imeister株式会社 代表取締役 小川 和哉 氏
お客様の10年後、20年後の未来を見据えたファイナンシャルプランニング(FP)を提供する「Mクリニック」。北海道・札幌を拠点に、保険、不動産、資産運用まで幅広く対応し、地域密着型のサービスを展開しています。今回は、代表・小川氏に会社設立の経緯や経営理念、今後の展望について詳しく伺いました。
オールジャンルで人生をサポート
――まず、現在の事業内容について教えてください。
Mクリニックを立ち上げたのは2010年。背景には、「お客様に本当に寄り添うFP業務をしたい」という強い思いがありました。当時は、いわゆる保険会社や代理店のFPが主流で、理想とするサービスは存在しなかった。ならば自分で作ろうと考えました。
保険に限らず、不動産、資産運用まで幅広く対応するオールジャンルのFPサービスを提供することが、同社の大きな特徴です。地域密着型で定期的にコラム配信やセミナー開催も行い、初心者でも参加しやすい環境を整えています。
10年後、20年後の未来を考える
――経営者として大切にされている価値観はありますか?
経営者になった理由は代表になりたくてなったわけではなく、望む就職先がなかったため自然な流れで経営者になったのです。
私自身が大切にする価値観は、地道な努力の積み重ね。目先の利益を追わず、10年後、20年後にお客様が喜ぶ提案を重視しています。AIの発展により簡単なFP相談は自動化される時代でも、人間ならではの提案内容の実行支援を提供することがMクリニックの強みです。
社員の本音に寄り添いながら
――現在のチーム体制についてはいかがですか?
社員の主体性を引き出すため、弊社では「やりたいことをやってもらう」「やりたくないことは押し付けない」方針を徹底しています。社員間のマッチングを行い、それぞれの能力を最大限に発揮できる体制を整えています。
社内コミュニケーションでは、踏み込みすぎず適度な距離を保ちながら、開示してくれる社員には柔軟に対応。文化としては「ドライだが、個々の配慮が行き届いた環境」と表現できると思っています。
AIでは提供できないきめ細やかなサービスを提供
――今後の展望について教えてください。
Mクリニックでは、現在全国のFPと協業し、それぞれが得意分野を伸ばしながら互いに補完し合う体制を整えています。たとえば、資産運用に強いFPと保険相談に強いFPが連携することで、お客様に対してより総合的なプランを提供できるようになっています。こうした協業により、個々の専門性を最大限に活かしつつ、チーム全体で質の高いサービスを維持することを目指しています。
FP業界はAIの発達により大きな変化が予想されます。単純なキャッシュフロー表の作成や資産シミュレーションは自動化が進み、情報提供の手段も多様化するでしょう。しかし私は、AIでは提供できない、人間ならではの提案内容の実行支援や、顧客の生活や家族構成を踏まえたきめ細やかな提案こそが、私たちの価値だと思っています。技術が進む時代だからこそ、人間にしかできない相談やフォローの重要性が増すと考えています。
また、将来的には北海道だけでなく全国規模での協業や情報共有の仕組みを作り、地方のお客様にも都市部と同じクオリティのFPサービスを届けたいと考えています。
「日常と仕事を一体化」が自分スタイル
――お仕事以外の過ごし方を教えてください。
仕事に情熱を注ぐのが基本スタイルですが、趣味は車と猫。日常と仕事を一体化し、特別な休暇を設けずとも、仕事が趣味なので用事がなければ仕事をしています。唯一休むのは年末年始くらいです。
Mクリニックは「お客様に寄り添うFPサービス」という理念のもと、地道な努力を積み重ねながら着実に活動を展開しています。AIが普及する中でも、人間ならではの長期的視点による提案を提供し、信頼できる協業ネットワークを広げていく方針です。小川氏の誠実な価値観と実践力が、同社の強みとなっています。

