河鍋公認会計士・税理士事務所 河鍋 優寛 氏
大学在学中に公認会計士試験に合格し、監査法人で大企業の監査に携わったのち、税理士法人で相続税部門を経験。2023年、地元・福岡県春日市で税理士事務所を立ち上げた河鍋代表。創業の背景には「お客様にもっと身近に寄り添いたい」という想いと、ご家族の相続経験から芽生えた使命感がありました。本記事では、事務所設立の経緯から現在の事業内容、仕事への姿勢や大切にしている価値観について伺います。
目次
幅広い税務支援を主軸に事業を展開
――現在の事務所の業務内容について教えてください。
基本業務としては、確定申告や法人税申告など、一般的な税務支援を幅広く承っています。個人事業主の方から法人、さらには副業を持つ会社員の方まで、多様なニーズに対応しています。
そのうえで力を入れているのが「相続税」です。前職の税理士法人で相続専門部署に所属していた経験を活かし、相続・贈与・不動産関連の税務を得意分野としています。相続税は税務の中でも特に難易度が高い分野で、受任を避ける事務所も少なくありません。そのため、対応できること自体が大きな強みになっていると考えています。
また、補助金申請のサポートにも注力しており、これまで関与した案件はすべて採択をいただいています。申請書類の書き方や採択のポイントを押さえることで、クライアントの挑戦を支援できていると感じています。
より自分らしい働き方を求めて
――事務所を立ち上げられた経緯を教えてください。
大学在学中に公認会計士試験に合格し、卒業後は監査法人に入社しました。そこで約7年間、大手上場企業の監査を担当しましたが、コロナ禍を機に働き方が大きく変わり、組織の中で息苦しさを感じるようになりました。
ちょうどその頃、祖父の相続を経験し、相続税や遺産分割の問題を身近に実感しました。個人のお客様に寄り添える立場で働きたい、そう思ったことが転機となり、相続税を専門とする税理士法人に転職。その経験を経て、2023年に地元で独立開業しました。
ひとり税理士事務所で最後まで責任ある対応を
――事務所の理念やビジョンを教えてください。
私の事務所は「ひとり税理士事務所」です。大規模事務所のように多くのスタッフが対応するのではなく、最初から最後まで私自身が直接担当します。お客様の質問に即座に対応し、責任を持って最後まで寄り添うこと。それが小規模事務所だからこそ提供できる価値だと考えています。今後は顧問先の増加に伴い、業務体制をどう整えるかという課題もありますが、代表自らが直接対応する姿勢は維持し続けたいと考えています。
個人のお客様にもっと寄り添い、貢献したい
――経営者を目指されたきっかけは?
正直なところ、最初から経営者志向があったわけではありません。監査法人に入社したときは、そこで長く働くものだと考えていました。ただ、環境の変化や祖父の相続をきっかけに「個人のお客様にもっと貢献したい」という想いが芽生え、偶然の積み重ねの中で独立開業に至りました。
常に真摯な対応をすること
——仕事を通じて感じるやりがいや目標、大切にされている価値観はありますか?
一番のやりがいは「お客様から直接感謝の言葉をいただけること」です。大企業の監査ではなかなか味わえなかった喜びを、今は日々感じています。今後もそうしたお声をもっと増やし、お客様の生活や事業を支える存在であり続けたいです。
経営者として大切にしている価値観は大きく3つあります。代表である私自身が直接対応すること、レスポンスの速さ、即答できない案件でも、一言「調べてお返事します」と必ず返すようにしています。そして、専門用語をなるべく使わないことです。税務は難解に感じられやすいので、誰にでもわかる言葉で伝えることを心がけています。
税理士に気軽に相談できる環境を広げていきたい
——今後の展望は何かありますか?
今後は相続税の分野でさらに専門性を高めつつ、地域の方々に身近な存在として認知される事務所を目指しています。すでに福岡市内の公民館でセミナーを開催していますが、こうした活動を通じて「税理士に気軽に相談できる」環境を広げていきたいです。