株式会社フォーウェイ 代表取締役 仲山 洋平氏
経営者による出版を「ブックマーケティング」として再定義し、集客に直結する書籍づくりを支援する株式会社フォーウェイ。「社長の自費出版」をサービスとして提供するのではなく、リターンにこだわった経営施策として出版を進化させています。
今回は仲山代表に、事業の特徴やご自身のキャリア、組織への向き合い方、そして未来への展望を伺いました。
集客を目的とした出版サービス
――御社の事業内容を教えてください。
当社は法人向けの出版サービスを「ブックマーケティング」と呼んで展開しています。他社では自費出版や企業出版という言葉を使うことが多いですが、私たちはあくまで「集客のための出版」に特化している点が特徴です。
――具体的にはどのような強みがありますか。
例えば投資不動産業界では、出版からわずか1年で20件以上の反響があり、そのすべてが成約につながった事例があります。書籍は大量のリードを取る媒体ではありませんが、購買意欲が高い読者からの強い反響が得られるため、費用対効果は非常に高いのです。さらに書籍をきっかけにセミナーや講演への依頼が増えたり、メディア露出につながったケースもあり、ほとんどのケースで集客以上の副次的効果も生まれています。
出版業界での経験から起業へ
――これまでのキャリアについて教えてください。
新卒ではゼネコンに入りましたが、その後出版業界に転じました。前職では企業出版のリーディングカンパニーに在籍し、編集責任者として多くの案件に携わりました。200冊を超える書籍案件を担当するなかで芽生えたのが「企業出版はすばらしい。ただ、もっと良いものにできる」という確信です。
実は前職時代、高額を支払って出版したのに効果が何も出ないというクライアントは少なくなかったんです。また、企業出版の業界全体の意識が「お金をくれたら本を出してあげる」というレベルで止まっており、法人向けの広告施策としてクライアントのリターンを追求する姿勢に乏しい点に課題を感じました。
――起業に踏み切った理由は何でしょうか。
出版をあくまでも経営上の施策として捉え、著者にリターンを得ていただくことを考え抜いたサービスを提供したいという思いからです。費用をいただく以上、成果に責任を持つのが当然です。そうした考えから、自ら会社を立ち上げてブックマーケティングという概念を打ち出しました。
共存共栄を目指す経営スタンス
――経営で大切にしていることは何でしょうか。
「共存共栄」です。クライアントに利益をもたらすのはもちろんですが、弊社では編集をともにするスタッフや外部パートナーの報酬も、なるべく高水準で払うようにしています。
関係者がともに成長し成果を分かち合う。そうして当社の仕事に優秀なチームが集い、さらにクライアントの繁栄につながる。結果、弊社も事業が成長する。そういうサイクルを作ることを意識しています。
――印象に残る成功事例を教えてください。
生命保険の販売代理店さんの書籍は大きく成功しました。
発売2週間で重版となり出版自体も成功しましたが、クライアントには書籍経由で億単位の売上がもたらされています。出版をきっかけに大手企業経由の販路を獲得できたりと長期的なインパクトもとても大きく、クライアントには「想像以上の成果に驚いた」と言っていただけています。
フィードバックを重視した組織運営
――組織づくりで心がけていることを教えてください。
メンバーの仕事に対しては、できるだけ具体的に言語化してフィードバックすることを意識しています。ただ「頑張れ」と励ますだけでなく、「今どこに課題があり、どの方向に向けて努力すべきか」を明確に示すイメージです。
出版業界にはいまだに「師匠の技を見て盗む」といった職人的な気質が残っていますが、私はそうではなく、納得感を持って努力してもらう方が、成長の推進力になると考えています。
――メンバーに求める資質は何でしょうか。
最後までやり切る力です。逃げずに取り組む姿勢があれば、スキルは後から伸ばせると考えています。逆に、いくら技術があっても行動特性は後から変えようがありませんから。マインドに優れたメンバーが揃っていることが、成果につながっていると感じます。
業界トップを目指す未来
――今後の展望について教えてください。
短期的には、企業出版業界で「成功事例数ナンバーワン」を目指しています。単に件数を追うのではなく、一件一件で確かな成果を残すことを重視します。その積み重ねによって業界トップの実績を築きます。長期的には、出版を通じてご縁を頂いたクライアントと、長期的に双方が利益を生み出し続けるような仕組みを構築したいですね。
出版を通じて企業の成長を後押しし、社会全体を元気にしていくような役割でありたいです。
――プライベートでの過ごし方やリフレッシュ方法は。
筋トレや読書など自己研鑽につながる活動が中心です。一方で、外へ出て美術や広告、ファッションなどを見てまわり、時代の今を感じることも意識しています。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
本は単なる広告ツールではなく、経営を大きく変える力を持っています。出版を通じて確かな成果を実感できる企業を増やし、未来のマーケティングの在り方を切り拓いていきたいと思います。