「個」の技術を結集し、業界の未来を拓く。シューズ・スタジオ合同会社が描くサステナブルな協業の形

シューズ・スタジオ合同会社 代表 辻あゆみ 氏

「使い捨て」が主流となりつつある現代社会において、「良いものを永く大切に使う」という価値観を支える企業があります。熊本県を拠点に、高級靴やバッグの修理・クリーニングを手掛けるシューズ・スタジオ合同会社です。卓越した技術力を武器に顧客から厚い信頼を集める一方、職人同士が対等に連携する「協業ネットワーク」という新しい組織の形を模索しています。代表に、事業の特色と経営哲学、そして業界の未来像を伺いました。

高級靴とバッグを蘇らせる技術と品質

――現在の事業内容と特徴について教えてください。

弊社は靴やバッグの修理とクリーニングを専門としています。もともとは靴の衛生面を保つ「クリーニング」からスタートしましたが、時代のニーズを踏まえ、現在は高級ブランド品に特化しています。安価な製品を使い捨てる消費スタイルもある一方で、10年、20年と大切に使い続けたいというお客様も確実に存在します。私たちは後者をメインターゲットにしています。

そのために何より重視しているのは「技術力」と「品質」です。革の塗料一つをとっても信頼できる業者から仕入れ、妥協を許しません。新しい資材や技術を常に探求し、「できない修理を一つでも減らす」ことを信条に、お客様の期待を超える価値を提供しています。

独立と逆境を経て得た経営哲学

――この道を選ばれた経緯を教えてください。

知人がこの仕事をしていたことがきっかけで、福岡の会社に就職し技術を学びました。その後リーマンショックの影響を受けつつも、勤務先の熊本店を買い取る形で独立しました。熊本地震やコロナ禍、物価高騰など幾多の困難もありましたが、常にお客様と真摯に向き合うことで乗り越えてきました。

――仕事において大切にされている価値観は何でしょうか。

「お客様の満足度を最大限に高めること」です。そのために自らの技術を磨き続けることを怠りません。以前、勤めていた会社で上場を目指す経験を通じ、事業を数字で分析し未来を描くことの重要性を学びました。需要がなくならない業界だからこそ、目先にとらわれず誠実に取り組む姿勢を大切にしています。

職人が連携する「協業ネットワーク」

――事業拡大における組織運営の考え方を教えてください。

この業界では雇用という形が馴染みにくいと考えています。職人は技術を習得すれば独立を志すのが自然であり、人を抱えるほど固定費も増えます。そこで目指しているのが「一人社長」のネットワークです。

――具体的にはどのような仕組みですか。

例えば熊本市をエリアごとに分担し、それぞれの職人が担当する。苦手な作業は得意な職人に依頼し合い、複雑な修理もチームで高品質に仕上げる。お互いの強みを活かし、弱みを補い合う「協業」です。

また、独立を希望する人材にはパート勤務を通じて技術を学んでもらい、仕入れ先の紹介まで含めて独立を支援します。その上で対等なパートナーとして共に未来を築いていきたいと考えています。

熊本から全国へ広がる未来展望

――今後の展望についてお聞かせください。

まずは熊本を基盤としつつ、将来的には都市部に受付窓口を設けることも検討しています。ただし店舗展開ありきではなく、あくまで「協業ネットワーク」が基本です。

新規事業よりも、革製品修理という専門分野をさらに深めたい。ブランド中古市場の活況も追い風となり、修理需要は今後ますます拡大すると見ています。その中で確固たる地位を築くことが目標です。

――課題は何でしょうか。

認知度の向上とパートナーとの信頼関係の構築です。YouTubeで修理のビフォーアフターを発信し、品質を視覚的に伝える取り組みを始めました。さらに、職人同士をライバルではなく「市場を共に創る仲間」と捉え、技術水準や価格を統一することで、業界全体を盛り上げたいと考えています。

猫と学びに支えられる経営者の素顔

――リフレッシュ方法を教えてください。

自宅で飼っている5匹の猫と過ごす時間が一番の癒しです。また、韓流ドラマをきっかけに韓国語の勉強を始め、近いうちに韓国を訪れたいと思っています。

――経営に影響を与えた人物はいますか。

特にいません。誰かを模倣するのではなく、自分自身の経験と信念を基に、お客様にとって最善の道を切り拓いてきました。これからも、独立した職人が誇りを持ち、生涯輝ける新しい生き方を仲間と共に築いていきたいと思います。

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