株式会社Sei San Sei 代表取締役 高橋 央氏
人・情報という経営資源に着目し、採用支援とDXを軸に企業の生産性向上を実現する――。株式会社Sei San Seiを率いる高橋代表は、「社員がやるべき業務に熱中できる社会をつくりたい」という理念のもと、多様な業界で成果を挙げています。創業から3年弱、既に大手企業への導入実績を重ねつつ、今後は地方企業への支援拡大を目指しています。今回は、事業の特色や経営への想い、組織運営の工夫、そして未来への展望について伺いました。
人と情報に特化した事業展開
――事業内容について教えてください。
当社は「生産性向上で、クライアントが本当にやりたい業務に熱中できる社会をつくる」ことを理念に掲げています。経営資源のうち「人」と「情報」こそが生産性を高める源泉だと考え、人材とDXの領域に絞って事業を展開しています。
主力は採用支援です。外付けの人事部のように、戦略立案から実行、改善まで一貫してサポートします。最近は「RPaaS(Recruitment Process as a Service)」という新サービスも開始と提唱しております。これは採用代行にDX要素を組み込み、SaaSやAIを活用して仕組みごと改善するものです。単なる作業代行ではなく、導入企業にノウハウを残せる点が大きな特徴です。
経営者としての原点と転機
――なぜ経営者になろうと思われたのですか。
私はリクルート出身で、人材紹介事業に携わってきました。しかし、大手の枠組みではカバーしきれない「痒いところに手が届くサービス」を提供したいという思いが募り、起業を決意しました。採用費に偏重する企業が多く、労働生産性向上に寄与する教育やDXに十分な投資が回っていない現状を変えたいという危機感もありました。
創業から3年弱の中で印象的だったのは、理念に共感して「一緒にサービスを伸ばしたい」と仲間が集まってきたことです。紹介や口コミで広がり、大手企業にも導入され、効果も出ております。これは大きな励みであり、自分の信じる方向性に間違いはなかったと実感できた瞬間でした。
ボトムアップとトップダウンの融合
――組織運営や社員との関わり方で意識されていることは何ですか。
現在は社員7名体制です。理念や方向性はトップダウンで示しますが、具体的なサービス化や施策は社員のアイデアを積極的に取り入れています。入社前から何度も対話を重ね、「やりたいこと」を引き出し、実際に事業へ反映するスタイルです。
また、外部パートナーとも協力し、強みを掛け合わせて事業を拡張しています。大切にしているのは「自分だけが儲けない」こと。お客様、パートナー、従業員、社会、そして会社の五者がすべてウィンとなる関係を築くことを行動指針に掲げています。無理な要求をする顧客とは契約を見直すなど、全員が納得できる関係を貫いています。
地方企業を支援し、3年後18倍の成長へ
――今後の展望について教えてください。
今後は「R PaaS」「B PaaS」「高品質な格安サイト制作」の三軸に注力し、代理店制度や業務提携を活用して事業を伸ばしていきます。特に力を入れたいのは地方企業への支援です。九州を中心に、優れた技術や商品を持ちながら採用ノウハウやリソース不足で苦戦している企業は多い。そうした企業をサポートすることで、日本全体の生産性向上に貢献できると考えています。
売上は3年後に現在の18倍を目標としています。そのための最大の課題は認知拡大です。既存顧客との長期的な関係は築けていますが、新規案件の獲得を加速させる必要があります。紹介やパートナーシップを活かした「共に伸びる営業」を武器に挑戦していきます。
サウナと筋トレでリフレッシュ
――プライベートでの趣味やリフレッシュ方法はありますか。
サウナや筋トレで心身を整えるのが習慣です。また、経営者仲間と飲みながら仕事の話をするのも好きですね。近々結婚を控えており、家族との時間も大切にしていきたいと思っています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
採用は「経営を前進させるための投資」です。DXや教育と組み合わせることで、社員が本当にやるべき業務に熱中できる環境が整います。人手不足に悩む企業こそ、採用の在り方を見直すチャンスです。私たちの挑戦が一つの参考になれば幸いです。