「社長も元気じゃないと会社は育たない」―健康管理の標準を変えるアンドエルの挑戦

「企業も社長も、会社をつくる“人”が健康であること。それが結局、企業が成長するための根本的な条件だと思うんです」

そんな信念のもと、健康管理のハードルを下げ、あらゆる企業が取り組める仕組みを構築しているのが「アンドエルワーク」です。

事業を立ち上げたのは、起業家としても投資家としても豊富な経験を持つ古橋氏。

なぜ彼は今、「健康」というテーマに真正面から向き合っているのか。起業に至るまでの経緯や、事業に込めた思い、そして組織づくりへのこだわりに迫ります。

「社内クリニックをすべての企業に」─健康支援の常識を変えるパッケージサービス

現在の事業内容と、他社との違いや特徴について教えてください。

現在はアンドエル株式会社という会社を創業しておりまして、2023年10月に設立し、今は2期目の会社になります。会社としては、法人向けに健康経営を支援するサービス「アンドエルワーク」を提供していまして、主には、従業員の方がいつでも使えるオンライン診療サービスや、カウンセリングの相談室、ストレスチェック、産業医紹介といった法令対応までを含めたワンパッケージのサービスです。

それを月額制で利用いただけるモデルで提供しており、これまでになかった健康支援の形を目指しています。従業員の不調に早期に気づき、必要な医療やメンタルケアにつなげられる仕組みが、あらゆる企業にとって重要だという前提に立っています。

実際のところ、オンライン診療・ストレスチェック・産業医紹介までを包括して提供している会社は業界的にも非常に少なく、比較対象がほとんど存在しないのが現状です。大企業であれば専用のクリニックを社内に設置して、年間1億円以上のコストをかけて運用するケースもありますが、ベンチャー企業や中小企業にとってはそれは現実的ではありません。

私たちはそのギャップを埋めたいと考えています。従業員数十名〜百名規模の企業でも、気軽に健康支援を始められるように、導入や運用のハードルを極力下げ、安価かつシンプルな仕組みに落とし込んでいます。健康管理を“特別なもの”ではなく、“当たり前”として根付かせることが、私たちの提供価値だと考えています。

キャリアの選択と原点─“健康”に辿り着くまで

起業に至るまでのキャリアと、健康というテーマに辿り着いた経緯を教えてください。

私は起業してから、だいたい今で12年目くらいになります。もともと「スマートキャンプ」という会社を創業し、その会社はのちに「マネーフォワード」へとM&Aされました。

新卒ではメガバンクに入社しましたが、自分には合わなくて10ヶ月ほどで退職しました。当時、転職を考えて求人サービスに登録したところ、「10ヶ月で辞めた人が行ける会社なんて、ほぼない」と現実を突きつけられました。だったらもう、自分で道を作るしかないと。消去法でもありましたが、それが起業の原点です。

その後は、起業を学ぶために「株式会社Speee」という会社に第二新卒のような形で入り、営業や新規事業のノウハウを1年間で徹底的に学ばせていただきました。そして20代半ばで最初の起業に踏み切りました。

起業家と投資家、両方を経験されて得たことはありますか?

この10年間で、経営者として会社を伸ばす立場と、投資家として会社を見極める立場、両方の視点から企業というものを見てきました。その中で、「会社が伸びるかどうか」の本質は何かを突き詰めた結果、たどり着いたのが「社長が健康であること」「従業員が健康であること」でした。この2つが揃っている会社は、やはり自然と伸びていく。非常にシンプルですが、重要な答えでした。

投資家としての経験も、大きな学びになりました。例えば、今年上場した「TENTIAL」という会社には、早いラウンドから出資していました。成長する姿を間近で見ていく中で、「人が大きく成長していく瞬間」に立ち会えたのは非常に刺激的な経験です。
何より、経営者が目の前の課題にどう向き合い、どう乗り越えていくか。その変化に触れることで、事業と人の可能性を信じる感覚が研ぎ澄まされました。

そうしたプロセスの中で、自分自身の原点を見つめ直す機会が増え、「もう一度、自分の手でゼロから事業を立ち上げたい」という気持ちが再燃しました。そして、辿り着いたテーマが“健康”だったのです。

「仁義」と信頼でつながる、小さな強い組織づくり

社内で大切にされている価値観やコミュニケーションスタイルについて教えてください。

アンドエルは現在、正社員が5名で、業務委託の方々を含めると15名ほどのチームです。少人数だからこそ、形式的な情報伝達だけでなく、実際に顔を合わせて目を見て話すような、やや“ウェット”なコミュニケーションを大切にしています。リモートワークが普及する中でも、あえて「対面の手触り感」を重視する理由は、事業領域そのものが人と人の健康に深く関わっているからです。

私自身、「仁義」という言葉が大好きで、誠実であること、礼を尽くすこと、相手の立場に立つことを常に意識しています。仕事ではどうしても自分本位な判断に傾きやすい場面もありますが、そこを一歩引いて、「この対応は相手にとってどうか?」と考える姿勢を忘れないようにしています。「義理人情」や「筋」という言葉も、社内ではよく交わされるワードで、日々の判断や行動の軸にもなっています。

また、共同創業者である取締役の野口は、HR・PM領域に精通しており、現在は事業開発・組織やオペレーション周りを主に担ってくれています。私と野口の間では、役割を明確に線引きするよりも、お互いが必要なところを柔軟にカバーし合う関係性を築いています。特定の機能や職域に固定せず、変化に対応できるような“しなやかさ”も、小規模な組織には必要不可欠だと考えています。

社員ひとりひとりの個性や専門性を尊重しつつ、共通する価値観のもとで結束することで、小さくても強く、信頼でつながる組織が形成されていると感じます。

健康経営を“あたりまえ”に─目指すは1万社のインフラ化

今後の展望や目指している未来をお聞かせください。

「アンドエルワーク」というサービスを、今後さらに多くの企業に導入していただくのが最大の目標です。現在は導入社数もまだまだな規模感ですが、これをいずれは1万社、あるいはそれ以上に広げていきたいと考えています。

特に私たちがメインターゲットとしているのは、従業員数十名〜数百名規模の企業です。大企業に比べると、専任の産業医や社内カウンセラーを抱える余力はなく、健康支援に手が回っていないケースが多く見られます。そういった企業にも「社内クリニックのような環境」を提供できる仕組みとして、アンドエルワークを位置づけています。

目指しているのは、健康支援の“インフラ”になることです。勤怠や労務と同じように、「健康管理」も企業活動における前提条件となるべきだと考えています。単にサービスを広げるだけでなく、健康に対する企業側の意識そのものが変わるような社会的ムーブメントをつくっていきたいと思っています。

最終的には、「あらゆる会社が、従業員の健康にしっかり向き合う社会」を作りたい。私たちが直接届けられない領域にも、この考え方が広がっていってほしいと願っています。

学び続ける楽しさ─ゴルフがくれる思考の余白

お仕事以外で、今ハマっていることやリフレッシュ法はありますか?

とても月並みなんですが、ゴルフですね。月に1〜2回ほど行けたらいいなと思っています。7年ほど続けているんですが、ようやく最近になって「練習すればうまくなるかも」という仮説が自分の中で芽生えてきたところです(笑)。

ゴルフって、年齢・性別・レベルを問わず多くの人が楽しめる、非常に汎用性の高いスポーツだと思っていて。移動中に会話もできますし、ビジネス上のコミュニケーションとしても良い場になります。特に経営者同士のゴルフでは、相手の性格や価値観が自然と見えてくることも多く、人との距離を縮める場としても非常に機能していると感じています。

うまくいかないことも多いですが、その中で工夫したり、自分なりの型を見つけたりするプロセスが面白いんですよね。スコアを伸ばすことももちろん嬉しいですが、それ以上に「自分をどうコントロールするか」が試される点が、仕事にも通じるところだなと感じます。

趣味や遊びも、思考を深める学びの場になる。そんな余白を楽しみながら、これからも挑戦を続けていきたいと思っています。

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