株式会社キャリアシップパートナー 代表取締役 北岡 功二 氏
コロナ禍をきっかけに立ち上げられた株式会社キャリアシップパートナー。受託開発から教育、SES、人材紹介まで幅広い事業を展開しながら、「人の可能性を引き出すキャリア支援」を軸に活動しています。代表の北岡氏は、個人事業主やエンジニアとしての経験を生かし、柔軟な組織づくりと人材育成に注力。今回は同社の現状や創業の経緯、組織文化、そして未来への展望を伺いました。
事業の現状と理念
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
当社はシステムや動画制作、Webアプリケーションの受託開発を軸に、エンジニアの教育、SESや人材紹介といった事業を展開しています。単なる開発会社ではなく、キャリア支援を根幹に据えているのが特徴です。エンジニアになりたい人材を教育し、その後SESや紹介を通じてキャリアをつなげていく仕組みを構築しています。
社名に「キャリアシップパートナー」と掲げている通り、人のキャリアに寄り添い、その人が進みたい道を伴走することを大切にしています。コロナ禍で多くの人が仕事を失った状況を目の当たりにし、可能性をどう引き出すかを考えたことが起業のきっかけでした。
起業のきっかけと大切にしている価値観
――法人を立ち上げた経緯を教えてください。
もともと個人事業主として活動していましたが、社会的な信頼性を高めるために法人化しました。法人であればクライアントや業務委託先ともスムーズにやり取りができ、仕事の幅も広がります。一方で、法人になると自分一人の責任では済まなくなり、業務委託のメンバーに継続して仕事を提供するというプレッシャーも生まれました。その責任感は今も日々感じています。
――経営するうえで大切にしている価値観は何でしょうか。
最も大事にしているのは「人」です。私は一人では仕事ができません。だからこそ、感謝の気持ちを常に忘れないようにしています。「ありがとう」をきちんと伝えることで信頼関係が築かれ、長期的な関係につながると考えています。
コミュニケーションを重視する組織づくり
――業務委託メンバーとの関係づくりで工夫している点を教えてください。
当社では正社員を雇わず、フリーランスや業務委託の方々とチームを組んでいます。そのため、チャットだけのやり取りに終始せず、必要に応じて電話やオンライン会議で直接対話することを大切にしています。案件の内容がリクエスト通りでない場合も、正直に状況を説明し、一緒にチャレンジできる方法を話し合うようにしています。
また、質問が来た際にはすぐに回答できなくても「後ほど返答します」と1時間以内に必ずレスポンスをするよう心がけています。リモート環境では相手が見ているのか分からない不安がストレスになるため、スピード感のあるコミュニケーションで信頼を保つことを意識しています。
人材不足を乗り越える未来への挑戦
――今後の展望について教えてください。
直近の課題はマンパワーの不足です。自分の分身となる存在を育て、仕組みを強化していくことが急務だと考えています。現在は紹介ベースで動ける人材を探していますが、今後は採用や教育を通じて体制を整えていきたいです。
ビジョンとしては、エンジニア育成の仕組みを3年以内に確立し、将来的には人事や採用領域にも進出したいと考えています。厚生労働省のデータでは2030年までにエンジニアが70万人不足すると言われています。その前に、多くのエンジニアを育てて企業に送り出すスキームを構築することが、私の使命だと思っています。
経営者としての素顔とリフレッシュ法
――プライベートの趣味やリフレッシュ方法を教えてください。
最近始めたのはパーソナルジム通いです。月に4~8回、体を動かすことでストレスを発散し、気持ちをリフレッシュしています。また、学生時代から続けているフットサルチームで同級生と集まる時間も大切にしています。集まる頻度は減りましたが、定期的に顔を合わせて昔話をすることで、気持ちがリセットされます。
仕事では常にプレッシャーを感じ、今後のことを考え続けていますが、こうした趣味や交流の場があるからこそ前向きに挑戦を続けられます。人のキャリアに寄り添い、可能性を引き出す存在であり続けたい――その想いを胸に、これからも挑戦を続けていきます。

