株式会社KIRARU 代表取締役 小森聡子氏
株式会社KIRARUは、ピラティスを中心に「動く・休む・取り入れる」の三本柱で健康を支える事業を展開しています。代表の小森氏は、20年以上にわたり健康指導に携わり、地域住民から法人、医療機関まで幅広くサポートを広げてきました。今回は、同社の事業内容、経営の原点、組織運営の工夫、今後の展望、そして小森氏自身の価値観について伺いました。
体を整える三本柱の事業展開
――現在の事業内容について教えてください。
当社はピラティススタジオの運営を中心に、健康支援を幅広く行っています。大きな柱は「動く・休む・取り入れる」の三つです。ピラティスを通じて体の機能改善を図るだけでなく、筋膜リリースやオイルトリートメントといったケアを提供しています。さらに、酵素や薬草などインナービューティーの要素を取り入れることで、身心両面から健康を支える仕組みを整えています。
法人向けには、企業の福利厚生としてのピラティス導入や、医療機関・保育園での出張講座を展開しています。社員の健康づくりが生産性向上につながるという点で、多くの経営者からも関心をいただいています。
独立心が導いたキャリアと挑戦
――経営者としての道を歩まれたきっかけは。
20歳でスポーツインストラクターとしてキャリアをスタートし、公共施設で健康指導に携わりました。その後、地域の健康増進事業を通じてパーソナルトレーナーやピラティスに出会い、23歳でフリーランスへと転身しました。当時は日本でピラティスの知名度が低く、独学で学びながらお客様に指導を重ねてきました。
やがて東京でスタジオ運営を任されたことが経営者としての大きな転機となり、地元 九州に戻って2009年に熊本で自身のスタジオを立ち上げました。開業当初は運動に対価を支払うことや自己投資への意識を向けることが少ない時代で、経営は苦労の連続でしたが、東京出張レッスンにおいても10年以上通い続けてくれた顧客や地域の支えがあったことで事業を継続できました。挑戦を続ける中で「健康は社会全体の基盤である」という信念が一層強まり、現在の事業に結実しています。
個性を尊重する組織づくり
――社員やスタッフとの関わりで大切にしていることは。
かつては全てを自分で完結させてしまい、スタッフに頼ることは出来ませんでした。また自分の仕事に対する姿をみて真似て学んで頂く形を取っていましたが、スタッフたちにとってはプレッシャーとなることもありました。しかしその経験から学び、今は一人ひとりの個性を尊重し、それぞれが自分らしい指導スタイルを発揮できるようサポートすることを心がけています。
社員数は多くありませんが、理念を共有することで自然に同じ方向を向ける組織づくりをしています。挑戦を楽しみ、未知を前向きに受け入れる文化を築くことが、結果的にお客様への価値提供にもつながっていると感じています。さらに、20代から60代までのピラティスインストラクター資格保持者が在籍することで、年齢に伴う悩みなどのカウンセリングにも対応できるような体制をとっており、安心して信頼できるサービス提供を徹底しております。
全国展開と人材育成への思い
――今後の展望を教えてください。
目標は「自分の体を自分でケアできる人を増やす」ことです。インストラクター養成を通じて、単なる資格取得にとどまらず、幅広い年代の人が体を理解し、健康を維持できるような学びを提供したいと考えています。実際に高校生が受講する例もあり、若い世代にとっても大きな成功体験につながっています。
今後3年間で売上を1.5から2倍に伸ばすことを目指し、全国各地に認定校を増やす計画です。地域に根ざした拠点を広げることで、健康支援の輪をさらに大きくしていきたいと考えています。課題はまだ「認知度の不足」にあり、今後はSNSやLPの活用を強化し、アウトバウンド営業だけでなく顧客から自然に選ばれる仕組みを構築していく予定です。
日常に溶け込むリフレッシュの時間
――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。
私にとっては、事業そのものを考える時間がリフレッシュになっています。自分のサービスをどう広げるか、どのように価値を提供できるかを考えているときが一番楽しいです。
また、信頼のおけるセラピストによる施術を受けることも日常の一部です。心身を整えることで、新しい発想や挑戦へのエネルギーが湧いてきます。こうした小さな積み重ねが、仕事にもプライベートにも前向きな影響を与えています。今後も「無知を恐れず未知を楽しむ」という信念のもと、自ら学び挑戦を続け、より多くの人々に健康の価値を届けていきたいと考えています。

