北上山地の自然と共に歩む酪農経営――田野畑山地酪農牛乳株式会社の挑戦

田野畑山地酪農牛乳株式会社 代表取締役 吉塚雄志氏 

北上山地の豊かな自然に育まれた、唯一無二の酪農スタイル。それが田野畑山地酪農牛乳株式会社の「山地酪農」です。

日本の酪農業界が直面する厳しい課題に立ち向かい、未来へと繋ぐ持続可能な経営を実践する同社。

今回は、吉塚社長に事業の現状から経営哲学、そして未来への展望まで伺いました。

自然の恵みを生かす「山地酪農」という独自モデル

――現在の事業内容とその特徴について教えてください。

当社は牛乳やヨーグルトなどの乳製品を製造・販売しています。最大の特徴は「山地酪農」という独自のスタイルを実践している点です。土地を造成せず、急峻な地形をそのまま活かし、牛たちが自由に草を食みながら健康に育つ環境を整えています。

現在、日本で真の山地酪農を行っているのは高知県の斎藤牧場さんと、弊社が提携している吉塚農場、熊谷農場を含めてわずか3軒のみです。牛は平均10年、中には18歳まで生きる個体もおり、自然の中で運動することが健康に直結している証だと考えています。

――御社の企業理念やビジョンについてお聞かせください。

理念は「日本の第一次産業を守り、大地に根差した山地酪農を普及・発展させること」です。酪農家は60年前に約41万軒ありましたが、今では1万軒を切るほどに減少しました。海外依存による飼料や燃料の高騰が背景にあり、このままでは牛乳も輸入に頼らざるを得なくなる可能性があります。だからこそ、国内の自然を活かした山地酪農こそが、日本の食の未来を支えると信じています。

二代目として継いだ志と若き挑戦

――経営者になられた経緯を教えてください。

私は二代目になります。父が1996年にブランド牛乳の販売を始め、2009年に会社を設立しました。父は千葉からこの地に移住し、10年間ランプ生活を送りながら山地酪農を実現した人物です。

私は高校生の頃から乳製品の道に進むと決めていました。酪農の現場を担う覚悟は難しいと感じましたが、「山地酪農を全国に広める」という父の志を受け継ぎ、加工品を通じて全国や海外へ発信しようと考えました。北海道でチーズ作りを学んだ後、22歳で帰郷し、23歳で工場を立ち上げました。そして4年前に代表を継ぎました。

――仕事をする上での夢や目標は何ですか?

山地酪農を正しく伝え、全国へ広めることです。個人的には、人材を確保して生産体制を整え、新しいチーズ開発に挑戦したいと思っています。チーズという新たな柱を作ることで、山地酪農の価値をさらに多くの人に届けたいと考えています。

社員と共に価値を育む組織づくり

――社員の主体性を引き出すために意識していることは何ですか?

弊社の乳製品は一般のものより高価です。その背景にある価値を理解してもらうために、社員にはお客様の現場に足を運んでもらっています。レストランや業者の方々が実際にどう活用し、どのように感じているのかを体感することで、商品の持つ意味を肌で感じてほしいのです。

――社内コミュニケーションで大切にしていることは?

少人数だからこそ密なコミュニケーションを大切にしています。社員同士で体験を共有し合うことで気づきや学びが広がり、結束も深まります。最近では、ある社員が「お客様の声を聞いて初めて自分たちの牛乳の特別さを実感した」と語ってくれたことが印象的でした。

人材確保と新しい挑戦で未来を拓く

――今後の事業展開について教えてください。

直近の目標は人材確保と生産体制の強化です。現在は年間乳量の約半分しか弊社ブランドとして販売できていません。残りは一般の牛乳と混ざってしまいます。人を増やし製造ラインを安定させることで、現在提携している2軒の酪農家の生乳を1Lでも多く買い取り、加工できる体制をを整えたいと考えています。また、北海道で学んだ経験を活かし、新しいチーズの開発にも力を入れていきます。

――業界全体の課題についてどう見ていますか?

物価高騰や後継者不足で酪農は厳しい状況ですが、消費者の間では持続可能性や生産背景への関心が高まっています。これは山地酪農にとって大きなチャンスです。今後は体験型イベントなどを通じて、消費者に直接触れてもらい、一次産業の価値を発信していきたいと考えています。

自然との共生と第一次産業への貢献

――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。

今は仕事に没頭する毎日ですが、やはり自然の中で過ごすことが一番のリフレッシュになります。牛たちと共に過ごす時間や、北上山地の自然の中で体を動かすことで、心身が整い、また前に進む力をもらえます。

――これから一次産業に挑戦しようとしている若い世代に伝えたいことはありますか?

日本の酪農は厳しい状況にありますが、山地酪農はその解決策のひとつになると信じています。自然と共生し、持続可能な仕組みを次世代に繋いでいくために、これからも挑戦を続けていきます。ぜひ多くの方に、一次産業の価値や魅力を知っていただきたいと思っています。

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