神栖の小児医療を強くする——「不断前進」で地域のこどもを守る

医療法人神榮会しょうのこどもクリニック 院長 庄野哲夫氏

2022年12月に神栖で開業してから2年半余り。大学病院医局から地域病院へ派遣されていた経験から“地域の小児医療の脆弱性”を痛感し、「一次診療で地域を支える」ことを決意した院長がいる。現在は1日100名超を受け入れる日もあるという忙しさのなか、アレルギー性疾患や小児内分泌疾患、発達障害など専門性の高い領域まで幅広く診る体制づくりを進めている。開業の原点、組織づくり、今後の展望を聞いた。

地域の一次診療を底上げする不断前進の小児科

――理念や診療方針、クリニックの特徴を教えてください。

「不断前進」を座右の銘に、常に診療をアップデートする姿勢を大切にしています。一次診療の小児科として、かぜや喘息、食物アレルギーはもちろん、小児内分泌(私の専門)や発達障害まで幅広く診ます。予約は“順番”ではなく“時間”で管理し、待ち時間のばらつきを抑える運用です。

――神栖で開業した背景は。

地域病院勤務時代に、小児医療の受け皿が不足していると痛感しました。夜間当直中にも来院患者さんが多く、後輩医師を抱える立場として負担の大きさも見えていた。自分が一次診療を担うことで、地域のこどもにも、医局の後輩にもプラスになる——それが神栖での開業動機です。

開業の原点と学び 信頼で集った九人のチーム

――開業後、印象に残る場面はありましたか。

建物が立ち上がり、スタッフが揃って「いよいよ始まる」と身が引き締まった瞬間です。前職で一緒に働いた看護師・事務ら6名が声掛けに応じてくれ、現在は私を含め9名体制。信頼してついてきてくれたことが何より嬉しかったですね。

――経営者としての気づきは。

診療報酬は国が定める枠組みで、自分で価格を動かせない。1人当たりの収益は大きくないため、運用や導線、予約設計を磨いて全体最適で支える必要があると学びました。

――大事にしている価値観は何でしょうか。

人を思いやる心と、現状に満足しない姿勢です。発達障害の診断や治療薬は手続き・要件が多く時間もかかりますが、地域ニーズが非常に高い。面倒だとしても、必要ならば私たちが取り組む——その覚悟を持っています。

仕組みで強くする組織 現場起点のコミュニケーション

――チームづくりで意識していることは。

一方通行にしないこと。現場の声を日常的に吸い上げ、運用改善に反映します。診療の質とスピードを両立するには、受付・看護・医師が同じ地図を持つことが重要。役割ごとの導線や声かけ、時間予約の徹底など“仕組み”で支える文化を育てています。

――人材面の課題はありますか。

地方ゆえ採用のハードルが高い点です。患者さんの多くが私を指名して来院される実情もあり、増員の設計は慎重に進めています。とはいえ、負荷分散と専門性の拡張のため、今年度中に医師採用に動く計画です(今期から法人化)。

発達障害の受け皿を広げる 3年で1.5倍を目指す実行計画

――3年後の姿をどう描きますか。

純利益で現状の約1.5倍を目標に、医師増員と体制拡張を進めます。分院展開と本院拡張の両にらみですが、まずは発達障害領域の受け入れ強化が最優先。県内でも受診先が限られる現状を少しでも改善し、受け入れ拒否“ゼロ”に近づけたいです。

――具体的な強化ポイントは。

初診枠の設計、評価・診断プロセスの標準化、薬剤管理のオペレーション、連携先(園・学校・薬局・療育)のネットワークです。一次診療でできる最良を突き詰め、必要時は適切に専門機関へつなぐ“面の医療”を磨きます。

ドラムと資格でリフレッシュ 医師とFPの新事業構想

――リフレッシュ法や意外な一面を教えてください。

休日は自宅でドラムを叩きます。近隣に迷惑をかけにくい環境なので、全力で叩いて頭を空っぽに。もう一つの趣味は資格取得。FP3級→2級→AFP→CFPと学び、経営や税理士との議論に大いに役立っています。将来は“医師による医師向けファイナンシャルプランニング”の新事業も立ち上げたい。多忙な勤務医こそ、お金と人生設計の伴走が必要だと感じています。

――読者へひと言メッセージをお願いします。

“やると決めた時が、始め時”。開業は簡単ではありませんが、自由度が増し、地域への貢献の実感も大きい。私たちも体制を広げ、必要とするご家族に届く医療を加速させます。地域のこどもが安心して育つ未来に向け、これからも前に進み続けます。

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