株式会社ZEKA 代表取締役 川原 航平氏
創業3期目のZEKAは、化粧品・食品を中心にBtoC/BtoBの両輪でプロモーションとマーケティングを一気通貫で支援しています。全員フルリモートの精鋭チームでありながら、大手案件でも選ばれる存在です。次の挑戦は、企業の“ナンバー2”に光を当てるインタビューメディアと採用支援サービスです。今回は、独立の背景から組織運営、そして新事業の狙いまでを伺いました。
会社の強みと事業の広がり
――御社の事業全体像を教えてください。
企業の課題に合わせて、戦略設計やブランディングからマス・デジタル・店頭・キャンペーンまでを一気通貫で提供しています。BtoCもBtoBも半々で、特に化粧品と食品メーカーの案件が多く、ブランドや案件の全体設計、パッケージや販促物の制作からメディア出稿、実施後の改善まで幅広く支援します。
――体制や働き方の特徴は何でしょう
2023年設立で、私を含め4名体制です。デザイナー、制作調整、業界特化の担当者が在籍し、全員がフルリモートで働いています。案件ごとに外部パートナーも柔軟に組み合わせ、10社以上と協働する大規模キャンペーンも調整可能です。
――“選ばれる理由”を一言で言うと。
目的から逆算した設計と、裏方を一手に担う伴走力です。クライアントが本来注力すべき業務に集中できるよう、細部まで調整を引き受ける点を評価いただいています。
独立を選んだ理由と大切にする価値観
――なぜ独立を選ばれたのでしょうか。
大手2社で経験を積みましたが、効率化優先で“本気の挑戦”が埋もれることに葛藤を覚えました。規模や売上だけでなく、真剣に取り組む経営者と並走し、自分も120点を出せる環境を作りたいと思ったのが独立の動機です。
――創業後、印象に残った出来事は。
前職からのご縁で声をかけていただき、信頼を引き継げたこと。さらに大きな企業からの依頼で同業大手とのコンペで採択されたときは小さな、歴史の浅い企業でも戦えることを実感しました。自らの提案力やスピード感が、規模の差を超えられるのだと確信した瞬間です。
――苦い経験もあったとか。
広告費の前払いと入金の遅れで資金繰りに悩んだことです。1案件で10社以上と連携することもあり、ファイナンスと段取り力の重要性を身をもって学びました。創業期は資金繰りに奔走しましたが、その経験が現在の堅実な運営姿勢につながっています。
リモートで機能するチーム運営
――チーム運営で心がけていることは。
リモートでも“同じ地図を持つ”ことです。役割を明確にし、情報をフラットに共有します。外部パートナーの活用で社員の負荷を適正化し、成果に集中できる体制を整えています。雑談の時間やオンラインミーティングを意識的に設け、孤立感をなくす工夫もしています。
――現状の課題は。
私が営業と実行の両方を担っており、受注後にリソースが逼迫する点です。固定費を増やしにくいフェーズなので、副業人材や業務委託をうまく取り入れながら体制を補っています。今後は営業を担える人材を迎え入れるか、外部のパートナーと連携するなど新たな仕組み作りが課題です。
新サービスで描く未来像
――新たな取り組みについて教えてください。
秋から冬にかけて、企業の“ナンバー2”に光を当てるインタビューメディアを軸にした採用支援サービスを始めます。取材内容をもとに求人票を作成し、募集運用から面接直前まで伴走する仕組みです。採用コストが年収の3分の1以上になるケースもある中、成果報酬型で現実的な解決策を提示します。
――3年後の目標を教えてください。
売上を現在の4倍にすることを目指しています。既存事業を2倍、自社サービスでも2倍の成果をつくり、両輪で成長させたいです。特に採用領域は市場課題が深刻化しているため、ZEKAとして新しい標準を打ち出せると考えています。
家族とともに歩む経営者としての姿
――仕事以外でのリフレッシュはありますか。
今年誕生した子どもと過ごす時間がいちばんの癒しです。家庭環境の変化が自然と働き方をアップデートさせ、日常的に子どもに関われるよう意識しています。家庭での役割が増えることは、人として、そして経営者としての視点にも新しい気づきをもたらしました。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
挑戦の“始めどき”は、迷いながらも一歩を踏み出した瞬間です。規模ではなく本気度で勝負できる余地はまだ多く残されています。私たちは企業の物語を光らせるプロモーションと、人と仕事をつなぐ採用支援で、その一歩に伴走していきます。

