株式会社ストロングジャパンホールディングス 代表取締役 寺本雄平
株式会社ストロングジャパンホールディングスは、フィリピン・セブ島で学校法人を運営し、初心者から親子まで幅広く受け入れる教育事業を展開しています。代表取締役の寺本雄平氏は「日本人が海外に挑戦するハードルを下げたい」という理念のもと、0円留学という独自の仕組みを築いてきました。創業から9年で140名規模に成長した同社の歩みと、未来への挑戦について伺いました。
教育事業で海外挑戦のハードルを下げる
――御社の事業内容について教えてください。
当社はフィリピン・セブ島で学校法人を運営しており、非英語圏の方々が安心して英語を学べる環境を整えています。特に力を入れているのが「0円留学」です。コールセンターやBPOセンターでのインターン業務と英語学習を組み合わせることで、金銭的負担を大幅に軽減しながら留学ができる仕組みになっています。
他にも、親子留学を可能にするためにグループで保育園を運営していたり、初心者向けの手厚いサポート体制を整えたりと、幅広い方に挑戦していただける環境を用意しています。企業ミッションは「日本人が海外に出る際のハードルを最大限ゼロに近づけること」であり、住居・言語・費用といった障壁を取り除くことを目指しています。
教員免許から経営者へ、挑戦の原点
――経営者になられたきっかけを教えてください。
大学時代に教員免許を取得しましたが、教育実習を経験する中で、教師になる自分の姿を描くことができませんでした。ただ「自分で学校をつくりたい」という気持ちは残っていました。セブ島に渡ったのは転職がきっかけでしたが、そこで留学ビジネスと出会い、「この形であれば学校経営に挑戦できる」と思い、起業を決意しました。
――これまでで最も印象的だった出来事は何でしょうか。
やはりコロナ禍です。渡航が不可能となり、留学事業は売上ゼロの状態が2年以上続きました。多くの語学学校が閉鎖される中、当社は併設していたコールセンター事業に軸足を移し、現地に残る日本人スタッフを雇用することで危機を乗り越えました。事業の多角化と雇用創出が、会社を支える大きな力になったと感じています。
組織を動かす「共通のゴール」と役員陣の力
――社員との関わりで意識していることを教えてください。
現在は約140名の組織に成長しています。社員が主体性を持って取り組むために、共通のゴールを常に示すようにしています。全員が同じ方向を向くことで、挑戦や改善が積極的に行われる雰囲気が生まれると考えています。
また、多事業展開を可能にしているのは役員陣の存在です。私が立ち上げを担い、ある程度軌道に乗った段階で役員が引き継ぎ、1から100へと事業を拡大していく。このサイクルがあるからこそ、教育、不動産、飲食、人材などの事業を同時並行で展開できています。
「0円留学」を世界に広げる挑戦
――今後の展望について教えてください。
短期的には0円留学の受け入れを安定的に拡大することが課題です。毎月3〜5名の受け入れを目標としていますが、仕事の供給が追いつかない状況があります。日本企業からの受託業務を増やし、安定的に提供できる仕組みを整える必要があります。
長期的には、セブ島で築いたモデルを海外に広げたいと考えています。次の拠点はヨーロッパのマルタを予定しており、学校とBPOセンターを併設することで0円留学を実現したいと思います。世界中に同様の仕組みを展開し、誰もが国境を越えて学び、働ける環境を整えていきたいと考えています。
経営者としての価値観とリフレッシュ方法
――経営において大切にしている価値観を教えてください。
「関わるすべての人を豊かにすること」です。顧客、社員、取引先、そのすべてが幸せになることを意識して経営しています。
――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。
バイクに乗るのが好きで、走りながら頭を整理したり自然の中でリフレッシュしたりしています。フィリピンでは交通事情のリスクから乗りませんが、日本では大切な趣味です。ゴルフもそこまで多くはないですが、気分転換として楽しんでいます。
――最後に、これから起業を目指す方にメッセージをお願いします。
海外に挑戦するハードルは決して高くありません。0円留学をはじめとした仕組みを活用すれば、一歩を踏み出すことができます。これからも日本人が安心して海外に挑戦できる環境を広げていきたいと思います。