合同会社BBミュージックアカデミー 代表 船山 美也子氏
東京都内に2つの教室を構える「BBミュージックアカデミー」。クラシック中心の従来の音楽教育にとどまらず、ジャズをはじめとする多様なジャンルを取り入れ、生徒一人ひとりの個性に寄り添ったレッスンを展開しています。演奏家から教育者へと歩みを進めた船山代表に、アカデミーの理念や経営の歩み、そして未来の音楽教育のあり方について伺いました。
続けられる音楽教育を目指して
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
当アカデミーでは、子どもから大人まで幅広い年代を対象に、ピアノ・ギター・ドラムなど多彩な楽器のレッスンを提供しています。最大の特徴は「音楽を長く続けられる仕組み」です。もしピアノが合わなければ別の楽器に挑戦できるなど、生徒さんが自分に合った形で音楽を楽しみ続けられるようにしています。
――経営理念について教えてください。
理念は「実感・自由・仲間・貢献」です。音楽の技術を磨くだけでなく、仲間との協働や地域とのつながりを大切にしています。ジャズの自由な発想や協調性を体感してもらい、自分らしく表現する喜びを味わってほしいと思っています。
ジャズの自由さがもたらした転機
――音楽教育を始めたきっかけは何でしょうか。
もともとは演奏家として活動していましたが、ジャズピアノを教え始めたときに、多くの方がジャズの自由さに惹かれる姿を見て「もっと広めたい」と感じました。アドリブや即興演奏を通じて自己表現できる面白さを伝えたいと思ったのが、教室を立ち上げるきっかけでした。
――経営者として印象に残っている出来事を教えてください。
教室を拡大した直後にコロナ禍に直面し、大きな危機を迎えました。しかしその経験を機に、オンラインレッスンの可能性を探り、講師陣と研究会を立ち上げました。困難の中から新しい教育の形を見出したことは、今も大きな財産になっています。
プロ講師と築く信頼の教育環境
――講師陣との関わりで大切にしていることは何ですか。
現在20名以上のプロミュージシャンが在籍しています。声をかけて集まってくださった先生方なので信頼関係が厚く、それぞれの専門性を尊重し合える環境です。講師が自分の強みを存分に活かせることで、生徒に質の高い教育を提供できると考えています。
――講師に求める資質はどのようなものでしょうか。
演奏の技術はもちろんですが、生徒の個性を引き出すコミュニケーション力が不可欠です。音楽を教えるだけでなく、「音楽を好きでいてもらう」ことを支えられる存在であってほしいと思います。
音楽教育を社会に広げる挑戦
――今後の展望を教えてください。
今後は音楽教室の枠を越え、教育機関や学習支援の場とも連携していきたいと考えています。音楽が育む創造性や共感力は、子どもたちの総合的な成長に大きな力を発揮すると信じています。さらにオンラインを活用し、全国どこからでも学べる環境を整え、より多くの方に音楽教育を届けたいです。
――経営面で取り組んでいきたいことはありますか。
法人化したばかりのため、経営基盤を強化することが課題です。バックオフィス業務を効率化しつつ、教育の質をさらに高める体制づくりを進めていきます。生徒さんの笑顔を糧に、一歩ずつ成長していける組織にしていきたいと思います。
日常を彩るリフレッシュと揺るぎない音楽愛
――趣味やリフレッシュ方法を教えてください。
美味しいものを食べに行くことです。特に辛い料理が好きで、タイ料理をよく食べに行きます。食事は心身を整え、新しい活力を得るための大切な時間になっています。
――経営以外で情熱を注いでいることはありますか。
やはり音楽教育の発展です。演奏活動にとどまらず、教育を通じて音楽の力を社会に還元していきたいと考えています。音楽を通じて人の人生を豊かにすること、それが自分の使命だと感じています。これからも生徒と共に学びながら、音楽の持つ可能性をさらに広げていきたいです。いつかは日本全国、そして海外の子どもたちにも音楽の楽しさを届けられるような仕組みをつくりたい。それが私の描く未来のビジョンです。