株式会社まどりLABO 代表取締役 野口 雄人氏
「家づくりを、もっと楽に、もっとスムーズに、もっとわがままに」。
株式会社まどりLABOは、日本初のAIによる注文住宅の間取り自動生成サービスを提供するスタートアップです。
施主と建築会社双方に新しい価値を届ける代表・野口氏に、事業の特徴や組織づくり、未来への展望を伺いました。
目次
AIが変える家づくりの常識とまどりLABOの使命
――現在の事業について教えてください。
当社は、AIによる注文住宅の間取り自動生成サービス「まどりLABO」を提供しています。お客様が希望条件を入力すると、AIが現実的な間取りプランを瞬時に提案します。従来は専門的な知識が必要で、何度も打ち合わせを重ねる必要がありましたが、当社のサービスを利用すれば、専門知識がなくても具体的なプランを描けるのが大きな特徴です。
さらに、気に入った間取りは複数の建築会社へ送付し、相見積もりを取得できる仕組みも整えています。間取り作成から施工会社選びまでをワンストップでサポートし、施主様と建築会社様の双方にとって効率的で楽しい家づくりを実現しています。
兄の家づくりから生まれた原体験と起業への道
――この事業を立ち上げたきっかけは何でしょうか。
きっかけは、兄の家づくりを手伝った経験です。建築を学んでいた私が何度も間取りを描いたのですが、ことごとく「違う」と言われてしまいました。最終的には兄自身が手書きの間取りを描き、その姿を見て「専門家でなくても現実的な間取りを簡単に作れたら、もっと家づくりは楽しくなる」と強く感じたんです。
この体験からアイデアを形にしようと大学院在学中に動き始め、卒業後は実務経験を積んで2025年3月に仲間と創業しました。創業初期から支えてくれたエンジニアの仲間たちが「ここで過ごした時間が楽しかった」と思えるような環境をつくることが、経営者としての私の最大の責任だと考えています。
主体性を引き出す組織づくりと仲間への信頼
――メンバーの主体性を引き出す工夫について教えてください。
現在は業務委託を中心に17名ほどのメンバーが活動しています。主体性を育むため、まずは3か月ごとに会社の方向性を示したうえで各自が目標を設定します。言語化することで自発的な行動に繋がります。
さらに2〜3週間に一度の1on1では「どんな役割を果たしたいか」「この仕事で何を成し遂げたいか」を語ってもらいます。指示ではなく、自分の言葉で考えることを重視しています。
また、オンライン中心だからこそポジティブな雰囲気づくりを意識し、日報には仕事以外の雑談を一言添えてもらいます。小さな交流の積み重ねがチームワークを強めると感じています。
住まいのプラットフォーム化と5年後のビジョン
――今後の事業展開についてお聞かせください。
大きく3つの方向性を掲げています。まず「住まいのトータルプラットフォーム化」。間取り作成に加え、ローンや家具、建材など家づくり全体を支援します。
次に「設計分野の多角化」。注文住宅で培ったAIをリノベーションや分譲住宅、オフィス設計にも応用し、業界の効率化に貢献します。
最後に「自社施工会社の設立」。設計から施工まで一貫して提供し、新しい家づくりのスタンダードを打ち立てたい。早ければ5年以内の実現を目指しています。
課題は認知拡大と人材確保、とくにエンジニアです。だからこそメディア発信を強め、共感してくれる仲間と挑戦を続けたいと考えています。
空間へのこだわりと未来を共に描く仲間への呼びかけ
――経営において大切にされている信条を教えてください。
大学時代の恩師から教わった「人を留めるのではなく、自然と集まりたくなる空間をつくる」という言葉を軸にしています。ネガティブを取り除くだけでなく、プラスを生み出すこと。AIを活用して、創造的で楽しい家づくりを実現したいと考えています。
影響を受けた人物としては恩師に加え、小説家の伊坂幸太郎さんを挙げます。彼の言葉には前向きさと同時に「立ち止まってもいい」という優しさがあり、経営者としても人としても学びが多いです。
プライベートではボルダリングに熱中しています。壁と向き合う時間は最高のリフレッシュで、体を動かすことで次の挑戦へのエネルギーを蓄えています。
――最後に、この記事を読んでいる方々へのメッセージをお願いします。
株式会社まどりLABOの挑戦は、まだ始まったばかりです。テクノロジーの力で誰もが理想の住まいを自由に描ける未来を目指しています。共感いただけましたら、ぜひ一度「まどりLABO」を体験してみてください。新しい家づくりを共に創る仲間と出会えることを楽しみにしています。