地域のつながりを生む“居場所”を――カフェ併設型ワーキングスペースに込めた想い

株式会社グロードジャパンは、千葉県松戸市・新松戸でカフェ併設のコワーキングスペースを中心に、レンタルスペースや不動産事業、カフェ支援コンサルティングなどを展開しています。代表の花泉裕一郎氏は、“人が交わり、挑戦が生まれる場所づくり”を目指して事業を立ち上げました。今回は、その構想と背景について伺いました。

地域と人をつなぐ、4本柱の複合型ビジネス

まず、現在の事業内容と特徴について教えてください。

当社は現在、松戸市新松戸で「カフェ併設型ワーキングスペース」の運営を中心に事業を展開しています。その他にも、レンタルスペース、不動産事業、そして今年からはカフェの開業支援や伴走型コンサルティングも行っており、この4本柱が事業の軸となっています。カフェとワーキングスペースを融合した形態はまだ珍しく、働く人・くつろぐ人・地域の人々が自然と交流できる環境を目指しています。

このような複合型スペースを立ち上げようと思われたきっかけを教えてください。

背景にあったのは、コロナ禍で人と人との接触が制限された経験です。リモートワークや外出自粛が続く中で、改めて「人とのつながり」や「リアルなコミュニケーションの価値」に気づかされました。その頃、私自身も会社員を辞めて独立を考えていた時期で、地域と人を結ぶ新しい形を模索していたんです。

ちょうど妻が「飲食業をやりたい」と話していたこともあり、二人の想いを掛け合わせて、「カフェ×ワーク×コミュニティ」をテーマにした空間を構想しました。仕事ができるだけでなく、ふらっと立ち寄ってコーヒーを飲みながら会話が生まれる――そんな場所にしたいという気持ちから、現在の形が生まれました。

人々が自然に集まり、そこから新しいアイデアや挑戦が芽生えていく。そんな“地域の交差点”のような存在でありたいと考えています。

サラリーマンから独立へ――“やりたいことを自分の手で”

これまでのキャリアと、独立に至るまでの歩みをお聞かせください。

私は40歳までは都内で働くサラリーマンでした。新卒ではシステムエンジニアとして勤務し、その後は不動産会社へ転職。社内SEからオフィス管理、最終的には法人営業まで、約3年ごとにさまざまな部署を経験しました。幅広い業務を通じて「組織の仕組み」と「現場のリアル」の両方を学べたのは大きな財産です。

振り返ると、新卒の頃から「いつか自分の手で何かをしたい」という気持ちは持っていました。特別な構想があったわけではありませんが、いずれ来るその日のためにコツコツと準備していたんです。両親は共に会社員で、特に経営者の家庭ではありませんでしたが、昔から“自分で決めて動く”生き方に強く惹かれていました。

独立してみて、働く上での実感や変化はありましたか。

会社員時代との一番の違いは、「やったことがすべて自分に返ってくる」という点です。責任は重いですが、成果も失敗もすべて自己判断の結果。やりがいは圧倒的に増しました。特に飲食の仕事では、お客様に直接「ありがとう」と言っていただける機会が多く、感謝の循環が日々の励みになっています。自分の裁量で動ける環境は、精神的な自由度も高く、働く楽しさを改めて実感しています。

カフェ支援のコンサルティング事業を始められた背景をお聞かせください。

店舗運営を始めて5年になりますが、飲食業界は3年で約7割が廃業すると言われるほど厳しい世界です。私自身も数多くの失敗を経験しましたが、それを糧に「これから挑戦する人を支えたい」と考えるようになりました。自分が苦労した部分を共有し、開業までの不安を共に乗り越える“伴走支援”をしたいと思ったのが、コンサルティングを始めたきっかけです。

オープン当初は集客が最大の課題で、「お客様が来てくれるのか」という不安が常にありました。半年ほどで少しずつ軌道に乗り、人手が足りなくなって初めてスタッフを雇いましたが、安定を実感できるまでには3年ほどかかりました。それでも、妻と二人三脚で歩んできた日々が、今の大きな糧になっています。

誠実な姿勢が信頼をつくる――地域密着型の事業運営

日々の仕事で大切にしている姿勢についてお聞かせください。

常に「正直に」「正しく」仕事をすることを意識しています。どんな仕事でも誠意を持って取り組むことが最も大切だと思っています。目の前の一つひとつの仕事を丁寧に積み重ねることで、結果的に信頼が生まれ、次のご縁につながると感じています。

現在の事業の動きや、取り組みのバランスについて教えてください。

当社では、カフェ併設のコワーキングスペース運営、不動産事業、レンタルスペース運営、そしてカフェ開業支援コンサルティングを行っています。季節によって忙しさは変わりますが、どの事業もほぼ同じ比重で進めています。不動産は春の繁忙期に動きが多く、最近ではカフェの伴走支援の依頼が増えてきました。一方でレンタルスペースは無人運営のため安定しており、カフェとコワーキングスペースも地域の常連の方々に支えられて堅調に運営できています。

出版や発信活動にも取り組まれているそうですね。

はい。『カフェだけじゃ生き残れない』というタイトルで、Amazon限定で販売しています。もともと出版社からお声がけをいただいたのがきっかけでしたが、自費出版という形で挑戦しました。カフェ経営をテーマに、現場での経験や考え方をまとめた内容になっています。書籍を通じて、自分の考えを整理する良い機会にもなりましたし、読んでくださった方がホームページを訪れてくださるなど、新たなつながりも生まれています。もともと執筆が趣味というわけではありませんでしたが、編集者やライターの方と作り上げる過程はとても新鮮で、経営とは違った形で自分の想いを伝える経験になりました。

大きくすることよりも、深めること――持続可能な経営を目指して

今後の事業展開や、目指している方向性をお聞かせください。

まだカフェのコンサルティング事業を始めたばかりなので、まずはそこをしっかり成熟させていきたいと考えています。ありがたいことにご相談も少しずつ増えてきていますが、今はまだ自分一人で多くの業務を担っており、すでに手いっぱいの状態です。次のステップとして、人を雇って規模を広げるのか、それとも今の形を大切に深めていくのか――その判断を慎重に見極めているところです。

これまでの歩みを振り返って感じること、そして今の働き方について教えてください。

創業から5年が経ちますが、「よくここまでやってきたな」と感じています。最初は右も左もわからない状態でスタートしましたが、地域の方々やお客様に支えられて少しずつ前進できました。現在は妻とパートスタッフ2名でカフェを運営しており、私自身も平日の午前中はホールに立っています。お客様と直接お話しする時間はとても貴重で、日々の気づきや新しいアイデアもそこから生まれます。今後は“規模を追う成長”ではなく、“質を高める成長”を目指していきたいですね。

地域との関わりや今後のビジョンについてお聞かせください。

カフェではコーヒーや紅茶などの定番ドリンクのほか、カレーやパスタ、ホットサンドなども提供しています。中でも人気なのは「アサイーボウル」。実は流行する前の5年前から取り入れており、健康志向の方々にも好評です。こうした日常の小さな工夫を通じて地域に新しい文化を生み出し、「地域に根ざした小さな成功モデル」を築いていきたいと考えています。大きな企業ではなくても、誠実に続けていけば地域に必要とされる存在になれるような“長く愛される会社”を目指していきたいです。

「悔いのない人生を」――経営に込めた想いと、心を整える時間

経営者を目指す方や、これから挑戦しようとしている方へメッセージをお願いします。

経営って、やっぱり大変なことも多いです。でもその分だけ、やりがいも大きいと思います。会社員のときは、どうしても自分の裁量で動けない部分がありましたが、今はすべてが自分次第。良いことも悪いことも自分の責任ですが、その自由さが何よりの魅力です。

これから独立を考えている方には、「人生は一度きりだから、悔いのないようにやってみてほしい」と伝えたいですね。もちろん簡単な道ではありませんが、挑戦しなければ見えない景色が必ずあります。私自身、独立して本当によかったと毎日感じています。

お仕事以外でリフレッシュしていることはありますか。

体を動かすことが好きで、最近はボクシングとゴルフをしています。ボクシングは完全に趣味ですが、しっかりヘッドギアを着けてマススパーリングをする“ガチ寄り”のスタイルです(笑)。トレーニングを通して集中力を高めたり、ストレスを発散したりすることで、仕事にも良い影響が出ていると思います。

ゴルフは最近始めたばかりで、まだスコアはこれからといったところですが、自然の中でリラックスしながら頭を整理できる時間が気に入っています。

最後に、これからのご自身の働き方への想いを教えてください。

年齢を重ねても柔軟でいたいと思っています。経営も生き方も、結局は「自分がどうありたいか」に尽きる。これからも誠実に仕事に向き合いながら、楽しむ気持ちを忘れずにいたいです。挑戦を恐れず、自分のペースで前に進んでいきたいですね。

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