動物医療に新しい選択肢を―未病ケアというアプローチ

株式会社Ani-lience 代表取締役 實廣亜希子 氏

少子高齢化と共に、ペットは「家族」としての位置づけを強めています。

そんな時代に、動物たちの健康を“未病”という新たな視点から支える企業が注目を集めています。

今回は、株式会社Ani-lienceの實廣代表に、事業への想いとこれからの展望について伺いました。

動物たちの“未病”に挑むヘルスケア企業

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

弊社は、動物の健康を「未病」の段階で守ることをテーマに、主に二つの事業を展開しています。

一つはペットの歯周病の早期発見とデンタルケアの普及。

犬や猫の2歳以上の約8割が歯周病にかかるとされており、重症化すれば手術も必要になります。そこで、唾液で簡単にお口の健康度をチェックできる検査キット「ペットのお口の健康チェックキット」を開発し、来春の販売を目指しています。

もう一つは馬(競走馬、乗馬)の健康管理です。

私自身、大学時代に馬術部に所属していた経験から、「勘と経験」に頼る馬の飼育に課題を感じていました。

そこにデータやサイエンスを導入することで、怪我や病気のリスクを予防できる体制をつくろうと考えました。

弊社の強みは、病気になる前の段階で変化を捉え、飼い主がセルフチェックできるツールを提供している点です。

これは動物医療業界でもまだ非常に珍しく、大きな差別化要素になっていると自負しています。

「やらない後悔より、やった後悔」行動力が拓いた起業の道

――起業に至った経緯を教えてください。

もともとこの事業は、私が勤めていた飲料メーカーの社内ベンチャーとして提案していたものなんです。ただ、動物分野は社の主力事業と異なることもあり、実現は難しかった。

しかし、100人以上の飼い主の方々にヒアリングする中で、歯周病検査へのニーズが確かにあると感じ、個人での活動を決意しました。

約1年試行錯誤を重ね、大学との連携も視野に入れて、法人化に踏み切りました。

――起業後、印象的だった出来事はありますか?

法人化からの1年間が、とにかく濃密でした。

イベントやセミナーを通じて多くの飼い主さんと直接お話しする中で、「これまで何をしても歯磨きできなかった愛犬が、セミナーの方法でできるようになった」という感謝の声をいただいたとき、この事業を始めて本当に良かったと思いました。

また、企業や関係者の方々から予想以上の協力申し出をいただいたことも、私にとって大きな励みになりました。

共感を軸にした協業体制と飼い主の声

――組織運営について教えてください。

現在は基本的に私ひとりで運営していますが、必要に応じて動物看護師さんなど専門家の力をお借りしています。

今後は業務委託を増やし、各分野のプロフェッショナルが主体的に関われるような体制を整えていく予定です。

飼い主さんとの接点としては、Zoomでデンタルケアの相談を受けています。そこで得たフィードバックをサービス改善に反映し、開発や情報提供の質を高めていくことを意識しています。

研究と現場をつなぐ架け橋として

――今後の展望や挑戦について教えてください。

まずは、来春予定しているペットのお口の健康チェックキットの販売を無事にリリースすることが直近の目標です。

動物病院やトリマー、ペット関連施設とも連携しながら、普及を進めていきたいと考えています。

また、馬の健康管理の分野では、蓄積したデータを活用し、他の家畜や動物にも応用可能な技術を広げていきたいです。

動物医療業界は臨床と研究の分断が大きく、現場のニーズと研究開発が噛み合っていない部分があります。私たちはその橋渡し役となり、現場の声を形にする存在でありたいと考えています。

情熱と好奇心が、すべての原動力

――日々のリフレッシュ方法や、大切にしている価値観を教えてください。

外に出かけて人混みに身を置くのが好きで、買い物や街歩きがリフレッシュになります。

一方で、自宅で一人静かに読書する時間も大切にしていて、本から得た学びを日常に活かすのが楽しみです。

経営の軸にあるのは、「価値があると思ったことは、まず世に出す」という姿勢。完璧さを求めすぎず、まずは始めてみることで道が拓けると信じています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私もまだまだスタートを切ったばかりの経営者ですが、「副業だからできない」「周囲がやっていないから無理」と諦める必要はないと思います。

小さな一歩でも踏み出せば、必ず何かが変わり始める。その実感を、より多くの方と共有できれば嬉しいです。

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