子育て支援を家庭から広げる――保護者の学びの場を提供する「ファミリード」の挑戦

一般社団法人ファミリード 代表理事 星谷みよ子氏

一般社団法人ファミリードは、保護者向けの教育講座を通じて「家庭教育の重要性」を提唱しています。PTA活動の経験や自身の子育てから感じた課題をきっかけに設立され、20名を超える認定講師とともに、保護者の学びを支援する独自の活動を展開しています。本記事では、設立の経緯や理念、組織運営の工夫、そして未来に向けた展望を伺いました。

家庭教育を支えるニッチな活動

――現在の事業内容と特徴について教えてください。

私たちは2020年6月に一般社団法人として設立しました。事業の中心は、保護者向けの講座開催を支援することです。きっかけは娘の小学校のPTA活動にあります。多くの小中学校のPTAには家庭教育委員会や成人委員会と呼ばれる保護者や子ども向けに研修を開催する役割が存在しますが、「どんな講師を呼べばいいのかわからない」「何を学ぶべきかわからない」といった戸惑いに何度か遭遇しました。自身の子育て経験からも、保護者こそ学びが必要だと強く感じ、この領域に踏み出しました。

実際、親になるための学びは公的なものがほとんどないのが現状。
産後直後に向けて沐浴の仕方を学びますが、それだけでは不十分ではないでしょうか。

無意識のうちに、教育は学校任せ、塾任せとしている保護者も少ないようです。
活動を始めて、子どもの一番のキャリアデベロッパーは保護者だと確信するようになりました。そのためのコツを知り、保護者のNGな行動を知るだけでも、知っているのと知らないのでは子ども、保護者ともに人生に大きな違いが生じる可能性が多いにあると思っています。

活動開始当初はすでにコロナ禍であったため、Zoomを活用したオンライン講座や動画配信など、多様な形で保護者に学びを届けています。講座内容は、金融、英語、グローバル化、親子間コミュニケーション、探究学習、食育など幅広く展開していますが、根底にあるのは子供だけでなく、保護者も「自分軸を持つこと」。子どもに保護者の夢を託すのではなく個人を尊重する視点を重視しています。
「今、子どもに見せる背中」を意識することも大事だと思っています。

キャリアと設立の背景

――経営者になられた経緯をお聞かせください。

もともとは分子栄養学をベースとした栄養療法カウンセラーとして、不妊や生活習慣病の背景にある家庭環境の重要性を訴えてきました。ところが、講座に参加するのはすでに知識があり十分に行動されている方ばかり。なぜ子どもがそのような行動をするのかわからないと言った気づきを必要としている保護者に伝えたいと考えるようになりました。

同時期に、副代表が「おこづかい講座」を通じて子どもの自立を促す活動をしていたこともあり、「一緒に広げよう」と意気投合。保護者教育を活発にさせたいという思いから法人を立ち上げました。

――活動の中で印象的だった出来事はありますか。

東京都の教育委員会にアンケートを実施し、家庭教育講座の実態を調査したことです。保護者向け教育の現状は想像以上にデータが少なく、コロナ禍が明けたあとの小中学校の保護者向け教育がどのように変化していたか把握したかったためです。

蓋を開けてみると、残念ながら教育機会に縮小傾向が見られ、運営方法も地域によって大きく異なっていました。教育委員会が直接開催する例もあれば、学校ごとに任されるケースもある。この調査を通じて、私たちがアプローチすべき対象がPTAだけでなく市区町村全体であると気づきました。その結果、新たな依頼にもつながり、活動の幅が広がりました。

講師との信頼関係と組織運営

――講師との関わり方について教えてください。

現在、20名以上の認定講師と連携しています。多くは個人事業主として活動しており、案件ごとに依頼を受ける仕組みです。給与ではなく、年会費や講座ごとの収益分配など柔軟な制度を設けています。

大切にしているのは「我々の思いと重なっているか」です。理念に共感して活動を続けてくださる方が多く、創業時から登録している講師もいます。依頼元とのやり取りを滞らせない責任感は最低限の条件ですが、その上でどんなテーマでも挑戦し、誠実に取り組む姿勢を持つ講師に支えられていることに、日々感謝しています。

保護者の学びを広げる新たな挑戦

――今後の展望を教えてください。

講師の数と講座依頼を増やしていくことが目標です。そのためには、まだ十分に浸透していない「保護者の学びが重要」という価値観を社会に広める必要があります。

今後は、講師同士だけでなく、一般の保護者も交えたコミュニティづくりに力を入れたいと思います。悩みを共有したり、新しい講座を企画したりする場を設けることで、活動を広げていきたい。さらに行政との連携も深め、教育委員会との協議や振り返りを重ねながら、より効果的な支援の仕組みを作りたいと考えています。

経営者として、そして一人の人として

――経営以外で大切にされていることはありますか。

プライベートではホットヨガを続けています。サウナのような高温環境で運動するためハードですが、健康面で効果が大きく、血液検査の数値も目に見えて改善しました。

また、私自身がかつてうつ病を経験したことから、心と体のセルフケアの大切さを痛感しています。薬ではなく生活習慣や栄養の見直しで回復した経験を活かし、同じように悩む人々が立ち直れるようなプログラムを準備中です。特に忙しい子育て世代の女性に、自分を置き去りにせず、子育て終了後も自身の足で立つマインドセットを伝えたいと考えています。

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