株式会社プププ 代表取締役 明石泰士氏
「アパレル業界に未来はない」――そう感じた瞬間に、あえて皮肉と遊び心を武器にブランドを立ち上げた経営者がいます。株式会社プププの代表です。
Tシャツやソックスといった日常的なアイテムを中心に展開。最近では海外イベントも積極的に取り組み、国境を越えてファンコミュニティを形成してきました。
そこには「他者と比較しない」という独自の経営哲学があります。
本記事では、事業の特徴や代表のキャリア、組織づくり、未来への展望、そして経営者としての価値観について詳しく伺いました。
独自の販売スタイルと「面白み」を軸にした事業展開
――現在の事業内容とその特徴について教えてください。
当社はアパレル製品の企画・販売を行っています。主力商品はTシャツやソックス、パーカーなどの日常的に使えるアイテムです。ECサイトもありますが、基本は国内外でのオフラインイベントに特化しており、台湾やタイ、香港など月1回のペースでポップアップを開催しています。
――理念やビジョンはどのように考えていますか。
ファッション業界のトレンドに消費されていく循環に嫌気がさしていました。その為、理念を厳密に定めるよりも「面白みがあるかどうか」を大切にしています。業界を皮肉る遊び心から始まったブランドですし、元々事業として成り立たせようと考えていなかったので、売上やノルマを追うことはしません。自分が面白いと感じるものを形にし、共感してくれる方に届ける。それが結果として事業の継続につながると考えています。
経営者の歩みと「比較しない」信条
――どのような経緯で経営者になられたのでしょうか。
アパレル業界で会社員をしていましたが、未来がないと感じ退職しました。その反骨心と遊び心から、業界を皮肉るブランドを立ち上げたのが始まりです。
――経営において大切にしていることは何ですか。
「他者と比較しない」ことです。売上や規模を追いかける他社競争に参加せず、自分が面白いと思えることに集中しています。事業が大きくなる要因はタイミングと運の側面も大きいと考えているので、ポジティブな波を掴むその時が来るまで、虎視眈々と準備をしていくだけだと考えます。常に比較するのは過去の自分です。
一人社長だからこそ実現できる柔軟な体制
――組織体制について教えてください。
社員は私一人だけです。イベント運営や制作は外部のパートナーに委託しています。
――社内文化はどのようなものですか。
「真面目にふざける」という姿勢です。協力してくれるパートナーもこの考えに共感してくださり、自由で創造的な関係を築けています。
アパレルを超えて挑む新規事業と海外展開
――今後の事業展開について教えてください。
アパレル事業は引き続き海外イベントを積極的に展開し、成長を目指します。各国イベントをスポンサーいただく企業様との連携も生まれ、来年はコラボレーション等も予定しており、新たなマネタイズの可能性を感じています。そして現在は別会社で世界初の特殊性能を持つコンドームを開発しています。医療品として認可取得が必要ですが、東南アジアを中心に大きな可能性があると確信しています。
――課題とその対応についてはいかがですか。
アパレル事業では「限られた人材のリソースで成果を最大化すること」、新規事業では「ファイナンス」が課題です。融資や出資など多様な手段を検討しています。
経営者としての哲学と読者へのメッセージ
――経営においての信条を改めて教えてください。
「他者と比較しない」ことです。メディアには派手な成功事例が溢れていますが、落ち込む必要はありません。自分にあるリソースをどう活かすかが大切です。
――プライベートの過ごし方を教えてください。
最近はじめてのぎっくり腰を経験したので、接骨院に通っています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
他人と比べるのではなく、自分の道に集中してください。そして、皆さんぎっくり腰には気をつけて下さい。仕事がストップしてしまいます。

