TOPウェブ工房 代表 北川 航大氏
個人事業主からスタートし、WEBサイト制作や運用支援を通じて中小企業の成長を支えてきたTOPウェブ工房。代表の北川氏は、柔軟な対応力とスピード感を武器に「中小企業の社外WEB担当」として存在感を高めています。営業から制作、運用までを一手に担いながらも、外注の仕組みづくりや事業拡大に挑戦する姿には、次の時代を切り拓くクリエイターの姿が映し出されています。今回、その歩みと展望について伺いました。
企業の伴走役を目指すWEB支援
――現在の事業内容について教えてください。
WEBサイトの制作、保守・運用、集客支援を中心に行っています。基本的には業界を問わず幅広く対応していますが、士業やサロン、店舗などの中小規模の事業者様からの依頼が多いです。特に「社内にWEB担当者がいない」という企業様にとって、柔軟に動ける外部パートナーであることが大きな強みだと思っています。
――競合の多い業界の中で、差別化できている点は何でしょうか。
やはり柔軟性とスピード感です。規模の大きな制作会社では難しい小回りを利かせながら、中小企業様の社外WEB担当のような立ち位置で寄り添うことができています。最近では、SEOやSNSの活用を含めた運用支援の相談も増えており、単なる制作会社ではなく「長期的に伴走するパートナー」として評価していただいている実感があります。
コロナ禍で芽生えた挑戦心とキャリアの転換
――起業に至った経緯を教えてください。
もともとは営業職をしており、コピー機などの販売を担当していました。その後、フィリピン関連の事業で独立を目指しましたが、コロナ禍で断念。次の道を模索する中でプログラミングに興味を持ち、岩手県のプログラミングキャンプに参加したのがきっかけです。最初はアプリ開発を学んでいましたが、次第にWEBサイト制作へと軸足を移し、学びながら進めるうちに事業へと発展しました。
――印象的な出来事があれば教えてください。
始めた頃は制作費が2万円といった案件ばかりでしたが、2年目には100万円規模の案件を受注できたことは大きな自信になりました。WEB集客全般(SNS等)のご相談をしていただけるようになり、そこで成果を出せた時が一番嬉しい瞬間です。小さなお困りごとでも、相談をしていただくために、クライアントとの信頼関係を築くことを大切にしています。こうした積み重ねが「北川さんにお願いしたい」と言っていただける理由だと思います。
ひとり経営から組織化へ 課題と挑戦
――現在の組織体制について教えてください。
個人で4年間運営してきましたが、最近は外注も取り入れています。ただ、案件を取ってきても最終的に自分で対応してしまうことが多く、外注化がなかなか進まないのが課題です。品質チェックリストを整備し、安定した制作体制を築くことが今後のテーマだと考えています。
――今後の展望について教えてください。
現在、法人化(株式会社dob)を進めています。事業の方向性はホームページ制作にとどまらず、SEOや記事制作、MEO対策、SNS支援などを含む「WEB集客の総合支援」です。既存顧客への運用コンサルを強化し、3年後には売上を現在の5倍に伸ばすことを目標としています。また、個人の力量に依存しない組織づくりを進め、安定的に質を担保できる体制を築きたいと考えています。
野球・ゴルフ・家族の時間が活力に
――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。
学生時代は野球をしていました。今はカラオケやゴルフを趣味にしつつ、家族との時間を一番のリフレッシュにしています。子どもがまだ2歳と0歳なので、一緒に過ごす時間が仕事の活力になっています。休日は成長を間近で感じながら過ごせることが何よりの喜びです。
――起業を目指す方々へのメッセージをお願いします。
意気込みは大切ですが、現実をしっかり見て、自分が提供できる価値を理解することが重要だと思います。最初は苦しいことも多いですが、小さな積み重ねが大きな成果につながります。理想だけでなく、自分の立ち位置を理解し、等身大で挑戦を続けていくことが、長く事業を続ける秘訣だと思います。

