株式会社ENEXコンサルティング 代表取締役 桐村勇一氏
企業の成長に不可欠な「人」を深く理解し、その可能性を最大限に引き出す。人材採用から教育、そして定着までを一貫して支援する独自のビジネスモデルを展開するのが桐村氏です。
営業の現場で培った経験と、人に対する鋭い洞察をもとに、数々の企業の人材課題を解決してきました。
本記事では、桐村氏の経営哲学や歩んできたキャリア、そして未来への展望に迫ります。
人材と組織を育む一貫した支援
――現在の事業内容とその特徴について教えてください。
当社は、人材採用の支援から社員教育、定着までを一貫して行うサービスを提供しています。単なる紹介で終わるのではなく、その企業に本当に合う人材を見極め、採用後の教育やフォローまで伴走する点が特徴です。私は営業コンサルティングも並行して行っており、売上が上がれば当然人手が必要になる。その流れで「営業コンサルも採用も任せてください」とご提案できるのが強みです。理念として掲げているのは「経済と人材と逸材」。優秀な人材を財産として増やすことが、結果的に企業の成長や社員の定着率向上につながると考えています。
波乱万丈なキャリアと経営者への道
――経営者になられたきっかけを教えてください。
昔から人に指図されるのが好きではなかったんです。だったら自己責任でやっていこうと考え、社内ベンチャーという形で独立しました。全国1,200人規模の営業会社で全国1位を取った経験は、今でも大きな糧になっています。ただ、才能があったわけではなく、負けず嫌いな性格で努力を積み重ねた結果でしたね。
実は28歳の頃に一度独立を経験し、仲間との関係が悪化して失敗に終わったこともあります。その時は給料が取れず、部下の生活を守るのが精一杯でした。しかしその挫折を通じて「情だけでは経営はできない」と学びました。今は規模を追うのではなく、確実に成果を出す人材とともに前進することを大切にしています。
――経営において大切にしていることは何ですか?
素直さと謙虚さ、そして学びです。以前は感情的になることも多かったのですが、今は冷静さを心がけていて、一つのやり方だけでなく、第二の案、第三の案を考え、失敗しても最低限で修正できるようにし、どんな結果であれ学びの機会にしています。
信じることから始まる組織文化
――社員の主体性を引き出すために意識されていることはありますか?
最も大切にしているのは「信じること」です。社員が「全力でやっています」と言うなら、まずは信じる。疑っても関係は悪くなるだけです。私自身が現場に立ち、営業の見本を見せることで、社員も自然と主体的に動くようになります。現在は少数精鋭の体制ですが、信頼と成果へのコミットメントが文化の根底にあります。かつては厳しく人を切っていた時期もありましたが、今は人を育てることを重視しています。
後継者育成と未来への挑戦
――今後の事業展開についてお聞かせください。
今後は、私と同じように企業の売上を伸ばし、人材を育成できる「後継者」を育てることに力を入れたいと思っています。私一人では同時に支援できる企業数に限界があります。だからこそ、同じ志を持つ人材を育て、より多くの企業を支えたい。そのためには現場で成果を出し続けることが欠かせません。営業は最新情報と実績が全て。過去の成功体験に頼るのではなく、常に挑戦を続けることで未来を切り拓いていきたいです。
経営者の素顔とリフレッシュの時間
――最後に、プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。
昔から車が好きで、愛車の旧車「RX-7」を洗車してドライブに出かけるのが何よりの楽しみです。磨き上げた車を走らせていると、仕事で溜まった疲れも自然とリセットされます。あとはマッサージも欠かせませんね。心身を整える時間を大切にしているからこそ、また次の日に全力で挑戦できます。
――これから起業を目指す方や、同じ経営者に向けてメッセージをお願いします。
素直と謙虚、そして学びが大切です。一人で悩まず、分からないことは分からないと素直に言える仲間を見つけるべきだと思います。経営は孤独に見えるかもしれませんが、『やばい時はやばい』と正直に言えることで、助けてくれる人が必ず現れます。挑戦を続ける皆さんにも、そうした仲間を大切にしてほしいです。