つながりを形に変える経営:ギフト・起業支援・アートで広がる「止まり木」の輪

誠実に努力する人にスポットライトを当てる──。

そんな想いから生まれたのが、株式会社Bennuash(東京都豊島区)が展開するギフト事業、起業支援、アート・エンタメ事業の3つの柱です。

週末起業からスモールスタートし、2021年に法人化して独立した橋本代表は、どのような想いで多角的な事業に挑んでいるのか。その軌跡と想いを、じっくりと伺いました。

多様な挑戦のかたち─ギフト・起業支援・アートで想いを届ける

現在展開されている事業の内容と、それぞれに込めた想いについて教えてください。

はい。今、主に3つの事業を展開しています。

1つ目はギフトショップの運営です。これは、真摯に努力している人・会社にスポットライトが当たる世の中にしたいという想いから始めた事業です。百貨店などで扱われていない、小さなメーカーの商品にも強いメッセージや想いが込められているものが多くあります。そうした商品を“ギフト”という形で届けることで、物を介して人から人へ、その想いも一緒に伝わっていくような仕組みをつくりたいと思っています。

2つ目は、起業支援の事業です。これから一歩踏み出したいという方や、「やりたいことはあるけれど、どう動けばいいかわからない」という方に寄り添い、伴走型で売上を上げていきます。僕自身、もともとは会社員として働いていましたが、週末起業でスタートした経験があるので、その体験からリアルなアドバイスができると思っています。

3つ目は、アートや音楽などエンタメ分野の支援です。日本ではまだまだ、アートや音楽で生計を立てられる人は少ないのが現状です。ですが、そうした方たちの作品には間違いなく“思い”が込められていて、もっと多くの人に届くべきだと思うんです。マーケティングや販路拡大などの面でサポートをしながら、その価値を社会に届けていく事業を展開しています。

また、地域貢献の一環として、月に一度、豊島区認定のゴミ拾いのイベントを実施しています。

キャリアの原点と、大学時代の出会いがくれた「ビジョン」の芽生え

橋本さんご自身の経歴や、起業に至るまでの経緯について教えてください。

2013年に大阪大学大学院を卒業後、富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)に新卒で入社しました。学生インターンとして関わっていたご縁があり、人として尊敬できる方々が多く、「この人たちと働きたい」という想いで選んだ会社です。

仕事内容よりも、“人”を重視して選んだ就職先でした。入社後は3年間、海外関連のプロジェクトなど、非常にやりがいのある仕事に多く携わらせていただき、感謝しかありません。

ただ、年功序列や「頑張っている人ほど、どんどん仕事が増えて忙しくなる」といった会社組織の風土に、しだいに違和感を覚えるようになっていきました。年を重ねるごとに役割がどんどん増えて時間がなくなっていく。「自分はこの人生でなんのために仕事しているんだろう?」と漠然と悩んでいたのが2016年頃です。

その頃、ある経営者の方と出会ったことが大きな転機になりました。その方は、、「どんな事業をやるか」ではなく「どんなビジョンで生きていくか」を軸に事業をされている方でした。また、その方の周囲には、本当に魅力的でパワフルな人たちが集まっていて、「この人が動けば、きっと何をしても成功するんだろうな」と感じたのをよく覚えています。

そして、「橋本くんは、どう生きていきたいの?」と聞かれたとき、初めて自分自身のビジョンに向き合うことになったんです。それまでの僕は、仕事を変えればよくなるんじゃないか、起業をすれば人生が変わるんじゃないか、など「何をやるか」にばかり目が向いていました。しかし、その出会いによって、「誰とやるか」「どんな想いで生きるか」が何より大事だと気づいたんです。

その経営者の方とは今でも一緒にギフトショップの共同経営をしています。まさに、出会いが人生を変えてくれた瞬間でした。

学生時代から「人とのつながり」を大切にされていたのでしょうか?

実は、昔からずっとそうだったわけではありません。小学生の頃は、かなり離れた校区から学校に通っていて、非常に狭いコミュニティの中で育ちました。その中で、長く仲良くしていた友達と少しずつ価値観がずれていき、6年生のときにいじめに遭う経験をしました。物心がついてくる時期なのもあり、その経験を通じて「人には適切な距離感がある。方向性や価値観が違う人との関係は、無理に保ち続ける必要はない」と学んだんです。これを機に、自分に合う人たちとの時間を大事にするようになり、中高時代は「広く浅く」ではなく、「狭く深く」の人間関係を築いていました。

次に大きな転機となったのは大学に入ってからの、たまたま出会ったまったくタイプの違う友人です。人懐っこくて、誰からも応援されるような子と過ごす中で、「人に頼り頼られる力」の重要さを痛感しました。それまでの僕はどちらかというと一匹狼タイプで、本当の意味で人を頼るということができずにいました。この出会いをきっかけに、少しずつ人との関係性やコミュニケーションを大切にするようになりました。

富士ゼロックスを選んだ理由にも、この経験が影響しています。複合機の会社としてのイメージが強いですが、実は「コミュニケーションの活性化」を掲げる企業でした。僕自身も、“人と人をつなげること”を大切にしたいという想いが強くなっていたので、会社のビジョンに非常に共感したのを覚えています。

仲間とともに挑み続ける─譲れない価値観と決断の重み

日々のお仕事の中で、橋本さんが大切にされていることや譲れないポイントを教えてください。

一番大切にしているのは、「自分自身」と「一緒に働く仲間」の豊かさです。お金を稼ぐことも大事ですし、事業を拡大していくことも必要だと思っていますが、その根底にはやっぱり、自分たちの人生が豊かになっているかどうかが大切だと考えています。

それだけに、仕事や努力を軽視されたり、馬鹿にされたりするような言葉には、どうしても我慢ができないんです。僕の周りには、才能だけでなく、地道な努力を重ねて今の実績にたどり着いた仲間たちが多くいます。「たまたまうまくいったんだよね」とか「元々才能があったんだよね」なんて言葉を聞くと、本当に悔しい気持ちになります。

努力によって人は変われるし、人生を変えられる。だからこそ、自分自身が常に挑戦し続け、ステージを上げ続けることが、事業をする責任だと思っています。だから、今も「柔軟に変化し、挑戦し続ける自分」であることを大事にしています。

これまでの経営のなかで、特に印象的だった出来事があれば教えてください。

一番印象深いのは、週末起業から一本化して独立を決意したときのことです。それまで勤めていた会社には、心からの感謝と愛着がありましたし、本当に素敵な方々と一緒に仕事をしていました。だからこそ、「退職します」と伝えるまでに、何度も迷って言えず、伝えるまでに2週間近くかかったほどです。

ちょうどその頃、世の中はコロナ禍の真っ只中で、先が読めない状況でした。加えて、身内の病気、会社の情勢変化、自身の起業準備……いろいろな出来事が同時に押し寄せ、頭の中はぐちゃぐちゃでした。でも最終的には、「勇気が必要な方を選択する」と腹を決めました。

経営は、決断の連続です。迷いながらでも、自分がワクワクする方、未来を切り拓ける方を選び続ける。その選択を「正解」に変える覚悟があるなら、どんな道も前に進めると僕は信じています。

アートとギフトで“想い”を届ける未来へ─努力が報われる社会を目指して

今後の展望や挑戦していきたいことについて教えてください。

僕が事業をする目的は、「自分自身の挑戦によって、関わるすべての人の可能性を引き出すこと」、そしてビジョンは、「努力する人が輝ける世の中をつくること」です。そのために、2026年を目標に、新たな取り組みとしてギフトとアートを融合させた2店舗目を立ち上げようと考えています。

日本では、アートは一部の人のもので少し敷居が高いと思われがちですが、もっと身近なものになればと思っています。僕自身、絵が描けるわけでもなく、美術の成績も芳しくなかったです(笑)。

でも、だからこそ、アートに触れるハードルを下げ、どんな人でもその魅力を楽しめる場所をつくりたいと考えるようになりました。

ギフトという形を通してアーティストの想いやストーリーが届けば、それは単なる“モノ”ではなく、“想いの橋渡し”になります。日本には、お土産や地域の特産品など、思いやりを形にする文化が根づいています。そうした「心を届ける文化」をもっと誇りに思って、地域貢献の考えを世界に広めていけたらと思っています。

そして、これからの時代に求められるのは、ワンマンではなく、つながりを大切にする経営者の在り方だと思います。一人ひとりが主役になれるような社会をつくるために、僕自身も挑戦を続けていきますし、営業力を持った法人が数多く生まれ、相互に連携しながら新しい価値を創造していく未来をイメージしています。

読者へのメッセージ─ビジョンを描き、信じた道を「正解」にする

最後に、これから起業を考えている方や、経営に向き合う読者の皆さんへ、メッセージをお願いします。

僕は「努力すること」自体は当たり前だと思っています。でも、それ以上に大切なのは、「どんな場所で」「誰と」「どんなビジョンに向かって」努力するかという、場と方向性です。会社員ではなかなか物理的に難しい部分もありますが、事業はそれが実現できる世界です。

自分が本当に進みたい方向に向かって、納得できる場で力を尽くせているか。それを見極めることが、結果にも、充実感にも直結していきます。

経営者の仕事は、ビジョンを描くことです。そのビジョンに共感する人が集まり、巻き込み、組織が形作られ、やがて社会全体に広がっていく。だからこそ、自分自身の想いに正直になり、信じた道を「正解」にしていく努力が大切なんです。

もし今、方向に迷いがある方や、一歩を踏み出そうとしている方がいらっしゃれば、相談してもらえたらと思います。僕も多くの人に支えてもらってここまで来られたので、今度は僕がその“止まり木”になれたらと思っています。

一人ひとりが、自分らしいビジョンを描き、自分の人生を経営していく。そういう人が増えれば世の中の仕事はもっと楽しくなると思っています。

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