エニタイムミュージックスクール 代表取締役 岡田 勇志 氏
町田に拠点を構え、ボーカル、ギター、ピアノ、ドラムなど幅広いコースを展開する「エニタイムミュージックスクール」。マンツーマン、ペア、オンラインと多様なスタイルで音楽を楽しめる環境を提供し、2023年に法人化。現在は3期目に入り、地元での存在感を高めつつある成長中の音楽教室です。今回は代表の岡田氏に、教室のコンセプトや他校にはない“強み”、そしてこれからのビジョンについてお話を伺いました。
目次
サードプレイスのような、あたたかい音楽教室を
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
コンセプトとして「音楽でワクワクな毎日を」というメッセージを掲げています。私たちの強みは、教室の継続率が90%を超えているという点です。生徒さんが長期的に通えるように当日連絡でも振替をOKとしています。一般的な音楽教室の場合、振替は3日前までが原則になっています。お客様のライフスタイルに溶け込める教室の運営体制を意識しています。
また、レッスン室や楽器を無償で貸し出ししています。レッスンの前後で練習したい方が多いため、居残り練習も歓迎。ただ学びに来るための場所ではなく、生徒さんにとってサードプレイスになれるように運営しています。
「音楽をやめるか、続けるか」──人生の岐路から生まれた音楽教室
――経営者を目指されたきっかけを教えてください。
かれこれ15年前くらいになると思いますが、ちょうど20代半ばの頃、やはり音楽だけでは食べていくのが難しいと悟った瞬間でした。音楽を思いきってやめるか、それとも続けていくか。いわゆる人生の岐路に立った時期がありました。音楽で食べていけるためにはどうしたらいいのかを考えているうちに個人としてもレッスン業をはじめ、ちょうど音楽教室でも募集がかかったので応募もしました。「エニタイムミュージックスクール」は今、株式会社として立ち上げています。
スタッフとの関わりを大切にしながら2店舗目も目指して
――事業拡大や組織体制、今後の展望について、お聞かせください。
まだ比較的立ち上げたばかりなので、今後はやはり2店舗目を目指しています。会社として立ち上げてはいますが、今のところあまり大きな展開は検討していません。考えられる選択肢としては5店舗、10店舗と地道に増やしていくか、あるいはフランチャイズ化の2パターンですが、私としてはその間の中間的な規模を今は意識しています。もともとは地方の出身ですが、町田が好きなのでこの街で続けていけたらと思っています。
関わってもらっているスタッフの主体性を引きだすために、今、教室をあげて取り組んでいるのはイベント作りです。あとは生徒さんとの交流会も大切にしています。2ヶ月に1回は開催していますね。
音楽は、人生を豊かにしてくれる
――音楽教室を続けていて「よかったな」と思うことがあれば教えてください。
長い間、音楽を教える立場として関わっていると、一人ひとりの「成長」に触れる機会が必然的に大きくなります。最初、教室に来たときは小学生だった子が一緒にお酒を飲めるようになったとか、会社員だった人が定年退職されたとか、その人の物語に触れる瞬間が訪れます。みなさん経営者さんはよくおっしゃいますが、やはり音楽を通して豊かな人が増えてくれたらと思います。音楽をはじめたことによって幸福度が上がっている…そんな瞬間を見るたびに私も価値を提供できていると思えるのです。
いつかは、自分磨きの時間をご褒美として
――経営者として大変なときはありますか?ぜひ、エピソードを教えてください。
他の先生方から見たときに私は当然「経営者」として見られます。しかし、私自身は経営者である前に原点でもあるプレーヤーとして生きていたいという想いがあります。アドバイスをするときも説得力に欠けたくはないと思っています。
ところが実際はプレーヤーとして知識、スキルをインプットする時間がなくなってきています。将来的にはマネージャーを入れて、自分自身を磨く時間をとりたいと思っています。マネージャーを入れるタイミングは、もちろん2店舗目をつくるときですね。

