思い出を、手のひらサイズに。株式会社えんぷれあが描く、祈りの文化の未来とは

株式会社えんぷれあ 代表取締役 稲垣亘佑氏

伝統的な仏壇をミニサイズの仏壇に生まれ変わらせる「結壇(Yudan)」を展開する株式会社えんぷれあ。稲垣代表は、祖父の代から受け継いだ仏壇製造の技術と自身のEC経験を活かし、新たな市場を切り拓いています。そこには、祈りの文化を未来に残したいという想いと、地場産業への危機感が込められています。

祈りを未来へ——「結壇」が生み出す新しい価値

――現在の事業内容とその特徴について教えてください。

弊社は仏壇リメイクサービス「結壇」を展開しています。父が営む静岡の「有限会社稲垣塗装所」が製造を担い、販売をえんぷれあが担当しています。大きな仏壇の一部を用い、手のひらサイズのコンパクトな形へ生まれ変わらせるのが特徴です。黒檀や紫檀、漆塗りといった貴重な素材を活かせる点も強みです。

理念は「祈りの文化を現代に合わせて未来へ残すこと」。核家族化や住環境の変化で仏壇離れが進む一方、人を想う心は変わりません。形を変えて受け継ぎ、次世代につなぐことが使命です。さらに、静岡の職人に新たな仕事を生み出し、伝統技術を守る役割も担っています。

――業界における独自性はどこにあるとお考えですか。

「仏壇を思い出ごと残す」点です。買い替えではなく、受け継いだ仏壇を小さくして手元に残せる精神的価値を提供しています。介護施設の入居者様が遊壇をそばに置けるようになり、涙を流して喜ばれた事例もありました。現代の暮らしに寄り添える柔軟さが大きな強みです。

母への祈りと、家業の危機感から始まった挑戦

――この事業を立ち上げられた経緯を教えてください。

きっかけは二つあります。ひとつは、祖父の代から続く稲垣塗装所が仏壇離れで苦境にあったことです。父や職人たちが困っている姿を見て、自分のEC経験を活かし販路を開拓できないかと考えました。

もうひとつは私自身の体験です。幼い頃に母を亡くし、実家の仏壇に手を合わせることが心の支えでした。祈る行為が人を救う力を持つことを知り、文化が失われることに強い危機感を覚えました。「現代に合った形で祈りを残したい」と願ったのです。

――今後の夢や目標についてはいかがでしょうか。

まずは「結壇」を全国に広め、仏壇に悩む人々にとって自然に選ばれる存在にしたいです。長期的には「祈りの文化を親から子へ、子から孫へ繋げる社会」を実現すること。そのきっかけを生み出すのが私の夢です。

共創で地域を支え、顧客に寄り添う

――組織運営で大切にしていることを教えてください。

現在は私一人で会社を運営していますが、専門分野は外部パートナーと協力しています。その際に重視しているのが「地域への貢献」です。結壇のウェブサイト制作は、静岡で活動する主婦や移住女性の団体にお願いしました。スキルを活かしたい方々と共創し、地元を元気にすることを大切にしています。

――印象に残っているお客様とのエピソードはありますか。

高齢者施設に入居する際、仏壇を持ち込めず悩んでいた方がいました。結壇をお届けすると「これなら部屋に置ける。毎日手を合わせられる」と涙を流して喜んでくださったのです。その姿に、私たちの仕事が人の心の拠り所を守れるのだと強く感じました。

多様化する祈りの形に応える挑戦

――今後の事業展開について教えてください。

新たに二つの展開を準備しています。一つは、仏壇の一部を使ったメモリアルプレートの制作。価格を抑え、より多くの方に手軽に祈りの文化を届けたいです。もう一つはECサイトを通じた新品仏壇の販売。リメイクと合わせて、仏壇に関する悩みにワンストップで応えられる存在を目指しています。

――業界全体の将来をどう見ていますか。

仏壇やお墓のあり方は変化していますが、需要がなくなるわけではありません。供養や祈りの形が多様化しているだけです。固定観念にとらわれず、個人の想いに寄り添った提案を続けることが必要です。私たちはその先駆者として新しい祈りの形を示し、業界を活性化させていきたいと考えています。

家族に誇れる仕事を未来へ

――経営や人生において大切にしている価値観を教えてください。

根底にあるのは「祈りの文化を残す」という使命感ですが、同時に「家族に誇れる仕事をする」という想いです。

――最後に、プライベートのリフレッシュについて教えてください。

1歳8ヶ月の子どもがおり、9月には2人目が生まれる予定です。子どもと過ごす時間が何よりのリフレッシュ。笑顔を見ると疲れも吹き飛びます。この子たちが大きくなった時に「お父さんは大切な想いを未来に繋ぐ仕事をしている」と胸を張って言えるように、事業を次世代へと受け継いでいきたいです。

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