「本気と感謝」に火をつける、人材研修のプロフェッショナル─過酷な体験が育む“気づき”の力

「当たり前じゃない」を体感し、心に火を灯す。人材育成の現場で今、再び“本気”と“感謝”の価値が見直されています。

今回お話を伺ったのは、厳しさと誠意を兼ね備えた「1泊2日の合宿研修」を開催する藤田氏。

企業の管理職や現場責任者向けに、ただの知識習得にとどまらない“気づきの体験”を提供しています。

その核心にあるのは、経営者の想いと現場のズレに橋をかけること。言葉ではなく「体感」を通して、人と組織を変えていく研修の真意に迫ります。

「本気と感謝」に火をつける、覚悟の研修

現在の事業内容と、その特徴について教えてください。

弊社では人材育成を軸に企業支援を行っており、主力は「SURVIVE」と呼ばれる1泊2日の合宿型研修です。いわゆる“厳しい研修”に近く、一部では“鬼合宿”と称されることもあります。

ただし、モラルや人格を否定するような内容は一切なく、むしろ「本気で向き合う」「感謝を本気で伝える」ことにフォーカスしています。テーマは「本気」と「感謝」。この2つを強く意識しながら、参加者の内面に深く訴えかけるプログラムです。

座学や形式的なワークでは得られない、心の奥底から湧き出る“気づき”を、短期間で引き出すことを目指しています。

参加人数はどのくらいまで対応可能でしょうか?

基本は集合型で、1回につき5〜6社から2~3名ずつ、計12〜15名ほどがご参加されます。初対面同士が集まり、“非日常”な空間で取り組むため、研修の濃度も非常に高くなります。

1泊2日の限られた時間ですが、だからこそ強烈な体験になります。研修終了後の面談の際に、「実は脱走を考えていた」と打ち明けられることもありましたが(笑)、最終的には「やりきってよかった」と言ってくださる方が大半です。その声に、私自身も大きなやりがいを感じています。

対象となるのはどのような層の方々ですか?

主に企業の管理職やリーダー層が対象です。新入社員ではなく、すでに一定の経験を積み、これからより大きな責任を担っていく方々です。

例えば幹部候補から始まり、エリアや現場の責任者層へと広がっていくパターンが多いですね。企業にとっての“中核人材”を育てる通過儀礼のような位置づけで導入いただいています。

研修の内容や参加者の反応について、印象的な点があれば教えてください。

大きなテーマは「本気と感謝」です。経営者は命がけで会社を守ってきたにもかかわらず、社員は給与や制度を当然と受け取ってしまう。そうした感覚のズレに「気づく」きっかけを作るのがこの研修です。

私自身すべての研修に関わり、現場で表情や空気感を感じながら、必要な声かけや問いを行い、学びの密度を高めています。

特に医療・ヘルスケア業界の方々からは、「肩書きや専門性を離れ、一人の人間として謙虚さを取り戻せた」といった声を多くいただいています。

自身の原体験から生まれた“人材育成”への情熱

ご自身のキャリアについてお伺いします。もともとはどのような経歴をお持ちだったのでしょうか?

実は私は、いわゆる“問題社員”でした。新卒で生活医療業界の現場に入り、施術スタッフとして働いていたのですが、当時は「もっと給料を上げてほしい」「休みが足りない」と権利ばかりを主張していたタイプで、今振り返れば完全に“他責思考”だったと思います。

ある患者様とのトラブルで大きなクレームをいただいた際、院長に報告したところ、「ごめん、そういうときの対応、ちゃんと教えてなかったよね」と静かに受け止めてくれました。その瞬間、心が震え、自分は環境や周囲のせいにしていたのだと気づかされました。あれが人生で初めて“感謝”を強く実感した出来事でした。

そこから私は変わりました。人材育成の領域を任され、指導に本気で向き合おうと決意。当時の職場では離職率の高さが課題で、現場と経営者の思いがすれ違っていました。そんな状況に、自分自身の経験を活かしたいという想いが今の原点です。

その後、どのようにして独立を決意されたのでしょうか?

院内の教育担当として、新人研修や管理職研修に携わる中で、「この学びをもっと多くの企業に届けたい」と思うようになりました。生活医療業界に限らず、人材や経営の悩みは共通しています。現場を知っている自分だからこそ、思いをつなぐ存在として貢献できるのではと考え、研修事業を外に展開する形で独立しました。

もちろん、ゼロからの挑戦は簡単ではありませんでしたが、「同じ場所にとどまること」への違和感や、自分を常にアップデートしたいという思いが背中を押してくれました。うまくいくかどうかはわかりませんでしたが、やってみて正解にしていけばいい。そんな感覚で踏み出し、今も「まず行動してみる」というスタンスを大切にしています。

その“行動力”や“やり抜く力”は、過去のご経験と関係しているのでしょうか?

大きく影響していると思います。小学生から高校1年まで野球に打ち込み、その後はボクシングや音楽活動にも取り組みました。とくに野球からは「続ければ道が開ける」という価値観を学びました。多少のズレがあっても、諦めずに続けることで結果につながる。そう信じてきました。

音楽活動では感性や表現力が磨かれました。音楽理論を学びながらバンド活動を続けた経験は、今の講師としての在り方にも活きています。“間の取り方”や“声の使い方”、場の空気を読む力など、すべてが今の仕事に結びついていると感じています。

組織は小さく、対話は深く。“その人らしさ”を尊重する支援スタイル

現在の体制や、普段のお仕事で意識されていることを教えてください。

現在は私とサブ講師で研修を担当しており、少数で柔軟に対応できる体制です。

研修以外にも私は普段、企業様の人材育成のご支援をさせていただいております。経営者様や社員様との面談の中で日々大切にしているのは、「相手の内なる声に耳を傾けること」です。自身が「こうなりたい」「こうしたい」という内側の本音に気づいてもらえるよう心がけています。

相手の気持ちを引き出すために、どのような工夫をされていますか?

私は「壁打ち」のような対話を意識しています。こちらから答えを与えるのではなく、相手が自分の言葉で返せるようなやりとりを重ねることで、やりたいことや大切にしたいことが自然と浮かび上がってくる。それを支えるのが、私の役割だと考えています。

自身が壁打ちしたいときは、どのようにされていますか?

尊敬する経営者の方に相談することもありますが、私にとって最も効果的なのは「文章を書くこと」です。思考や感情を整理する手段として、まず自分の言葉で書いてみる。最近ではChatGPTも活用していますが、自分自身と向き合う“壁打ち”として、文章はとても重要な手段です。

また、心身のコンディションも意識しています。蜂蜜を舐めて眠る、口閉じテープで鼻呼吸を促す、朝晩のマインドフルネス、そしてサウナなど、自分を整える時間を大切にしています。こうした習慣のおかげで集中力が高まり、相手にも丁寧に向き合えるようになりました。整えることは、自分のためであり、関わる人のためでもあると感じています。

全国へ、そして“真に響く講師”の育成へ─研修の未来像

今後の展開や、取り組んでいきたいことについて教えてください。

現在、合宿研修は主に静岡で実施していますが、今後はエリアを広げ、札幌や水戸に加え、大阪や九州など全国で開催できる体制を整えていく予定です。

この研修の根幹にあるのは、「本音を率直に伝えることの大切さ」です。しかし現代では、パワハラへの過剰な懸念から、必要な指摘すら避けられる傾向があります。だからこそ、良いことは良い、間違っていることは間違っていると伝えられる“人”や“場”が求められているのだと思います。

今後は、そうした「メリハリある伝え方」ができる研修講師を育成することも大きなテーマです。多くの企業では“研修担当”という肩書はあっても、本質的な成長を促す指導がなされていないことがあります。

耳障りの良い言葉ばかりでは、人は変わりません。だからこそ「厳しさの中に真心がある」講師を全国に輩出していきたいと考えています。

そのような講師を育てるための方法は、どのようにお考えですか?

まずは、私の研修に同行してもらい、現場の空気や伝えるタイミングを体験してもらうことが第一歩です。感覚だけでなく、実は私の研修には構成や台本があり、「このタイミングでこの言葉をどう伝えるか」まで、ある程度は明文化されています。

もちろん柔軟な対応は必要ですが、再現性のある土台があるからこそ、同じ型をもとに研修講師を育てることができると確信しています。

実際に研修講師として活動したいという方がいた場合、どんな方に適性があるとお考えですか?

一番大切なのは、「相手に届く言葉を本気で投げられるかどうか」です。テクニックだけでは人の心に届きません。誠意や覚悟、相手への敬意がにじみ出る言葉こそが、人の心を動かします。


私自身も多くの失敗や葛藤を経てきたからこそ、人の痛みに寄り添えるようになりました。だからこそ、今悩んでいる方、変わりたいけれど一歩踏み出せない方に、研修という場を通じて“きっかけ”を届けられる講師が増えていってほしいと願っています。

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