PMSの悩みに香りで寄り添う、予防医療への挑戦

株式会社ReEssence 代表取締役 重田美彩子氏

株式会社ReEssenceは、香りを活用したヘルスケアの可能性に向き合い、PMSに悩む人たちへ新しい選択肢を届けようとしている会社です。代表取締役の重田美彩子氏は、自身もPMSに悩んだ経験を持ち、その解決策を探る中で、香りを用いたケアの可能性に着目しました。本記事では、事業を立ち上げた背景や、香りに込める思い、今後の展望について伺いました。

香りで変えるヘルスケア

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社では、PMS、月経前症候群に悩む方に向けた香りのヘルスケア製品に取り組んでいます。私自身もPMSに悩んでおり、その解決策を探る中で、新しいソリューションが必要だと感じたことが事業の出発点です。

PMSへの対策としては、低用量ピルという選択肢があります。ただ、私自身は服用が難しい状況がありました。高血圧であったり、年齢によって血栓症のリスクが高まったりすることもあり、誰もが使える方法ではないと感じていました。血栓症は、場合によっては命に関わります。一方で、サプリメントや漢方などは、味気がない、苦い、効果がよく分からないという部分があります。薬機法上仕方ない部分もありますが、続けることが難しいと感じる方もいると思います。そこで、もっと楽しく、無理なく続けられるものはないかと考えました。

――貴社の強みはどのような点にありますか。

「香り」をヘルスケアの手段として捉えていることです。香りは楽しく、続けやすいものだと考えています。アロマというと、単に香りを嗅いで気分が良いというイメージで捉えられたりします。香水のようにブランディングとして使われることも多いです。しかし、私たちは香りを「自分のためだけのヘルスケアの香り」にしたいと考えています。香り業界の中でも、感覚的なものだけではなく、科学や研究に近い取組みをしていきたいと思っています。

――貴社の理念やビジョンに込められた想いについて教えてください

「香りを予防医療の選択肢の一つにしたい」という想いです。香りはエビデンスが足りないと言われますし、実験方法が難しい面もあります。ただ、パッチ状にすることで、多くの人数で検証し、より確からしい効果を示せるものにしていきたいと考えています。

想いを形にする決意

――経営者になられた経緯を教えてください。

最初から起業を考えていたわけではありません。もともとは、現在勤めている化学メーカーの中で、新規事業として取り組んでみたいという思いから始まりました。取り組みを進める中で、PMSに悩んでいる人がとても多いことを実感しました。また、香りには大きな可能性があるにもかかわらず、多くの人に十分に信じられていないことももったいないと感じました。より多くの人を救いたい。その思いが強くなり、この事業を自分が引っ張っていくしかないと感じるようになりました。

ONE JAPANの濱松さんが主催のプログラムやイベントに参加し、登壇する機会を得たことで、世界が変わったように感じました。社会を変えようと思って頑張っている人たちを目の前で見て、そのパワーに強く影響を受けました。そこで初めて、起業するという選択肢が自分の中に出てきました。少しくらい失敗してもいいから前に進んでいく姿勢に触れたことが、自分の挑戦にもつながっています。

――経営判断の軸となっている価値観は何でしょうか。

サステナブルであるかどうかです。以前、メンターの方たちの言う通りに進めたことであまりうまくいかない経験をしました。その経験から、誰かの言う通りに進めるのではなく、ユーザーにとって本当に必要なものか、自分自身が信じて進められるものか。その視点を大事にしています。

話しやすさから組織を育てる

――組織運営で意識していることを教えてください。

現在は社員がまだおらず、私一人で事業に取り組んでいます。ちょうど今、採用募集を進めているところで、これから組織をつくっていく段階です。組織を構築していく上で大切にしたいのは、話しやすい環境をつくることです。成果を追い求めることももちろん大切ですが、まずは関係性の構築に力を入れたいと考えています。

そのために大事だと思っていることが二つあります。一つは、対面の機会です。近くにいる方であれば、できるだけ直接会うことも大切にしたいと思っています。顔を合わせて話すことで、相手の人柄や考え方が伝わりやすくなるからです。もう一つは、仕事以外の何気ない話をすることです。飲みに行くとなると負担に感じる人もいると思いますが、そうではなく、チャットベースで「今週あったこと」のような話を短く共有するだけでもよいと思っています。そうしたやり取りの中で人間性が見えてきたり、どのように話しかければよいのかが分かってきたりします。仕事の話だけではなく、気軽にいろいろな話ができる環境をつくること。その積み重ねが、話しやすさや信頼関係につながると考えています。

――今後、採用する上での理想の人物像はありますか?

一緒に働く人については、まだ実際に組織づくりを始めたばかりなので分からない部分もありますが、事業に興味を持ってくれる方、自律的に動ける方と一緒に働きたいと思っています。

香りで広げるケアの未来

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

今後は、「香りをヘルスケアに」という考え方を軸に、まずはPMSから始めながら、少しずつ領域を広げていきたいと考えています。特に挑戦したいのは、香りの個別最適解です。人によって合う香り、合わない香りがあると思います。そのため、「私にはこの香りが合うんだ」と分かるような仕組みをつくっていきたいです。心拍情報や設問などをもとに、その人に合う香りを出していくような形を考えています。これは、今まであまり行われていない領域でもあり、とてもチャレンジングな取り組みです。実際に進めながら、学術的にも地位を築いていきたいと考えています。

香りを、ただ楽しむものではなく、自分自身を整えるためのヘルスケアの選択肢にしていく。その挑戦を通して、PMSに悩む人や、自分に合うケアを探している人に、新しい可能性を届けていきたいです。

――現在の課題について教えてください。

個別最適解を実現するには、お金も必要ですし、モノも必要です。データの分析も欠かせません。その中で、お客様がどのくらい個別最適化を求めているのかを、どの段階で、どのように把握していくのかが難しい部分だと感じています。アルゴリズムを組んでから、お客様に試してもらい、「必要か、必要ではないか」を判断するのでは遅くなってしまいます。その前に、もっと簡単な形でお客様に見せ、認知やニーズを確認してから研究に移っていく必要があると考えています。

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

子どもたちと遊ぶことです。また、新しい体験をすることも、自分にとってリフレッシュになっています。

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