップとして取り上げていただきました。取引適正化の取り組みが社会的に求められていることの証であると感じています。

「安心取引のインフラ」になる未来を目指して

――組織体制や今後の展望についても教えてください。

現在は、私一人で運営しています。プロダクト設計からサポート、営業・広報に至るまで、すべてに目を通しながら、ユーザーの声に直接耳を傾けられることを大切にしています。

外部の専門パートナーとも連携しながら、機動力と柔軟性を武器に、少しずつ信頼を積み重ねている段階です。

今後は、建築・制作・物流・IT委託など、未払いが起こりやすい業種を中心に導入を拡大し、業界ごとのユースケースや成功事例を積み上げていきたいと考えています。

また、発注者にとっても、着手金の持ち逃げ防止、納品に応じた支払いタイミングのコントロール、さらに機密性の高い業務や非公開案件でも使える点が大きな利点です。

将来的には、段階支払いや契約テンプレートの自動生成、他社SaaSとの連携なども見据え、個人・法人・グローバル問わず「カリバライしてる?」という会話が当たり前になるような、取引の“決済インフラ”としての定着を目指しています。

サッカーが教えてくれた「チームをまとめる力」

――仕事以外での趣味やリフレッシュ方法はありますか。

小学生の頃から30年以上、サッカーを続けており、今でも週末にはフットサルを楽しんでいます。

学生時代は生徒会役員や部活のキャプテン、社会人になってからは社会人リーグの監督など、人をまとめる立場を多く経験してきました。人との関わりを通して学んだことが、現在の組織づくりやサービス開発にも生かされていると感じます。

これからも、技術と仕組みの力で働く人が「安心して取引できる社会」を実現していきたいと思います。

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