株式会社Talenco 代表取締役 佐々木 純平氏
「前職の経験を通して、仕事とプライベートを充実させることが1人の人間として真の豊かさであると気づきました」と言葉を選ぶように語る佐々木氏。中小企業の人材を採用、育成することは、技術の継承とも捉え、中小企業の支援に挑んでいます。その熱い想いに至るまでの道のり、今後の展望について伺いました。
中小企業に寄り添った人材採用支援を
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
人材採用のコンサルティング事業を展開しています。もともとは技術を継承するにあたって人材不足が影響している実情を目の当たりにしたのがきっかけです。私も最初は知らなかったのですが、中小企業の中でも高い技術を持っている方々が多く、どうにかお手伝いできないかと思いました。知名度がないまま、抗うこともなく中小企業が衰退するのを見て、このままではいけないとも思いました。
昨今はSNSマーケティングが盛り上がっていますが、広告費や人件費を出せる会社であれば、もちろんそれも1つの手法です。ただ中小企業すべてが同じ状況かといわれると、そうではないです。弊社はこれまでの成功パターンと各社の課題やリソースをもとにカスタマイズをした支援を提供しています。
一人ひとりのしあわせや豊かさを真剣に考えた
――経営者を目指されたきっかけを教えてください。
前職は、経営コンサルティング会社に入社して、会社にも自分なりには貢献できたと思っています。やりがいもありましたし、なにより働いていて楽しかったです。弊社は人材採用の支援を中心に事業を展開していますが、その根幹として、仕事もプライベートも充実することによって活き活きと毎日を過ごせるという想いがあります。
ただ必ずしも就職先が大手企業である必要はなく、キャリアを選択するときに楽しいという軸と活躍できるかという軸が必要で、さらに言えば、企業側と人材のマッチングが円滑に進むようにお手伝いする必要があると思います。
中小企業の現状として、いくら事業の発展や拡大とはいえ、人材採用に多額な予算をおさえられない現実があります。私たちは中小企業をメインターゲットとしていますから、やはり人材採用においても宣伝、広告費に投入するというスタイルよりも、人材採用後にきちんと一人ひとりが、その環境に「定着」するような活動を行っています。
中小企業は、職人芸の宝庫
――中小企業の課題でもある「技術の継承」に注目したきっかけは?
前職ではトラックドライバーの採用や定着を目指したサポートを経験しています。私たちはどうしても無意識のうちにトラックドライバーと聞くと、失礼ながら「誰でもできそう」と思いますよね。
しかし、実際はそうではありません。超人的な仕事に近いのが実情なんです。はたから見ていて一種の職人芸でもあるなと思いました。
時代が変われば、その時代に合ったやり方を模索しなければいけません。ただその一方で、新しい変化を求めるだけではなく現在の技術を受け継ぐスタイルも大切にしていかなければいけません。
自分に制限をかけずに、可能性を無限大に
――今後の展望をぜひ、伺わせてください。
中小企業が技術を継承するために人材採用という観点からサポートしていきたい、この想いは変わりません。ただ、2つのアプローチ方法を考えています。
一つ目は「より多くの人にアプローチしたい」というよりは、「選んでくれた会社・お客様にとことん価値提供をしていきたい」ということです。自分のような人間を選んでくださったお客様に対して、深く長くお付き合いできるよう現在は人材面からの支援に注力し、サービスの拡充にも取り組んでいます。
二つ目は、せっかく法人を立ち上げた以上、やはりいろいろなことに挑戦したいという想いです。失敗も含めて、多くの経験を重ねていきたい。やりたいと思ったことをすぐに行動に移せるというのが独立の魅力だと感じています。自分に制限をかけずにチャレンジできる環境をつくりたいと思っています。