軌道に乗ったグルテンフリーパン専門店の挑戦:世界を目指す米粉の可能性

コメコノトリコ 北井国治氏 

2015年の創業以来、米粉100%のグルテンフリーパンとスイーツにこだわり続ける北井国治代表。

健康志向の高まりとともに支持を集め、着実にファンを増やしてきました。

今回は、事業へのこだわり、起業のきっかけ、そして日本の米粉文化を世界に届けるという未来構想についてお話を伺いました。

米粉100%のパンで、食の選択肢を広げる

――現在の事業内容と、企業理念について教えてください。

当社では、米粉100%で作るパンやシュークリームなどのグルテンフリー製品を製造・販売しています。創業当初はシュークリーム専門店としてスタートしましたが、百貨店催事などを通じて米粉パンのニーズの高さを実感し、今ではそちらが主力となっています。

販売は実店舗のほか、オーガニックスーパーへの卸売が中心で、2024年3月からはECサイトも立ち上げました。法人顧客との安定した取引が当社の基盤となっており、個人のお客様向けの販路も少しずつ広がってきました。

企業理念は「本質的な価値を追求し、食を通じて人々の健康と幸福に貢献する」こと。アレルギーを持つ方や健康意識の高い方に、米粉という新たな選択肢を提供することで、豊かな食生活を実現するお手伝いをしていきたいと考えています。

挫折がくれた「こだわり」という武器

――起業のきっかけや、これまでで印象に残っている出来事を教えてください。

最初は会社員として働きながら、「夜限定のシュークリームバー」という店を始めたのがきっかけです。惣菜系のシュークリームを出す、ユニークなお店でしたが、百貨店の催事に出展した際、有名店に大きく差をつけられ、非常に悔しい思いをしました。

その経験から、「万人に受けるものより、価値がわかる人に響くものを作ろう」と心を決め、米粉という素材に出会いました。会社に相談した際、「アホか」と言われたことも逆に背中を押してくれて、独立を決意しました。

印象深いのは、米粉100%という難しい製法にこだわり続けたことで、じわじわとリピーターが増えたことです。簡単ではありませんでしたが、信念を持って作り続けたからこそ、今の支持につながっていると感じています。

信頼をベースに、それぞれの強みが活きる組織へ

――組織運営で意識されていることや、社員との関係性について教えてください。

現在は私が製造と販売の中心を担っていますが、広報やECなどは外部の若いスタッフに支えてもらっています。それぞれの専門性を尊重し、得意なことはどんどん任せるスタイルを取っています。そうすることで、私自身がものづくりに集中でき、全体として良い循環が生まれています。

印象的だったのは、当社の製品に感動して「ただでいいので手伝わせてください」と申し出てくれた25歳のコンサルタントの存在です。ECサイト改善やインバウンド向けの施策など、自分では手が回らない部分を補ってくれ、大きな刺激にもなっています。

今後は製造スタッフの雇用も進めていく予定で、それぞれが自律的に動けるよう、責任のある仕事を任せていきたいと考えています。少人数ながら、風通しが良く、お互いの強みを活かせる文化を育てていきたいです。

米粉を“日本のブランド”として世界へ

――今後の展望や、新たな挑戦について教えてください。

これから本格的に取り組んでいきたいのは、海外への展開です。特に欧米ではグルテンフリーの需要が高く、日本の米粉製品を“ジャパニーズブランド”として届けられるチャンスがあると考えています。冷凍での輸出を視野に、徐々に準備を進めています。

また、米農家の方々との連携も進めたいです。米の消費量が減る中で、米粉製品の需要を創出することは、農業支援にもつながります。地域ごとの米を使ったオリジナルパンの開発など、地元と連携した取り組みを広げていきたいです。

個人的には、将来的に事業の運営からは一歩引き、若い世代に引き継ぎたいと考えています。そして、65歳になったら、海の見える場所で小さなカフェを開き、自給自足に近い生活を送りながら、パン作りを楽しむ──そんな第二の人生も描いています。

鉄道旅でリフレッシュし、次の創造へ

――プライベートでの趣味や、リフレッシュ方法について教えてください。

鉄道の旅が好きで、ローカル線に揺られながら景色を楽しむ時間が、何よりの癒しです。年に何度か、仲間と一緒に旅の計画を立てることで、日々のモチベーションにもなっています。

また、経営以外でも「食を通じて地域に貢献すること」には強い情熱を持っています。米粉という素材を通じて、日本の農業や食文化に貢献できる可能性があると信じています。

これからも、“おいしさ”と“社会価値”を両立させるパンづくりを追求していきたいです。

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