TECH GUILD株式会社 代表取締役 江口 竜二氏
「個の輝きで、社会と未来を照らす」を理念に掲げ、一人ひとりにスポットライトを当て、活躍を支援。エンジニアの主体性を起点に事業を伸ばすTECH GUILD株式会社。
人材派遣領域でMVPを受賞した営業出身のトップが、IT業界で“人を起点に価値を生む”新しい組織像を描く。
今回は代表の江口氏に、SES事業を軸としながら、自社プロダクトの構想や透明性ある評価制度、そしてフラットな組織文化を基盤とした現在の取り組みと今後の展望について伺いました。
フェアで自由、横に広がる組織へ
――現在の事業内容と特徴についてお聞かせください。
主力はSESで、お客様の課題に対し、エンジニアの「やりたい」と「求められる」を高精度で結び合わせています。単なる人員供給ではなく、本人の動機が最大化される現場へのアサインを重視しています。自社のエンジニアプラットフォーム事業も開発中です。
──企業理念とビジョンを教えてください。
役職は最小限、評価や給与は透明に運用し、上下関係の厚みをつくらない。そして社員が自然と友人に“自慢”したくなる会社であることをめざしています。内外問わず、多くの「ファン」を作っていきたいです。
人に向き合い、誠実を貫く
――起業に至った背景をお聞かせください。
人材営業の現場で、人が“商品”のように扱われる矛盾を感じました。一人で支援できる人数には限界があるため、仕組みから変える必要があると考え、起業を選びました。
――仕事の目標と大切にしている価値観は何でしょうか。
ITの力で社会をより便利に、より豊かにすることです。経営資源は結局すべて「人」。だからこそ誠実であること、そして“上に立たない”リーダーでいることを自らに課しています。
――印象的だった経験を教えてください。
大手時代に年間MVPを獲得した成功体験と、不誠実に直面して学んだ教訓の両方です。どちらも「人と真正面から向き合う」経営姿勢を固める礎になりました。
フラットに聴き、必要な時に必要なだけ
――社員の主体性をどのように引き出していますか。
最初に徹底して「聴く」ことから始めます。一人ひとりの「やりたい」を言語化し、営業が実現方法を“想像”して伴走します。社内で役職呼称は使わず、目線を合わせることを大切にしています。
――コミュニケーションの方針を教えてください。
「必要な時に必要なだけ」です。常駐や状況に応じ、チャット・電話・Web面談・ランチ訪問を使い分け、いつでも相談できる環境を整えています。評価は恣意性を排し定量でシンプルに。手続きはワンストップで煩雑さを無くしています。
――最近のエピソードがあればお聞かせください。
20代の若手が当社を“推し”て友人を紹介し、入社につながりました。人が人を連れてくる循環は、理念が現場で生きている証だと実感しています。
規模拡大と自社サービスで「無視できない存在」に
――今後の事業展開についてお聞かせください。
まず規模拡大で信用を高め、サテライトとして大阪展開を検討しています。自社の“看板”となるエンジニアプラットフォームを形にし、AIやリモート常態化の時代に、技術力と透明性で不安を解消できる会社であり続けます。
――成長に伴う課題と、その向き合い方を教えてください。
営業品質の維持が最大のテーマです。急拡大は避け、入社上限を設けて一人ひとりに丁寧に向き合う方針です。退職が少ないのは、その姿勢の結果だと受け止めています。
仕事は情熱、リフレッシュは身体を動かすこと
――リフレッシュ方法について教えてください。
ジムで体を動かす時間を大切にしています。思考をいったん空にすることで、次の判断がクリアになります。正直、今はいちばんの趣味が仕事かもしれません。
――最後に、どのような組織を描いていますか。
椅子にふんぞり返るボスではなく、現場で並走するリーダーであり続けたい。エンジニアの「やりたい」に正面から向き合い、社員・お客様・社会が少しずつ豊かになる循環を、着実に大きくしていきます。そうした積み重ねの先に、私たちが“自然と自慢したくなる会社”として認知される未来を、現実にしていきたいと考えています。