ソーシャル・アライアンス株式会社 代表取締役 岡根 芳樹 氏
「営業はセンスではない。正しいノウハウと“志”があれば、人は誰でも変われる」。
そう語るのは、成果にこだわる営業教育を展開するソーシャル・アライアンス株式会社代表の岡根芳樹氏。
演劇出身、借金地獄からの生還、営業未経験──波乱万丈な経歴を経てたどり着いたのは、「相手のために尽くす」営業のあり方でした。
今回はその歩みと、未来への展望についてお話を伺いました。
志ある営業力を広め、社会を豊かにする
――現在の事業内容と、重視している理念を教えてください。
弊社では、セールスやコミュニケーションの教育プログラムを、法人・個人問わず幅広く提供しています。演劇で培った表現力と心理学を組み合わせた独自のメソッドで、単に話し方を教えるのではなく、成果につながる「行動を引き出す技術」を重視しています。
根幹にあるのは、志を持って事を為す「志事」という理念です。営業成績を上げることだけが目的ではなく、相手のために本気で尽くす気持ちがあってこそ、本当に人を動かせる営業になる。そう信じて活動しています。
さらに、これはビジネスにとどまらず、職場の人間関係や教育、家庭などあらゆる場面に応用できると考えており、日常をより良くするための「生きる力」としてもこの力を広めていきたいと思っています。
借金300万円からの逆転劇──志に気づいた転機
――どのような経緯で今の事業に至ったのでしょうか?
私はもともと演劇の世界で生きていましたが、劇団運営中に詐欺に遭い、多額の借金を抱えました。返済のためにフルコミッションの営業の世界に飛び込んだものの、まったく売れず、心身ともに追い詰められた時期がありました。
そんなどん底の中で、「自分のために頑張ってもダメなら、相手のために尽くそう」と成果に対する考えを切り替えた瞬間、結果が出始めたんです。この体験が、今のビジネスの根本になっています。
どんな人にも可能性はある。その証明を、自分自身の人生で示してきました。
だからこそ、過去に挫折や苦難を経験した人に、私たちのプログラムを届けたい。どんな境遇でも、人は変われる。そのリアルな希望を、私は体現し続けたいと思っています。
表現力と素直さが、人を動かす営業をつくる
――組織運営で大切にしていることは何ですか?
社員には「素直さ」と「貪欲さ」を何より求めています。才能ではなく、学び続ける姿勢こそが成長の鍵です。営業に苦手意識を持っていた人たちがトップセールスに変貌する姿を、これまで何度も見てきました。
また、演劇出身の私にとって、「表現力」は営業にも不可欠な要素です。声のトーン、仕草、表情……これらすべてがプレゼンの成果に影響します。研修や社内育成でも、ロープレを繰り返しながら、言葉に魂を込める訓練を重視しています。
型どおりのプレゼンではなく、自分の言葉で語ることで初めて相手の心を動かせる。そのためには表現力と自己理解が必要です。私たちは一人ひとりの個性を引き出し、説得力のある“自分だけの伝え方”を身につけるサポートをしています。
教育×サブスク×社会貢献──広がる未来構想
――今後の展望を教えてください。
まず法人向けには「セールス、コミュニケーション、リーダー教育のサブスクサービス」を展開し、企業が手軽に学べる環境を提供していきます。さらに個人向けには「実践型営業学校」を開校しました。半年間で確実に成果を出す仕組みを整え、現場で使えるスキルを徹底的に身につけてもらいます。
そして、長期的には「子どもたちの寺子屋」を無償で開設したいと考えています。
学校に行かない、社会に適応しにくい子どもたちに、心の整え方や表現する力、生き抜く力を伝えていく場をつくりたい。そのための布石として、今の事業があります。
志は人生を変える原動力になる
――ご自身の哲学や、日々のリフレッシュ方法について教えてください。
「志を持って事を為す」。この言葉に尽きます。
かつて自分のために必死に働いてもうまくいかなかった私が、他者のために動くようになって初めて成果を得られた。その体験が、今のすべてを支えています。
特別な趣味はありませんが、仕事そのものが自分の喜びであり、毎日が学びと挑戦の連続です。
お客様や受講生が変わっていく姿を見ることが、何よりのリフレッシュであり、モチベーションになっています。これからも「志」を持つ人を一人でも多く育て、世の中に貢献していけたら嬉しいですね。