株式会社Tigre・HosBizセンター 代表取締役 平本 靖夫 氏
「私の使命は、中小企業や小規模企業が持続的に成長できる環境をつくることです」──そう語るのは、1974年創業以来、経営支援の現場で数々の企業と向き合ってきた平本氏。豊富なノウハウや教材、ツールを駆使し、企業の成長を後押ししてきた平本氏の挑戦は、今なお進化を続けています。本記事では、平本氏自身の言葉を通して、キャリアの軌跡、事業の展開、そして未来への思いを紹介します。
目次
小規模、中小企業向けの経営支援をメインに
──まずは事業概要を教えてください。
私たちの会社は、小規模・中小企業向けの経営支援を専門にしています。特徴としては、私自身の52年間の経験をベースにした教材やツールが非常に充実していることですね。
経営コンサルファーム方式で、チーフ1名、専門家約20名ほどで運営しています。私が直接支援に入ることも多いのですが、年齢的なこともあり、最近は若手経営支援家やインターンにノウハウを移管することにも力を入れています。
とくに小規模企業では、コストを抑えながらも実戦的な支援が求められます。だからこそ、私たちは経営分析や利益計画、キャッシュフローの管理ツールなど、実務で役立つ教材を整備してきました。
実戦的な経営改善が可能なツールを
──具体的に、どんなノウハウやツールがありますか?
たとえばエクセルで作った経営分析ツール(ビジネスドック)や、利益計画、キャッシュフロー計算ツールがあります。それから、中小企業向けのボード型マネジメントゲームも提供しています。35年以上蓄積してきた教材や事例はクラウドで管理しており、現場ですぐに活用できるのが強みです。こうしたツールを活用することで、企業は限られた時間とコストの中でも実戦的な経営改善が可能になります。
自身の経験から、小規模企業の力になりたい
──平本さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
私は1974年に起業しました。それからずっと、中小企業の現場で経営支援を続けてきましたね。バブル期までは比較的順調でしたが、リーマンショックの時には多くの企業が厳しい状況に置かれるのを目の当たりにしました。2011年の東日本大震災では、地域経済や産業構造が大きく変わるのを実感しました。そして、コロナ禍ではそのインパクトは強烈でした。
そうした経験を踏まえて、近年は特に小規模企業に焦点を当てています。さらにAIやWEBマーケティングの活用も始め、時代の変化に対応しながら、次世代へのノウハウ継承も意識しています。
クルーやインターンへの教育も強化
──今の会社で一番大きな課題は何でしょうか?
主に三つですね。まずは受注創出、新規顧客の獲得でそのための商材開発です。次に市場開発。特にWEBマーケティングの具体事例がまだ十分ではありません。そして最後は、人財育成(後継者創り)で限られた業種しか蓄積されていない人財育成のノウハウを、幅広い業種にも適用できるようにすることです。これらの課題を解決すれば、より多くの企業に価値ある支援を提供できるようになります。そのために、クルーやインターンへの教育も強化しています。
自分の想いを次世代に伝えながら社会づくりに貢献
──今後、平本さんはどのような目標を持っていますか?
まず、「理念経営道」の普及です。そのために、5年以内に会社の年商を2億円以上にすることを目標にしています。条件が整えば5億円も視野に入れています。そして、私自身が引退しても経営支援が継続できる組織体制をつくることも重要です。その存在理念を明文化したのが「理念経営道実戦教本」「理念経営道・入門」です。
さらに、若手経営支援家やインターンへのノウハウ継承も欠かせません。単に教えるだけではなく、実務の中で経験を積んでもらいながら、経営の本質や現場での判断力も身につけてもらいたいですね。私の知見を次世代に伝えることで、中小・小規模企業が持続的に成長できる社会づくりに少しでも貢献できれば、それが何よりのやりがいです。
経営は数字だけではない
──これから経営者や起業家を目指す人に向けて、一言お願いいたします。
経営は数字だけではなく、経営者の「人間の器」や、人との関わりや経験からも学ぶことの方が多いです。失敗も成功も含めて、自分自身の学びとして吸収してほしいですね。そして、常に柔軟に時代の変化に対応することが、長く続く企業をつくる秘訣です。