Personal Body Management株式会社 代表取締役 小西基治氏
福岡を拠点に、地域密着型のパーソナルトレーニングジムを展開するPersonal Body Management株式会社。
代表の小西基治氏は、幼少期の病弱な体験をきっかけに運動の力を信じ、アスリートを経て経営者の道へ進みました。
フィットネスを通じて人々の健康と人生に寄り添う同社の取り組みと、今後の展望について伺いました。
目次
医療とフィットネスの架け橋として、地域の健康寿命に貢献
――現在の事業の概要と、理念について教えてください。
弊社では、福岡市内を中心にパーソナルトレーニングジムを2店舗、高齢者向けの運動施設を1店舗展開しています。創業から14年、富裕層向けとされがちなパーソナルトレーニングのイメージを払拭し、地域に根差した健康支援を実践してきました。
企業理念として掲げているのは、「医療とフィットネスの架け橋となる」こと。多様化する健康課題に対し、専門的な運動指導を通じて人々の生活を豊かにする。それが私たちの存在意義だと考えています。
最近では、企業の健康経営への取り組みをサポートする機会も増えています。例えば某大手企業様とも3年連続でお取引があり、リアル・オンライン・メールを駆使したパーソナルなアドバイスが高く評価されています。私たちが重視しているのは、単なるダイエットや筋力向上ではなく、「人生の質を高める」運動の提案です。
幼少期の闘病が、フィットネスの道を拓いた原点に
――小西さんご自身がこの道に進まれたきっかけを教えてください。
幼少期、私は小児喘息を患い、入退院を繰り返していました。父が生薬や漢方の仕事をしていたことから、薬だけに頼らない「運動療法」に触れる機会がありました。実際に体を動かすことで体調が改善し、「運動は人生を変える力がある」と実感しました。
大学では経営情報学を専攻しながら、スポーツクラブでアルバイト。運動によって人が元気になっていく姿に魅了され、「この道で生きたい」と強く思うようになりました。
卒業後はスポーツクラブに就職し、マネージャーに昇進。しかしリーマンショックの影響で会社が撤退を決めた際、福岡に残るか悩みました。そんな中、「小西さんに続けてほしい」とお客様からいただいた言葉が、独立を後押ししてくれました。この声が、私の人生の大きな転機となりました。
社員の主体性を育む仕組みと、再びつながりを築く挑戦
――組織運営において大切にされていることはありますか?
フィットネス業界は個人プレーになりやすい仕事です。だからこそ、社員同士がつながる場づくりが重要だと考えています。毎週土曜の夜には全社員が参加するミーティングを開催しており、遠方や子育て中のスタッフはオンラインでの参加もOKとしています。この時間には別途手当を支給し、「これは会社と自身の未来を築く大事な時間だよ」と明確なメッセージも込めています。
一方で、コロナ禍以降、対面での交流が減ったことに課題を感じています。私たちの仕事は「人と人の信頼関係」で成り立つため、直接の関わりをどう再構築していくか。今後の大きなテーマですね。
社員には「人の人生を変える」という自覚を持ち、常に学び続ける姿勢を求めています。プロとしての誇りを持ち続けられる環境を整えることが、経営者としての責務だと思っています。
トレーナーが一生涯活躍できる社会へ
――今後の事業展開とビジョンを教えてください。
今後は「健康経営アドバイザー」の資格を活かし、企業向けの健康支援をさらに強化していきたいと考えています。運動指導だけでなく、コンサルティング的な役割も担えるようになることで、トレーナーの活躍の幅も広がるはずです。
また、地域の健康増進にも力を入れていきます。自治体や地域団体と連携し、測定会や健康セミナーを開催することで、福岡の健康寿命の延伸に貢献したい。私たちの仕事は「健康を届けること」。その使命を忘れず、個人から企業、地域社会へと働きかけを広げていきたいですね。
運動と社会貢献、どちらも人生に欠かせない情熱
――経営以外で情熱を注いでいることや、リフレッシュ方法を教えてください。
リフレッシュにはやはり「体を動かすこと」です。今でも空いた時間があれば運動をしてリフレッシュしています。また、美味しいものを食べるのも好きで、運動とのバランスを意識しています。
経営以外で情熱を持っているのは、地域への健康貢献活動です。高齢者の方々が自立して生活できるよう、運動習慣を広める活動に積極的に取り組んでいます。これは自分の原点である“運動がもたらす可能性”を、社会に還元するためのライフワークだと感じています。
今後も、運動を通じて地域と人の未来をより良いものにしていけるよう、一歩ずつ着実に歩みを進めていきたいと思っています。健康で前向きな社会の実現に向けて、挑戦はこれからも続いていきます。

