長年、電気メーカーで技術者としてキャリアを積み、その後独立して顧問・コンサルタントの道を歩み始めた大森氏。現在はBtoB領域での企業支援に加え、BtoC領域では「コモンスター養成講座」を通じて独立を目指す人材の育成にも取り組んでいます
技術や知識を伝えるだけでなく、人脈を活かした支援やコミュニティ運営を行い、「お客様のために全力を尽くす」姿勢を貫いてきました。
本記事では、事業の強みやキャリアの背景、顧客や仲間との関わり方、そして未来への展望を伺い、大森氏が描く新しい挑戦のかたちに迫ります。
目次
多岐にわたる事業展開と「技術支援」の強み
現在の事業内容や、他社にはない強みについて教えてください。
私が取り組んでいる事業は大きく二つあります。ひとつはBtoBの領域で、企業の課題解決に取り組む顧問・コンサルティング活動です。この6年間で大手企業からベンチャーまで約50社を支援してきました。
また、IoT、無線通信、組み込み開発などの技術分野、プロジェクトマネジメント、およびポジティブ心理学、クリティカルシンキングなどポータブルスキル分野まで幅広いテーマのセミナー講師としても活動しており、延べ100回以上の登壇経験があります。また、eラーニング用のオンライン教材を収録・提供しているのも特徴です。
もう一つがBtoCの領域で、会社員の方が独立して顧問やセミナー講師として活動できるようサポートする「コモンスター養成講座」です。
約2年前に始め、これまでに10名以上が受講し、現在も4名が在籍しています。まだ少人数ですが、今後さらに拡大していきたいと考えています。
「コモンスター養成講座」に加えて、会社員が顔出ししない、覆面(フクメン)の副業(フクギョウ)を支援する「フクフク起業大森塾」も本格的にスタートしようとしています。
企業顧問としてご支援される業種や分野は特に限定されているのでしょうか。
業界を問わず対応していますが、私自身が電機メーカー出身で開発設計に携わっていたため、製造業の企業様が多いですね。
顧問というと、大企業の社長・役員を務めた人が行う”名誉職”的なイメージを持っていらっしゃる方もいるかと思います。私の場合はそうではありません。”現場密着型顧問”と称して、企業様の現場に出向き、お困りごとを解決するといった支援を中心に行っています。
具体的には、パナソニックでのヒット商品開発や特許取得の経験を活かし、製品開発全般の支援を行っています。
支援内容としては、無線通信や組み込みシステムを中心に、電子回路やマイコン開発まで幅広く対応しています。加えて、外注管理や開発推進の支援にも取り組んでいます。
さらに、トラブル対応や無線方式の選定支援、若手技術者の育成、知財戦略のサポートなど、技術・開発設計に関する幅広いテーマをカバーしています。
BtoC向けの「コモンスター養成講座」について、具体的にはどのような支援をされているのでしょうか。
「コモンスター養成講座」のコモンスターとは、”顧問マスター”、”顧問の星”、”顧問モンスター”をあわせた”新時代の顧問”をイメージとした造語です。
コモンスターは、顧問という役割を中心に据えながら、セミナー講師やデジタルコンテンツ作成などの活動を組み合わせ、これまで培ってきた経験やスキルを社会に活かしていきます。
『企業や個人を支援し、喜んでいただくことを通じて報酬を得る!』そんな新しい顧問の働き方を目指しています。
主に50代~60代の技術系会社員を対象としていますが、すでに独立された士業の方にも受講していただいております。会社員であれば、「役職定年や定年後の不安を感じる方」「副業解禁で迷っている方」にお役に立つ内容になっています。
コモンスター養成講座は、 「6か月で副業から独立までのステップを段階的に実践できるプログラム」になっています。顧問になる方法から自己アピールまで、私自身の経験に基づいて丁寧に指導しています。
顧問エージェントとの初回面談には私が同席し、受講生を推薦することもあります。私のもとに入ってくる顧問案件のご紹介も行っています。
また、セミナー講師としての活動方法や、eラーニング教材や電子書籍といったデジタルコンテンツの作り方、プロモーションの方法まで、個人コンサルで伴走しながら成果を出していただけるよう支援しています。
全体として、毎月の個別コンサル・模擬面談・案件紹介などを組み合わせた実践型支援に努めています。
単に知識を伝えるだけでなく、受講者が実績を積み、投資した学びをすぐに成果につなげられるようにしているのが特徴です。
受講生は、これまでに具体的な成果をあげています。例を紹介します。
- 2か月で40万円の契約獲得
- 3か月で合計50万円となる複数案件受注
- 複数の10万円案件を同時獲得
講座では、単に収入を増やすだけでなく、「自由な時間が増やせる」「共感し合える仲間と協働できる」ことも目指しております。
具体的には、「役職定年後に仕事がなくなる不安から解放される」
「副業解禁時代に、自分に合う副業を見つけられる」などの支援も行っています。
技術者から独立へ─自由な働き方を求めたキャリアの選択
これまでのキャリアと、経営者という立場に至った経緯について教えてください。
長年、電気メーカーで技術者として勤めてきました。ただ、ずっと会社員を続けたいと思っていたわけではなく、20年ほど前から「いつか独立してコンサルタントや顧問のような仕事をしたい」と考えていました。
周囲からも「独立の方が向いているのでは」と言われることが多く、その思いが徐々に具体的になっていったのです。
どうせやるなら個人事業主ではなく法人として立ち上げた方が信用も得られると考え、2019年に法人化しました。現在で7期目を迎えています。
独立のタイミングとして「今だ」と決断された理由は何だったのでしょうか。
特別な出来事があったわけではありません。思い描いていた独立を、行動に移したというのが一番正しい表現だと思います。
年齢的にも早い方が良いと考えていましたし、実際には50代後半になってからの挑戦でしたが、結果的にこの時期で良かったと思っています。
会社員時代と比べて、独立後に感じている変化や魅力はありますか。
新入社員の頃から「自分はサラリーマンに向いていないのでは」と思っていたので、今の生活はとても自然です。独立したことで自由度が高まり、会社員時代にはできなかったスタイルで働けています。
収入面も安定しており、おかげさまでこの5〜6年は運にも恵まれ、充実した日々を過ごせていると感じています。
顧客の現場に寄り添う─人脈と経験を活かした課題解決
お客様のために新しい取り組みを生み出す際、どのような姿勢で考えていらっしゃるのでしょうか。
BtoB向けでは、とにかく「問題解決」に全力を尽くしています。単に知識を伝えるだけでなく、自分が持っている人脈を活用して解決策を広げることも多いですね。
場合によっては専門性を持つ方や組織をご紹介しながら進めますし、自身が経験した失敗談も隠さず伝えます。また、依頼された課題以外の相談にも耳を傾けています。
たとえば人間関係や上司とのやり取りなど、業務外の悩みも含めて親身になってサポートするよう心がけています。
個人向けの支援では、どのような点を重視されていますか。
成果を出していただくことが第一です。そのため、顧問やセミナー講師としての活動方法を伝えるだけでなく、デジタルコンテンツの制作やプロモーションなど幅広くアドバイスしています。
とくに意識しているのは「現場感」を持つことです。コロナ禍では制約もありましたが、可能な限り最初は直接お会いして話をし、対面でのやり取りから信頼関係を築くようにしています。
具体的な活動の場として「新しい働き方クラブ」というオンラインサロンも運営されているそうですね。
はい。現在40名ほどが参加しており、起業を目指す人、副業を考える会社員など多様な方が集まっています。そこでは情報提供やノウハウの共有を行い、互いに学び合える場づくりを意識しています。
協働・共創・共感をキーワードにして、クラブの仲間と一緒に仕事をしたり応援したりするクラブを目指しています。
受講者だけでなく幅広い人たちとつながりを持つことで、現場に近い視点から支援できると考えています。
対面で関わることで、相手の表情や声のトーンから思いをくみ取り、より的確な支援につなげられると感じています。

両輪の事業を拡大し 仲間とともに未来を築く
今後の事業展望について、どのように広げていきたいとお考えでしょうか。
これまで取り組んできたBtoBとBtoCの両輪は、今後も継続して伸ばしていきたいと考えています。
BtoBでは、企業顧問やセミナー講師、企業向け教材の提供をさらに充実させていきます。ただ、私一人で担うのではなく、仲間と協力しながら取り組むことを大切にしています。
特にBtoCの「コモンスター養成講座」の修了生をパートナーとして迎え入れ、企業顧問やセミナーの仕事を共に請け負う仕組みをつくっていきたいと考えています。
仲間と活動することで、一人では到達できないスピード感や規模感を実現でき、企業にも個人にもより大きな価値を提供できると信じています。
BtoCの取り組みについて、具体的にどのような展開をイメージされていますか。
コモンスター養成講座は、これまでに10名以上が受講し、現在も4名が在籍しています。Zoomでの定期的なコンサルティングや、チャットを通じた日常的な質疑応答を行っています。
今後は受講者をさらに増やし、学びの機会を広げていきたいと思います。そして、育成した人材に対して実際の案件を紹介し、チームとして企業の課題解決に取り組める体制を整えていきます。
これにより、受講者は自分のスキルを活かして夢を実現でき、企業側は信頼できる人材の支援を受けられます。双方にとって価値のある形をつくりたいと考えています。
経営者へのメッセージ─仲間とともに挑戦を続けるために
最後に、このメディアを読む経営者や、これから起業を目指す方々へメッセージをお願いします。
私が大切にしているのは「お客様のために全力を尽くす」という姿勢です。困っている方がいれば、その解決のために力を惜しまないことが事業の基本だと思っています。そして、もう一つ大切にしているのは「仲間とともに取り組むこと」です。
仲間と協力することで得られる学びや気づきは、自分自身の成長にも直結します。一人で挑むのではなく、協力し合いながら進めていくことで、より大きな価値を生み出すことができます。
私の会社、ハートテクノロジーズ株式会社の経営理念である 「心を込めて技術と人を創る」 を実践していきたいと考えております。
私自身も顧問やセミナー事業を仲間と共に広げている最中です。もし同じ志を持ち、新しい働き方に関心のある方は、ぜひご連絡いただければ嬉しいです。
経営の道は時に孤独に感じることもありますが、仲間とつながることで力強く前に進むことができます。
だからこそ、今こそ一歩を踏み出してください。私もあなたと共に未来を切り拓いていきたいと思います。