株式会社MADARA 代表取締役 高瀬 友基氏
「空間が生まれ変わることは、人が生まれ変わること」――そう語るのは、個人住宅から企業オフィス、さらには宿泊施設まで幅広くリノベーションを手がける高瀬氏。空間デザインを通して、人々のライフスタイルや働き方に変化をもたらすその理念と実践を伺いました。
目次
幅広く事業支援を展開
——御社の事業内容を教えてください。
東京や神奈川を中心にリノベーション事業を展開しています。個人宅のリノベーションや賃貸住宅のリノベーションなどを主に設計や施工を行っています。ときには店舗やデイサービス事業者の福祉施設を担当することも。オフィス設計も担っており、リノベーションと一言で言っても幅広く展開しています。
最近はインバウンド需要があり、築年数が古い戸建住宅をリノベーションし、ゲストハウスなど宿泊施設として場を提供するケースをおすすめしています。ゲストハウスの場合は収益率が非常に高く、社会的時流にも合っているため、弊社も事業の一環として取り組ませていただいています。
豊富な経験を武器に大切な夢を実現
——ご自身の経歴を教えてください。
もともと建築で独立したいという想いはありました。建築学科を卒業後に建築設計事務所をいくつか回り、新築を中心に経験させていただきました。それからリノベーションの買取や再販をしている不動産屋さんに転職しました。営業職ではなく、設計や施工の部門に入ったことをきっかけにリノベーションに関する知識やノウハウが自然と広がっていきました。その後、別のリノベーション会社で3年ほど勤めて独立しています。
住まい次第で、心も体も変わる
——リノベーション事業の特徴は何ですか?
私たちは個人住宅と企業案件をほぼ半々で手がけています。住宅では注文住宅や中古マンションのリノベーション、企業ではオフィスや店舗、福祉施設など幅広く対応しています。最近は賃貸住宅や中古一戸建てを宿泊施設に変えるゲストハウス化リノベーション事業も積極的に展開しています。
特徴は、空間を変えることで人も変わるということ。私自身も独立してから戸建て住宅をリノベーションして自分の事務所を作りましたが、毎日居心地の良い空間で過ごせる豊かさを感じています。空間の質が変わると、心や体の状態まで変わるんです。
完成後より1年後の方が美しくなるケースも
——空間と人の関係について具体的な体験はありますか?
前職で手掛けたリノベーション案件で、完成時より1年後の方が、住まいが美しく整っていたことがあります。入居者自身が『もっと良くしよう』と意識を変え、生活習慣や物の整理整頓まで改善されていました。そのとき、空間は人の意識まで変える力があると実感しました。
リノベーションの面白さに気づいたことが大きな転機
—— 創業の経緯を教えてください。
建築家の経営する設計事務所で新築物件に関わった後、中古マンションのリノベーションに携わる中で、この分野の面白さに気づきました。独立前から自分で仕事を取り、さらにステップアップし成長したいと考え、2018年に独立しました。今で約7年経ちます。
インバウンドを意識した事業展開を
——今後の事業展開はどう考えていますか?
今後は、ゲストハウス事業をさらに拡大していきたいですね。中古の一戸建て住宅や空き家を宿泊施設としてリノベーションすることで、従来の賃貸運用よりも2~3倍の利回りが期待できます。
とくに最近は、インバウンド観光が回復してきていることもあり、宿泊施設としての需要は確実に増加していますし、投資としての魅力も高いです。ゲストハウスにすることで、単に空間を再生するだけでなく、そこに滞在する人々にとって居心地の良いデザインや利便性を提供できるのです。
たとえば、広さやベッド配置の工夫、動線の整備、照明や家具の配置まで細かく計画することで、宿泊者の体験価値が大きく変わります。結果として、オーナー様にも高い満足度と収益性を提供できる。それがゲストハウス事業の面白さだと思っています。
心や体と同じように、空間も自分の一部
——最後に、読者に伝えたいメッセージは?
体や心が自分の一部であるように、空間も自分の一部です。だからこそ、空間をリノベーションすることで、人も自然と変わる。私たちは、その変化を生み出すお手伝いをしています。空間が変われば、人の暮らしも、仕事も、人生そのものも変わる――ぜひそんな体験を味わってほしいですね。

