Trollea First合同会社 代表 菊地亮太氏
大阪・心斎橋でライブハウスと飲食事業を展開するTrollea First合同会社。代表の菊地氏は、子役やバンド活動を経て音楽業界に携わり続け、2018年に独立しました。コロナ禍を乗り越え、仲間やお客様との縁に支えられながら事業を成長させてきた菊地氏に、これまでの歩みと今後の展望を伺いました。
都会の真ん中で広がるエンターテインメント空間
――御社の事業内容について教えてください。
当社は大阪・心斎橋でライブハウスを運営するとともに、同ビル屋上では貸切型のバーベキュー施設を展開しています。ライブハウスはスタンディング150名、着席80名規模で、音響や照明などハード面にも徹底的にこだわり、出演者からも高い評価を得ています。
また、屋上のバーベキュー施設は「都会で手ぶらで楽しめるプライベート空間」として人気で、カラオケや大画面スクリーンを備え、ライブやパーティーにも対応可能です。そのほか、ラジオ番組制作や大規模フェス立ち上げへの参画など、音楽と食を軸に幅広く事業を展開しています。
音楽に導かれたキャリアと独立の歩み
――経営者になられた経緯についてお聞かせください。
私は3歳で劇団に入り、中学まで子役として活動していました。その後はバンド活動にのめり込み、音楽の道を志しましたが、演者として続ける難しさを痛感しました。そこで裏方の仕事に携わろうと、ライブハウスのブッキング担当に応募。3年後には店長を任され、約10年間現場を経験しました。
その後独立し、ライブバーやイベント企画に挑戦しましたが、コロナ禍で苦戦。転機となったのは、知人から現在のライブハウスを引き継いだことでした。人との縁に恵まれたことが、現在の経営基盤を築く大きなきっかけとなりました。
仲間との再会と小さな組織の力
――組織運営で大切にしていることは何ですか。
独立直後は失敗も経験しましたが、その後、かつての仲間が再び集まり現在のチームができました。音響やブッキングなど、それぞれの強みを持つ人材が加わったことで、会場は口コミで評価を得て、イベントも安定的に増えています。仲間との再会が事業成長を後押ししてくれました。
――社員やスタッフとのコミュニケーションで意識していることを教えてください。
当社は一緒に運営しているメンバー2名に加え、アルバイト等を含めても6〜7名規模の小さな組織です。小さいからこそ一人ひとりの意見や判断が重要になりますし、信頼できるメンバーだからこそ権限を委ねることができています。イベントの運営では意見交換の場も設け、スタッフの提案を積極的に取り入れるようにしています。
――組織の雰囲気についてはどのように感じていますか。
雰囲気はフラットで、年齢や立場に関係なく意見を言いやすい環境になっていると思います。そのため現場には自然と笑顔が生まれ、出演者やお客様にも良い空気が伝わっていると感じます。小さな組織だからこそ柔軟に対応でき、仲間と共に前向きな雰囲気を作れていることが強みです。
さらなる成長に向けた挑戦
――今後の展望について教えてください。
次の目標は、現在よりも大規模な500〜800人規模のライブハウスを運営することです。デビューしたアーティストが成長しても継続して利用できるステップアップの場を提供したいと考えています。
また、レストラン型ライブハウスの復活や、滋賀で計画中の3万人規模のフェス開催、さらにはVチューバーと生演奏を融合させた新しい形のライブなど、時代の変化に合わせた取り組みも準備中です。3年後には売上を現在の2.5〜3倍に伸ばし、事業をさらに拡大していくことを目指しています。
家族と音楽が生む活力 人との縁が拓く未来
――プライベートのリフレッシュ方法を教えてください。
3歳の双子の息子と過ごす時間が、日々の大きな癒やしです。加えて、ゲームや音楽、ライブ鑑賞も欠かせない趣味で、GLAYや日向坂46のステージは新たな活力を与えてくれます。
――これから起業を目指す方に向けてメッセージをお願いします。
私は「深く考えすぎず、その場で楽しそうな道を選ぶ」姿勢を大切にしてきました。失敗しても「どうにかなる」と前向きに挑戦し続ければ、いつか道は開けるのではないかと思います。
事業は人との縁によって支えられています。私自身もこれまで本当に色んな人に助けられてここまで来ました。信頼関係を大切にし、一つ一つの出会いを大切にしていく。その積み重ねが未来を切り拓く鍵になると信じています。

