自ら道を切り開く─挫折と挑戦を経てたどり着いた経営者の現在地

正解のない世界で、選択と挑戦を重ね、自らの「道」を歩み続けてきた株式会社ZENRYOKU代表取締役の本図太志さん。
経営者、そしてひとりの人間として何を信じ、どう歩んできたのかを伺っていきます。

「経営者になりたい」と思った2つのターニングポイント

「会社をやりたい」と思ったきっかけについて教えてください。

きっかけは大きく2回ありました。最初は大学3年生のときです。
当時、赤本という大学受験の過去問集を出している会社があって、そこの社長が僕のバスケ部の先輩だったんですよ。もともと経営者って存在は知ってたけど、身近に感じたのはこの出会いが初めてでした。

その出会いはどんなふうに影響したんでしょうか?

それまで身近に経営者の方っていなかったんですよね。その方が学生じゃいけないレストランに連れて行ってくれたり、会社経営で大変だったことや良かったことを話してくれて。

別世界を目の当たりにして、単純にかっこいいなと思ったし、何より自分で人生をコントロールできるって、めちゃくちゃすごいと強烈に感じたんです。

そう思ったのは、自分自身が母子家庭で育った経験が大きいです。
高校時代に苗字が3回変わるなど、普通の家庭とは違った環境で育ちましたが、母が昼夜働き詰めで、私含めて子供3人を支えてくれていました。
だからこそ、「大切な人を守るには、自分がきちんと食べていける力をつけないと」と思っていました。
それを経営者という手段を活用したら実現できると感じました。

もうひとつのタイミングはいつでしたか?

2回目は、社会人になってからです。29歳のときでした。

当時、私はすごい会議という経営会議をサポートするコンサルタントとしてお仕事させて頂いておりました。最初の3年間は本当に結果が出ず業績も一番下でした。

5年目の時に当時、史上最年少で全体で1位を頂くことができて、今なら自分で仕事をしても、継続して会社経営できると思い独立をしました。

挫折から学んだ「筋を通す」ことの大切さ

最初にバー経営をされていたということですが、その時期について詳しく教えてください。

社会人1年目で商社に入社しました。全国に支店がある会社で、私は群馬支店に配属されました。いつか自分で仕事をしたいと思っていたのですが、何をしたら良いか分からず、まずは色々な人の話を聞きながらネットワークを作ってみようと思い、週末は東京に戻って飲み会を開いてました。1年間継続していたら毎月200人ぐらい集まるようになって、自然と収益も生まれるようになったんです。

それでふと、「これ、自分でちゃんとやったら食っていけるんじゃないか」と思って、1年で会社を辞めて、バー2店舗の週末運営権を買い取って、イベント業をやることにしました。

すごい行動力ですね! バー経営は順調だったんでしょうか?

バー経営なんてカッコ良い言い方をしていますが、実際はただのイベント屋さんでした。

バー2店舗の週末の運営権を買い取らせて頂き、あとはタワーマンションを借りて、そこを拠点にしてたんですけど、住居スペースで騒ぎすぎて強制退去になったり、社会人2年目になり同世代の友達も仕事で忙しくなってきてイベントに来れなくなったりで、あれよあれよと借金500万円作りました。

なかなかハードですね。その経験からどんなことを学びましたか?

一番大きかったのは、「筋の通らないことをしても続かない」ってことです。

短期的にはうまくいったように見えても、人に迷惑をかけるようなやり方は、必ず自分に返ってくる。これは本当に痛いほど思い知らされましたね。

今はもう絶対に「自分さえよければいい」って発想はしないし、 短期的な利益に目がくらんだりもしない。

 あの頃の失敗がなかったら、今の自分はいないと思ってます。

ちなみに、楽しかったことや得たものもあったんでしょうか?

集客のやり方については大変勉強になりました!

参加者の方々に「面白い!」と思ってもらえるコンセプトを作る、集客に強い人と一緒にイベントを行う、当日は参加者の方々が喜んでもらえることだけを考えて運営するなどですね。

この時の経験は、すごい会議で営業していた時もベースになりました。

バー経営の経験を経て、その後はどのような道を歩まれたのでしょうか?

バーをやめたあと、次こそは継続的に自分で仕事ができるようになる為に徹底的に修行をしようと考えていました。そこで出会ったのが「すごい会議」という企業目標達成を加速させるための会議型コンサルティングプログラムです。

営業のノウハウを学びながら、経営者向けのサポートをするビジネスだったんです。

最初から順調だったのでしょうか?

いや、全然でしたね。
当時のすごい会議の先輩方は、他業界で活躍されていて、既に経営者ネットワークをお持ちの方が多かったんです。私にはそれがなくて、どうしたら高額無形商材を購入頂ける経営者の方々と継続して接点を持てるかに苦労しました。

全部、自分でリード(見込み客)を開拓して、自分でクロージングしてっていう完全なゼロスタートでした。
3年間は業績は最下位でした。

成果を出せるようになったきっかけは、外資系金融業にて30歳で世界一になった人との出会いです。
この方の営業手法がアウトバウンドで、やり方をそのままそっくり真似たんです。このタイミングから見込み顧客になり得る方のアポが毎月20件以上入るようになり、5年目で当時のすごい会議で史上最年少で日本一の業績を頂くことができました。
今なら自分で仕事をしても、継続して会社経営できると思い独立をしました。

孤独な戦いの末に ─「仲間」を持つ意味を知った

独立してからはどんなことをされていたのですか?

「トップ営業マンを作ります!」というコンセプトで営業コンサルティングからスタートしました。

すごい会議時代の5年間、自身の営業活動とクライアントサポートで行っていたことを日記につけていたんです。

ここに書いてある事実を体系的にまとめたら、色々な企業様にトップ営業マンを作れると思い、自分なりのパッケージを作り、営業マンの個人コーチングをしていました。

そこから4年程一人でやっていました。ただ自分の手が届く範囲でやっていて、ビジネスマンとして成長しているのかな?と疑問を感じ始めました。

その不安は、どんなタイミングで強くなったんですか?

売上は年間5000万円くらいまで伸ばせたんですが、「これが限界だな」とハッキリ実感した瞬間がありました。 このまま一人でやっていけば自由は続くけれど、小さくまとまって終わる。それが嫌で、もっと大きなことをやりたいという想いが勝ったんです。

そこからは小学校からの親友や、昔から信頼していた仲間たちに声をかけました。

実際に仲間と働くようになって、良いことも悪いことも共有できる相手がいる安心感を強く感じましたね。悩んだときに一緒に考えてくれる人がいるだけで、全然違うなと。

ただ、理想と現実のギャップもありました。意見がぶつかったり、思うように伝わらなかったり。それでも、本気で向き合える仲間がいることの価値は、何にも代えがたいと感じています。

仲間との葛藤をどう乗り越え、どのような組織づくりを意識してきたのでしょうか?

本音をぶつけ合うしかないと思っています。
過去に一度、深夜3時まで泣きながら話し合ったこともあります。

怒ったり、泣いたり、悔しい思いをしながらでも、「こいつとは本気で向き合いたい」って思えた仲間だからこそ、ちゃんとぶつかれる。だから、今うちの会社では心理的安全性を本当に大事にしてます。

言いたいことを言える環境作りを意識されているんですね。

 そうですね。言いづらいことを我慢させる組織にだけは、絶対にしたくないんです。これまでの経験で、責任を取ったうえで主張がしやすい組織の方がパフォーマンスが上がる経験があったので。

相手にどう見られるかじゃなくて、どうしたらもっと良くできるかをちゃんと話せる環境を作ることが、僕の仕事の1つだと思っています。

自分の成長と、仲間の人生を支えるために

現在目指している会社の姿について教えてください。

一番大事にしているのは、「ここで働いてよかった」と社員のみんなに思ってもらうことです。 そのためには、会社を単なる箱ではなくキャリアの選択肢をつくれる場所にしたいと考えています。

たとえば、全力で頑張ってくれた人には 会社の株を持って子会社の社長を目指してもらったり、 独立を応援したり、希望するキャリアを選べるようにしたい。 

どこまで行くかを自分で決められる、そんな場所にしていきたいんです。

本図さん自身の原体験とも重なる考え方ですね。

まさにそうです。僕自身、幼い頃から「自分の力で食っていかなきゃいけない」という思いを持って生きてきたので。

だからこそ、うちに来てくれた仲間たちにも、自分の人生を選べる力を持ってほしいと思っています。

具体的に、社内ではどんな取り組みをされているんでしょうか?

 前述したとおり、言いづらいことが言えない空気を絶対に作りたくないので、社内の心理的安全性をめちゃくちゃ大事にしています。

それから、みんなの過去を知る取り組みもしています。どんな家庭環境で育ったか、どんな価値観を持っているかなど、それを全員で共有する機会をつくっているんです。

それはかなり珍しい取り組みですね。

そうですね。でも、やっぱり人は“背景”が違う。

たとえば、発言ひとつとっても、その人の育った環境やこれまでの経験って影響されているんです。そこを知らないままだとすれ違いが起きたり、誤解したりするんですよね。

だから互いの背景を知って、ちゃんと理解し合ったうえで仕事をする。それが結果的にすごく強い組織になると思っています。

素敵ですね。それが実現できていると感じますか?

まだまだ道半ばですけど、確実にできつつあると思ってます。特に、ボードメンバー(経営幹部)には本当に本音で話すようにしています。うわべじゃなくて、ちゃんと本心で向き合う。

だからこそ、お互い泣きながらでもぶつかれるんだと思うし、それがあるから今こうして一緒に前に進めてると思っています。

これから起業を考えている方へのメッセージをお願いします。

本当に大事なのは「何をやるか」より「誰とやるか」だと思います。特に直属の上司が誰かで仕事の充実度は大きく変わります。

大企業でもベンチャーでも、リーダーや社長の考え方や仕事の仕方、数字などをしっかり見て、尊敬できるかを判断してほしいです。独立を目指すなら、ゼロイチを体験できるベンチャーに飛び込むのもいいと思います。

社員の皆さんへのメッセージもお願いします。

キャリアの選択肢を作れる会社を、一緒に作っていきたいです。今いるメンバーは「ないものを作る側」なので、絶対にいい思いをしてほしい。

もっと上を目指したい人も、サポートにまわりたい人も、どちらも報われる仕組みをこれから作っていきます。将来的には、株式を持って一緒にコミットできるような関係も考えています。

関連サイト

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容
    プライバシーポリシー

    株式会社アイドマ・ホールディングス(以下「当社」といいます)は、次世代型営業支援サービスを提供しております。当社に対するご信頼とご期待に応えるためには、お客様から取得した又は業務委託元等の取引先からお預かりした個人情報の取扱いの重要性を、全ての従業員が強く認識し、適正に取り扱うことが不可欠と考えております。そこで、当社は、個人情報に関する法令等及び以下に定める個人情報保護方針を、従業員一同がこれを遵守することを宣言します。 1. 個人情報の取得・利用・提供について 業務を通じて取り扱う個人情報、また従事する従業者の個人情報について適切に取得するとともに、事業活動を通じて定めた個人情報の利用目的の範囲で適切に個人情報を取り扱い、利用目的を超えた利用をいたしません。 またその行動を遵守するための措置として従業者教育や内部監査等を行います。 2. 法令等の遵守について 個人情報を取り扱う上で、個人情報保護法をはじめとする法令や、関連ガイドライン等の国が定める指針、条例、その他の規範を確認し、遵守します。 3. 個人情報保護のための安全対策の実施について 個人情報を安全且つ適切に取り扱うことを確実にするため、個人情報保護管理者を中心とした「個人情報保護マネジメントシステム」としての管理体制を組織し、また従業者一人ひとりへの教育を通じて、個人情報の滅失、破壊、改ざん、毀損、漏洩等の予防に努めます。 また、日々の確認、内部監査等を通じて、不適切な取扱いについては早期に検出し、原因を精査して是正、再発防止に努めます。 4. 個人情報の取り扱いに関する苦情及び相談 個人情報の取扱いに関する苦情、相談等に対して、受付窓口として「個人情報相談対応窓口」を設置し、本人の意思の尊重のもと遅滞なく、速やかに対応を行います。 5. 個人情報保護マネジメントシステムの継続的改善 当社の経営環境、社会情勢の変化や情報技術の進歩等に対応した個人情報保護を実現するため、柔軟に「個人情報保護マネジメントシステム」を見直し、継続的な取組みのレベルアップ、改善に努めます。 制定日 2014年2月1日 改定日 2022年4月1日 株式会社アイドマ・ホールディングス 代表取締役 三浦 陽平 〒141-0021 東京都 品川区上大崎 2-13-30 oak meguro 5・10F 個人情報に関するお問い合わせ窓口 株式会社アイドマ・ホールディングス 個人情報相談対応窓口 〒141-0021 東京都 品川区上大崎 2-13-30 oak meguro 5・10F 電話/03‐6455‐7935 メール/privacy@aidma-hd.jp 受付時間/10:00~18:00(土日祝日、年末年始の休業日を除く) 担当責任者/経営管理本部 担当役員

    プライバシーポリシー に同意して内容を送信してください。