ブレインハイム株式会社 代表取締役 柿田 亘様
クラウドワークの普及やDX化の進展により、企業は「勘と経験」から「データに基づく意思決定」へと舵を切っています。そんな中、ブレインハイム株式会社は中小企業を中心に、データコンサルティングと業務改善支援を提供。代表の柿田氏は、誠実さを信条に「経営に寄り添う伴走者」として多くの企業を支えています。今回は、その歩みや経営哲学、未来への展望について伺いました。
目次
データで課題を可視化し改善へ導く事業内容
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社は中小企業を中心に、データコンサルティングやDX化支援を行っています。きっかけは、知人の事業計画書を作成したことでした。数字を根拠に将来の見通しを示すことで資金調達が成功し、「データの力で経営は変わる」と確信しました。
現在は売上アップよりも、まずは適切なコスト削減や業務効率化に直結する支援を重視しています。勤怠管理や在庫・廃棄の管理を整理し、DX化で無駄をなくす。中小企業にとって身近で成果を感じやすい部分にアプローチしています。
偶然の出会いから始まった経営者への道
──経営者になられたきっかけを教えてください。
私は銀行出身ですが、最初から起業を目指していたわけではありません。知人に誘われ、副業として運用会社の立ち上げに関わったのが始まりでした。その後、その会社は閉じましたが、別事業を支援した際に「データを活用すれば企業の未来を支えられる」と実感し、法人化へとつながりました。
運と巡り合わせに導かれた部分も大きいですが、無償に近い形で取り組んだ経験が評価され、ご縁が次々と広がっていったことが現在の経営につながっています。経験の積み重ねが、自分自身の強みを形づくってくれたと感じています。
誠実さを軸にした顧客との向き合い方
――お客様との関係で大切にしていることは何でしょうか。
「データはフラットであるべき」と考えています。見せ方によって都合の良い数字を作ることも可能ですが、それでは本当の意味で企業の力になれません。だからこそ、良い結果も悪い結果も正直に伝える姿勢を大事にしています。
また、専門用語や横文字は極力使わず、相手の立場でわかりやすく説明することを心がけています。中小企業の経営者は必ずしもデータに精通しているわけではありません。噛み砕いた言葉で伝えることで、信頼関係を築いています。
ツール開発と営業強化で広がる未来
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
直近の課題は営業基盤の強化です。現在は紹介案件が中心ですが、今後は自ら営業活動を行い、より多くの企業に価値を届けたいと考えています。
また、コンサルに入る過程で「こんなツールがあれば便利だ」という声をいただくことが多いんです。そこで細やかな業務支援ツールの開発にも挑戦したいと思っています。それらを通じてデータを蓄積し、業界ごとの知見を体系化すれば、さらに効果的なコンサルティングが可能になるはずです。
中小企業が当たり前にデータを活用できる社会をつくることが、私たちの目標です。社会全体のデジタル基盤を底上げし、地域経済の持続的な成長に貢献できればと考えています。
音楽と料理で心を整える時間
――プライベートでの趣味やリフレッシュ方法はありますか。
昔からバンドをやっていたのでギターを弾くのが好きです。また料理も趣味で、普段の夕食は私が担当することも多いですね。音楽や料理で心を落ち着ける時間が、仕事への集中力を保つ支えになっています。
挑戦を恐れず踏み出すことが未来を切り開く
――これから起業を目指す方や読者へのメッセージをお願いします。
私自身のきっかけは、知人から「FX取引自動化システムをつくってみないか」と声をかけられ、未経験ながら「まずはやってみよう」と飛び込んだことでした。結果的にそれが今の会社につながっています。
完璧に準備してから挑戦するのではなく、「できそうならやってみる」ことが大切だと思います。一歩踏み出すことで、ご縁や学びが広がり、想像していなかった未来が拓けることもあります。挑戦の積み重ねが、新しい道を切り開いていくのだと実感しています。