想像技術創造株式会社 代表取締役 飯田禎弘氏
ペプチド分子の設計という最先端の研究を軸に、医薬や食品分野へ新しい価値を届けようと挑戦する想像技術創造株式会社。代表の飯田氏は、研究者としての経験と独自の発想力を武器に、健康が当たり前となる社会を目指しています。今回は、事業の現状から未来への展望、さらにプライベートまでを伺いました。
ペプチド設計で広がる可能性と企業理念
――現在の事業内容と会社の理念について教えてください。
当社は、アミノ酸配列を設計することで新しい機能を持つペプチド分子を生み出し、産業や社会に役立てることを目指しています。ペプチドはタンパク質の小さな単位ですが、その並び方次第で機能性が大きく変わるのが特徴です。私は研究で培った知識を活かし、独自に設計したペプチドを活用した製品開発や応用研究を進めています。
理念として掲げているのは「健康を当たり前にすること」です。病気がすぐに診断でき、短期間で根治できる未来を実現したい。その先には、便利で楽しい暮らしを誰もが享受できる社会をつくるというビジョンがあります。こうした姿勢は、単なる医療技術の開発にとどまらず、社会全体の基盤を支えるテーマだと考えています。
研究者から起業家へ――科学を広めたいという原点
――起業に至った経緯や大事にしている考えをお聞かせください。
学生時代から科学を社会に広めたいという思いが強く、研究を通じて進むべき方向が見えてきました。もともとバイオや化学を専攻しており、健康分野への関心が高かったことも起業の大きな動機です。
私が特に重視しているのは「想像力」と「知識」です。会社名にもある「創造」は、まだ存在しない技術を形にするという意味を込めています。研究開発力と創造力を組み合わせることで、誰も思いつかない新しい価値を提供できると考えています。
また、信念としては「嘘をつかない」こと。研究や事業は信頼の上に成り立ちますので、正義を貫き、人を傷つけない姿勢を大切にしています。小さな企業だからこそ、誠実さと透明性をもって社会と向き合うことを意識しています。
1人で挑む研究と事業運営
――現在はどのように会社を運営されていますか。
今は私一人で研究から開発、資金調達まで全てを行っています。資金調達と研究開発を二本柱とし、今後は営業活動も本格化させていく予定です。大学や大企業の研究は時間もコストもかかりますが、私の手法では期間を短縮し、コストを半分以下に抑えることが可能です。この点が大きな優位性だと考えています。
一人での運営は大変ですが、その分意思決定が速く、柔軟に方向転換できるのが強みです。研究の現場で感じた課題をすぐ事業に反映できるスピード感は、大組織にはない小規模企業ならではの魅力だと思います。
趣味とリフレッシュ方法――研究を支える日常
――プライベートでの趣味やリフレッシュ方法はありますか。
研究や事業に打ち込む一方で、プライベートではゲームやアニメを楽しんでいます。ファイナルファンタジーシリーズが好きで、週刊誌のジャンプも日課のように読んでいます。これらは生活の一部であり、リフレッシュにもつながっています。
一見インドアな趣味ですが、研究の合間に気持ちを切り替える大切な時間になっています。創造力を養う源泉でもあり、趣味と仕事が自然に結びついているように感じています。
健康を軸に広がる未来展望
――今後の展望について教えてください。
直近ではヘルスケア分野に注力し、医薬・診断薬・食品分野での応用を進めたいと考えています。将来的には「健康が当たり前になる社会」を実現することが目標です。病気を早期に診断し、短期間で治療できる仕組みが整えば、人々の生活は大きく変わります。
また、科学の発展を世界中に広めることも私の使命です。一人の力では限界がありますので、将来的には仲間を増やし、異分野の研究者や企業と連携しながら持続可能な組織へ成長させたいと考えています。その過程で生まれる新しい発想や技術が、これまでになかった社会的価値を創出すると信じています。