伝統産業に新たな風を吹き込む若き挑戦者

株式会社ナガエモールド 長江 慶祐氏

古くから地域に根付く地場産業、焼き物の石膏型製造。その伝統を受け継ぎながらも、新たな風を吹き込んでいるのが株式会社ナガエモールドの長江慶祐社長です。業界平均年齢が70〜80代と言われる中、30代という若さで業界の未来を担い、社員の育成と働き方改革を同時に進める姿は、多くの注目を集めています。今回はその挑戦の軌跡と、経営にかける想いを伺いました。

業界の受け皿として、若い力で未来を築く

―御社の事業内容と、他社との違いを教えてください。

弊社は石膏を使った型の製造・販売を行っております。主に寸法・精度を重要とする工業製品のセラミックスの石膏型を中心としていましたが、食器などのデザインを重要とする生活用品に用いられる型にも取り組み始めています。

特徴は、何といっても社員の若さです。石膏型業界の平均年齢が70〜80代な中、弊社は20〜30代のメンバーで構成されています。若い力だからこそスピード感があり、モチベーションも高く、チームで動ける体制も整っています。

―経営方針や大切にしている理念はありますか?

業界全体が高齢化し、後継者不足に直面しています。私たちは業界の「受け皿」となり、技術を継承し、持続可能な産業にしていくことをミッションとしています。

また、働く社員とは「時間もお金も稼げる環境」を目指して一緒に切磋琢磨しております。仕事を頑張るからプライベートが充実するのではなく、プライベートが充実するからこそ仕事を頑張れると考えています。何よりもまず、普段の生活を充実させるために、最短時間で最高の成果を出し「時間」を稼ぐ。そしてお金も最高率に稼ぎ出す。これにより「時間」と「お金」を稼ぎます。私が何よりも大切にしている働き方の理念であり、この考えに賛同してくれる人が社員として一緒に働いてくれていると思っております。

ゲーム制作から一転、家業を法人化へ

―石膏型製造の道へ進まれたきっかけを教えてください。

元々はWeb業界で働いていて、ゲーム制作が趣味でした。通勤時間を削ってもっと制作に没頭したいと考え、通勤ゼロ距離の実家で家業を手伝うことにしたのが始まりです。当初は継ぐつもりもなく、むしろ親からも「継がなくていい」と言われていたほどです。

しかし、実際に業界に入ってみると、若いというだけで驚かれ、感謝されることが多かった。「よく入ってくれたね」と喜んでくださるお客様もいて、驚きとともに強い責任を感じました。誰かの役に立てる実感が、徐々に使命感へと変わっていったんです。

それがきっかけで、業界の実態を肌で感じ「このままでは長年蓄積された職人の技術が途絶えてしまう」と危機感を覚えました。次第に「こんな自分でも必要としてくれる人たちの力になりたい」と思うようになり、業界の受け皿となるべく、仲間を集めるため個人事業から会社を設立しました。

―社員との関係性で大切にしていることは?

職人の世界は、感覚的な指導や厳しさが当たり前という風潮があります。でも私はプログラミングの経験から、できるだけ言語化・数値化をし、理解の齟齬がないように心がけています。作業だけを「これがこうで、こうしてこう!」という表面的でざっくりな伝え方だけでなく、教えている作業を「なぜそうするのか」理由も付け加えて説明します。今やっている作業の意味が分かれば、自発的に動くことができるようになります。また、0から1が分かれば指示待ちもなくなります。自分で考えて、失敗して、答えを出して…と、勝手に成長する職人ルートが出来上がります。つまり大切にしていることは、「考える芽を摘まない」ことです。

産業の未来を拓くための挑戦

―今後の展望についてお聞かせください。

現在は、より大きな案件に対応するため、新工場の整備を進めています。これにより、半導体や自動車部品など、より付加価値の高い仕事にも取り組める体制が整います。利益率を高めることで、社員の待遇改善にもつなげていきたいと考えています。

工場には見学スペースの設置も検討しており、地域の学生や異業種の方々に“ものづくりの現場”を開放する計画です。技術の継承だけでなく、未来の担い手づくりにもつなげていきたいと考えています。

また、人材育成は今後も重要なテーマです。一人ひとりが自律的に動けるよう、引き続き育成体制を強化し、業界の未来を支える人材を増やしていきたいです。

―最後に、これから経営を志す方へのメッセージをお願いします。

経営は本当に大変です。私も会社設立当初は赤字続きで、精神的に追い詰められた時期もありました。でも、目の前の課題と真摯に向き合い続ければ、少しずつでも道が開け、気づいたら見晴らしの良い景色が見えることも増えてきます。挑戦は苦しいことばかりだ…と思うくらい大変ですが、うまく行った時は何ものにも変え難い喜びを感じることがあります。だからこそ「挑戦を楽しむ」姿勢を忘れずに、共に頑張っていきましょう。

うまくいかない時も、「誰かのために」という原点に立ち返れば、また一歩を踏み出せるはずです。私もまだ道の途中。一緒に歩んでいける仲間が増えていくことを、心から楽しみにしています。

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