エヌ・アルファ株式会社 代表取締役 相原 健太氏
2024年9月に法人化されたエヌ・アルファ株式会社は、通信業界に新たな風を吹き込む注目の企業です。
人材の質に徹底してこだわりながら、地域社会と次世代に寄り添う事業を展開する同社。
代表の相原氏に、企業としての理念や、創業までの歩み、そして未来に向けた挑戦について伺いました。
目次
「情報格差の解消」を軸に、地域と世代をつなぐ
――現在の事業内容や、企業理念について教えてください。
当社の主な事業は、携帯ショップや家電量販店における通信事業のアウトソーシングです。スタッフが店舗に常駐し、携帯電話の販売支援からアフターサポートまで一貫して対応しています。
なかでも力を入れているのが、「情報の可視化」です。来店されたお客様の動線や時間帯ごとの傾向をデータ化し、携帯キャリア各社へレポートを提供しています。
これは、販売現場における分析データとして非常に重宝されており、他社にはない付加価値となっています。
さらに、近年ではスマホ教室にも注力しています。特に高齢者の方々がデジタル社会から取り残されないよう、地域に根ざした丁寧な指導を行っています。
「情報へのアクセスを改善し、次なる世代につなぐ」という企業理念のもと、誰もがデジタル技術の恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。
経験から生まれた信念と、創業の決意
――経営者になられたきっかけや、大切にしている信条についてお聞かせください。
私は以前、ソフトバンクの代理店でマネージャー職を務めていました。その中で、アウトソーシング先のクオリティに疑問を感じる場面が多く、「自分ならもっと良いサービスが提供できる」と強く思ったことが、創業のきっかけです。
また、この業界には多重構造が存在し、優秀な人材が正当な報酬を得られない「中抜き」の現状にも課題を感じていました。だからこそ、エヌ・アルファでは、社員が努力した分だけ評価され、報われる環境づくりを徹底しています。
私が大切にしている価値観は、「縁」と「信頼」です。創業直後にメンバーの離脱という困難もありましたが、過去のご縁から新たな仲間に恵まれ、今の強いチームを築くことができました。
人とのつながりを何よりも大切にし、誠実に向き合うことが、会社の基盤になっていると実感しています。
褒める・寄り添う・任せる、三位一体の組織づくり
――社員との関係づくりで意識していることはありますか?
社員の主体性を引き出すために、「褒めること」と「共に考えること」を意識しています。小さな成果でも積極的に称賛し、困難な場面では一人で抱え込まず、私自身が一緒に課題解決に取り組みます。
また、個々の特性に応じた配置も重要です。数字に強い社員は販売の前線へ、接客に長けた社員にはアフターサポートを任せるなど、それぞれが力を発揮できる環境を整えています。
社内では日々オープンな対話を重視し、意見を言いやすい雰囲気づくりにも努めています。社員全員が「この会社で働いてよかった」と心から思えるような組織づくりを目指しています。
モバイルからデジタル支援へ、次なる挑戦
――今後の展望や、新たに取り組みたいことを教えてください。
現在は、四国エリアにおけるドコモ案件でトップシェア獲得を目前に控えており、今後は中国地方への進出を計画しています。しかし、業界全体ではオンライン化が進んでおり、対面販売の需要は今後縮小すると予測しています。
そこで、次の柱として力を入れていきたいのが、地域密着型スマホ教室や終活支援サービスです。具体的には、シニア層に向けた「メッセージ動画サービス」など、デジタルと心をつなぐ事業を構想しています。
私たちは「デジタル社会の駆け込み寺」として、誰もが安心してデジタル技術を活用できる社会の実現に貢献していきたいと考えています。
歴史から学び、人との絆を深める日々
――プライベートでのリフレッシュ方法や情熱を教えてください。
最近は旅行を楽しむことが多く、特にお城巡りにはまっています。歴史上の武将たちの生き様に触れることで、自分自身の経営の在り方を見つめ直すヒントを得ることも多いですね。
そして、今いちばん情熱を注いでいるのは、「今の仲間と、未来も一緒に笑い合える関係を築くこと」です。目の前の人たちと心を通わせながら、共に支え合い、成長していく。その積み重ねが、やがて大きな信頼と実績につながっていくと信じています。
どんなに時代が変わっても、人とのつながりがすべての原点であることに変わりはありません。これからも仲間たちと共に歩みながら、新しい景色を見にいける未来を楽しみにしています。