会社再生の鍵は「対話」にあり!チームをドライブさせるコミュニケーション術

今回は株式会社タキオンワタナベの渡邊央剛社長に、社員の主体性を引き出し、チームとして成長するためのヒントを伺いました。

株式会社タキオンワタナベ・渡邊央剛社長プロフィール

高等学校卒業程度認定試験合格後、関西外国語大学で英米語を専攻し、ニューヨーク州立大学経済学部にも在籍。その後、同志社大学大学院ビジネス研究科で経営学を深め、現在は京都大学大学院法学研究科で法学を学ぶ。
ニデック株式会社で広報を経験したのち、2020年に株式会社タキオンワタナベの取締役に就任。現在は企業再建と成長に取り組んでいる。

倒産寸前の会社を救え! 若き経営者の決断と改革

まず、会社を継がれたきに最も印象的だったことを教えてください

もっとも衝撃的だったのは、想像していたよりも会社の財務管理がずさんな状態だったことですね。

前社長は父の甥だったのですが、父が亡くなる直前に急遽社長に就任したこともあり、経営の知識がないまま会社を運営せざるを得なかったんです。

その結果、売上が落ちているのに経費は以前のままの状態を続け、赤字部分を銀行融資で補填することに。父が亡くなってから僕が継ぐまでの間に、借金が数億円まで膨れ上がっていたんです。

前社長にとっても厳しい状況だったとは思いますが、結果的に会社の経営は混乱。経営を立て直さなければ会社が潰れてしまうという、本当にどん底の状態からのスタートでしたね。

会社の立て直しにおいて、最も苦労されたことは何でしょうか?

無駄な出費を止めることに苦労しましたね。どこにお金が流れているのか分からない状態だったので、出しっぱなしの水道の蛇口をひたすら閉めていくような作業を、1年ほど続けました。

僕が入る前は、経理も全て手作業。明確なルール決めもされておらず、例えば、通勤手当が本来の交通費以上の金額が支払われる仕組みになっていたり、経理を担当していた親族の給料が業務内容に見合わずに高額になっていたりと、改善すべき点が多々あったんです。

1年かけて経理を見直し、公平で合理的な運営へとシフトしていった結果、会社を継いでから約5年で2億円ほどの負債を整理できました。

赤字経営の状況から立て直しを決意した理由は?

立て直しを決意した理由は、現状のままでは会社がすぐに立ち行かなくなるのが明らかだったからです。

父が築いた会社である以上、できる限り頑張りたいという思いがありました。

正直なところ、自分のことだけを考えるのであれば、転職した方が収入も上がり、気持ちの面でも楽になると思います。

しかし、それ以上に会社を存続させ、社員の幸せを考えることが自分にとって大切だと感じたため、この道を選びましたね。

自分よりも会社の存続や社員の幸せを優先したいという思いがあったんですね

そうです。特にここ3〜4年は、「社員を幸せにしたい」という思いが強まっていますね。

というのも、僕は以前から、「本気で目指せばある程度のことは実現できる」と思っているんです。これは成功体験によるものかもしれませんし、一般的な基準より多少なりとも出来ることが多いという自負があるからかもしれません。

マズローの欲求段階説でいうと、今は自己実現のレベルまでほぼ満たされている段階。だからこそ、他者や社会全体のために貢献したいという気持ちが自分の中で芽生えてきたのではないかと思っています。

社員との対立を解決するには?経営改革を成功に導くコミュニケーション術

経営改革を進める中で、社員の方々は戸惑われたのではないでしょうか?

事前に説明をしっかり行ったので、社員の皆さんは協力的でしたね。むしろ、前社長の経営状況を知って「そんな経営が行われていたのか」と驚かれていました。

もちろん急な変化に戸惑う方もいらっしゃいましたが、その都度コミュニケーションを取りながら解決していきました。

社員の方たちと意見がぶつかったときにはどのように対応してきましたか?

意見がぶつかり合うとき、どちらも「自分は正しい」と確信しているため、簡単には歩み寄れません。ただ、中には正しくないことをさも正論のように主張する方もいらっしゃいます。

そういう場面では、頭ごなしに否定したり、こちらの主張を押し付けるのではなく、「本当にそう思いますか?」と問いかけることが重要だと考えています。

例えば、さきほどの通勤手当に関しても、本来の交通費以上の金額が支払われるというルールは一般的には正しくないということを、ほとんどの人が理解していますよね。

実際に「今の仕組みは本当に正しいと思いますか?」と問いかけたところ、今の仕組みが不合理だと気づき、最終的に皆さん納得してくれました。

正論同士がぶつかったときはどう対処すればいいでしょうか?

「正しい vs 正しい」の議論では、まず相手の意見をしっかり聞くことが重要です。

僕自身、学生時代は、相手の話を最後まで聞かず、先に自分の意見を押し通してしまうことも多かったんです。しかし、ここ10年ほどで、「世の中には自分より賢い人がたくさんいる」と実感し、まず相手の言い分をしっかり聞くことを意識するようになりましたね。

相手が話している途中で遮らず、最後まで聞く。これは基本的なことですが、意外と難しいものです。真剣に向き合う場面では、相手の発言を最後まで聞いたうえで、「なぜそう思っているのか?」という背景まで確認するようにしています。

コミュニケーションに関して普段から意識していることはありますか?

自分がされて嫌なことを相手にしないように気をつけている、というのが私の基本的な考え方です。

僕はわりと細かいところに目がいってしまうタイプで、たとえば資料の文字サイズが揃っているかどうかとか、会食の場なら全員にちゃんと飲み物が行き届いているか、お店に行けば商品が欠品していないか…そんなことがつい気になってしまいます。
だからこそ、自分が逆の立場になるときは、相手に気持ちよく過ごしてもらえるように、できる限り丁寧に対応することを心がけています。

そのため、逆の立場になったときは、相手に不快感を抱かせないように気をつけて対応しています。

「コミュニケーション能力が高い」と評価していただくことが増えてきたのも、日々の心がけのおかげかなと思っていますね。

経営者として意識すべきこととは?社員の主体性を育むマネジメント術

リーダーシップやマネジメント面で、渡邊さんが普段から意識していることはありますか?

相手の思考レベルや知識レベルに合わせて話すことは非常に重要だと感じています。

大企業では全体のレベルが高く、同じ研修でも多くの人がスムーズについていけることが多いですが、中小企業では個人の能力にバラつきがあるため、同じ内容でも理解に差が出ることがあるもの。

1回言えば理解できる人もいれば、10回言っても分からない人もいる。その点を意識して、相手に合わせて話すスピードや内容を調整するようにしています。

また、この人の能力ならもっと出来るのではないかと感じた場合は、その都度細かくフィードバックを行うようにしていますね。

普段、社員の方とのコミュニケーションはどのようにされていますか?

社内にいるときは社長室に常駐しているため、外部との打ち合わせに同席する際や、社員から相談があったとき以外は、基本的に社員と関わることはありません。

営業社員には毎日日報を提出してもらい、問題があるとき以外は見守るという形で対応しています。営業支援部や品質管理部に関しても同様に、週報を通じて指摘やコミュニケーションを行っていますね。

また、各部門で問題が発生すれば、各自が連絡してくる形になっています。

基本的には社員の方に任せる形なんですね

そうですね。賢い人が数人いるよりも、自ら考えて働ける人が大勢いた方が、企業としてはうまく回ります。

だからこそ、従業員がしっかり自分で考え、PDCAサイクルを回せるような環境を作ることを意識していますね。

社員の方と信頼関係を築く上で意識していることはなんでしょうか?

私より年上の方が多いため、リスペクトを持って接することを大切にしています。

組織の中で立場が下の人が、上の人にアプローチするのはなかなか難しいですよね。だからこそ僕から歩み寄る形で、話しかけやすい雰囲気作りを心がけています。

安定ではなく挑戦を!新規開拓で未来を切り開く

これからのビジョンについてお聞かせください

まずは、しっかりと利益をあげられるようになること。そのうえで、社員旅行や福利厚生など、社員に還元する仕組みの充実を図りたいと考えています。

利益確保のために注力していきたいのが、新規開拓。既存顧客との関係を維持する方が心理的には楽ですが、それだと安定した成長は見込めませんから。

ITの発展により、今では国内外どこでも迅速に商談を行える環境が整っています。弊社の強みは協力業者の豊富さであり、「これ以上生産できません」というのは基本的にありません。だからこそ、中間業者として新規開拓を続けることが可能だと考えています。

今は新規開拓を進めるにあたって、リストを購入して電話営業を行ったり、営業代行を利用して初回のアポイントメントを取ったりと、様々な方法を組み合わせて営業を行っています。

今後は利益率や社員との相性も考慮しつつ、どのアプローチが最も弊社に適しているのか検討していきたいですね。

ご家族に対する思いがあればお伺いしたいです。

まずは、全員が食べていける状態で、幸せに生きられることが目標です。

母はこれから終活を迎える年齢なので、悔いなく過ごしてほしいかな。

妻は健康意識が高いので心配はしていませんが、長生きしてもらいたいです。僕は年に数回高熱を出すので、そのときには看病してほしいという自分勝手な思いもある(笑)。子育てが終わったら、家族で色々な場所に遊びに行きたいですね。子どもにも、後悔のないような人生を歩んでほしいです。

僕が父に「人生を楽しめ」と言われて育ったように、家族にも自分のやりたいことを追求する人生を歩んでほしいと思います。

これから経営をしたいという方に向けてメッセージをお願いします

経営には、それなりの覚悟が必要だと思います。特にスタートアップの経営者には、色々な覚悟が求められます。

なにより重要なのは、量をこなすこと。法科大学院に通う非常に頭のいい学生たちも、「量が全てを解決する」と言っているんですよね。つまり、質を追うよりも量をこなす方がよっぽど重要。法科大学院に通う超絶頭のキレる学生たちも、「結局、量がすべてを解決する」なんて、あっさり言い切っちゃうんですよね。質を求めて迷走するよりも、とにかく手を動かすほうが早いってことです。僕の尊敬する22歳の学友も、毎日のように「量をこなせば自ずと質もあがる!!」と笑顔で語りかけてくれます。

1日24時間、365日あると思えば、時間は十分にあります。1分1秒を大切に使ってほしいですね。

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