株式会社REDDRAGON 代表取締役 山口雄輝氏
株式会社REDDRAGONは、設立から1年未満ながら、革新的なビジネスモデルで貧困問題の解決に挑むスタートアップです。SNSマーケティングやクリプトゲームを活用し、外貨収入を得られる仕組みを提供する同社。その背景には、山口代表自身の人生経験と、社会課題をビジネスで解決するという強い信念があります。
貧困層に外貨収入を生み出す革新的ビジネスモデル
――現在の事業内容と特徴を教えてください。
当社の事業は大きく2つあります。1つはSNSマーケティング。スマートフォンを持つ人々にInstagramのダイレクトメッセージ送信を依頼し、外貨収入を得る機会を提供しています。スキルがなくても始められ、AIに代替されにくい点が特徴です。もう1つはクリプトゲーム。プレイすることで仮想通貨を獲得し、自国通貨に換金できる仕組みを構築しています。
――企業理念やビジョンを教えてください。
理念は「機会格差の撲滅」です。怠けている人や満足している人ではなく、「やりたいのにできない」人々にチャンスを提供することを使命としています。人生を環境に左右される社会を変えることが私たちの存在意義です。
――業界での立ち位置や強みは何でしょうか。
NPOが抱える「販路不足」「持続性の欠如」といった課題を、スタートアップの知見で解決している点です。自分たちは黒子に徹し、現地NPOが自立的に事業を広げられるジャンプ台となることを目指しています。
フィリピンでの原点と苦境を越えて得たタフネス
――貧困問題に関心を持たれたきっかけを教えてください。
23歳の時に訪れたフィリピンのスラム街で、極真空手を通じて子どもたちに教育を行う日本人の姿を見て、「自分もこういうことをするのだろう」と直感しました。その後、金融機関勤務や複数の事業立ち上げを経ましたが、心の奥に常に違和感がありました。
――会社設立の転機となった出来事は。
スキー場経営が落ち着いた後、世界の貧困地域を100都市以上巡り、現地の人々と交流する中で「やっと会社を作れる」と確信しました。これがREDDRAGON設立の直接のきっかけです。
――印象に残る出来事を教えてください。
スキー場経営では、コロナ禍で来場者が激減し、全財産を投じても赤字が続き、リストラや内部対立で孤立しました。極寒の中で限界を感じながらも努力を重ね、黒字化と売却に成功。この経験で得たタフネスが現在の活動の原動力になっています。
――仕事の夢や価値観についてお聞かせください。
REDDRAGONの活動は仕事ではなく「生き様」です。寄付に依存せず投資を呼び込み、社会課題を解決する仕組みを構築するため株式会社という形を選びました。
ティール組織で挑む「黒子」の経営
――組織の特徴について教えてください。
REDDRAGONはティール組織を採用しています。創業メンバーは全員が起業経験者で、給与ゼロの期間を覚悟して参画してくれました。現地NPOには成功がほぼ確約されたビジネスモデルを無償で提供し、短期間で雇用を生み出しています。
――社員に求める資質は何でしょうか。
自ら動き、理念に共感し、結果にコミットできることです。私たちは黒子に徹する文化を大切にしており、現地NPOが輝くことに喜びを感じます。
秒速で雇用を生み出す仕組みと教育の導入
――今後の事業展開について教えてください。
現在はInstagramとクリプトゲームが中心ですが、今後はさらに収益性の高いモデルを確立し、どこでも秒速で雇用を生み出せる仕組みを目指します。将来的にはスマホすら不要な仕組みも検討中です。
――教育プログラムの構想もあると伺いました。
はい。事業で収入を得られるようになった人々に対し、「自己啓発」「お金」「ビジネス」に特化した教育を行います。夜に壁や公園を使ったナイトシアターで授業を行い、学校やWi-Fiに依存しない学びの場を広げる予定です。
涙で刻む「生き様」としての挑戦
――経営で大切にしている価値観を教えてください。
「涙の量と人生の豊かさは比例する」という哲学です。達成感や挫折の中で流す涙が、自分の原動力です。サハラマラソンやキリマンジャロ登山など、極限状態で挑戦するのもそのためです。
――最後に、未来への思いをお聞かせください。
REDDRAGONは、世界中の「やりたいのにできない人々」に機会を届けます。涙を流すほどの挑戦を共に分かち合い、90歳になっても活動を続ける覚悟です。生まれた環境で人生が決まってしまう不公平をなくし、誰もが夢に挑戦できる世界をつくることが、私の生き様そのものです。